incidentlog.jp最終更新 2026-10-13
IncidentLogインシデントログ

306 件

使用ツール一覧

業務やシステム管理に使う正規ツールも、攻撃で悪用されることがあります。ここでは、攻撃グループの使用ツールについて、本来の用途と攻撃での使われ方を出典とともに掲載します。

当サイトでは、ランサムウェアをマルウェアと別の種別にし、正規ツールと合わせて 3 つに分けています。その中を用途・機能による分類でまとめています。「正規ツール」は、本来の用途があるソフトウェアとしての区分です。

種別・分類・ツール名から探す(306 件)

ランサムウェア

暗号化(ランサムウェア本体) 55 件

3AM

別名: ThreeAM、ThreeAM Time、3AM ransomware

暗号化(ランサムウェア本体)

3AM は Rust で書かれた 64 ビットのランサムウェアであり、Symantec が命名した新種とされる [s2][s3]。名称は脅迫文中の「3AM」の記載と、暗号化ファイルに付く拡張子 .threeamtime に由来する [s3]。LockBit の展開に失敗した攻撃者が代替として投入した事例で発見され、3 台に展開されたが 2 台では阻止された [s3]。実行時にセキュリティやバックアップ関連サービスの停止を試み、ファイルを暗号化して元ファイルを削除し、ボリュームシャドウコピーの削除も試みる。各フォルダに RECOVER-FILES.txt を置き、盗んだデータの売却を示唆して脅迫する二重脅迫型である [s2][s3]。事前に gpresult の実行や Cobalt Strike、PsExec の使用が確認された [s3]。守る側は EDR の導入、既知のセキュリティ製品のサービス停止の検知、gpresult の実行検知、バックアップの確保と検証に注目すべきである [s2][s4]。

使用するグループ

3AMの出典

AiLock

別名: AiLock ransomware

暗号化(ランサムウェア本体)

AiLockは2025年3月に確認されたランサムウェアであり、中核グループが開発し、アフィリエイトが身代金の分け前と引き換えに攻撃へ用いるRaaSの形態をとる[s5]。侵入後はローカルPCと共有ネットワークドライブのファイルを暗号化し、拡張子「.AiLock」への変更と「Readme.txt」という脅迫文の設置を行う[s5]。セキュリティ機能の無効化やサービス停止、復旧可能なファイルの削除を試みるほか、共有ドライブを探索して感染を広げるとされる[s5]。暗号化に加えて情報を窃取し、リークサイト公開で脅す二重脅迫も多い[s5]。主な侵入経路はフィッシングメール、RDP/VPNの不正利用、海賊版ソフトや偽の更新を装う不正ダウンロードである[s5]。守る側はVPN・リモートデスクトップへの多要素認証、外部RDPの無効化、許可リスト方式でのアプリ実行制限を行い、「.AiLock」拡張子、Readme.txt、不審なサービス停止を監視するとよい。バックアップはオフラインか改変不能な保存先に置く[s5]。

使用するグループ

Akira

別名: Akira_v2、Megazord、Akira ransomware

暗号化(ランサムウェア本体)

Akira は 2023 年 3 月から活動が確認されているランサムウェアである[s1][s2]。初期版は C++ で書かれ、暗号化したファイルに .akira 拡張子を付ける。2023 年 8 月以降は Rust 製の Megazord も併用され、こちらは .powerranges 拡張子を付けるとされる[s1]。Windows 版に続き 2023 年 4 月に VMware ESXi を狙う Linux 版が出現し、2025 年 6 月には Nutanix AHV を狙った事例も報告された[s1]。攻撃者は VPN の脆弱性や MFA 未設定の VPN から侵入し[s1][s2]、LSASS ダンプで認証情報を盗んで横展開したのち、データ窃取と暗号化の二重恐喝を行う[s2][s5]。実行時は PowerShell でボリュームシャドウコピーを削除する[s2][s5]。守る側は VPN 機器の既知脆弱性の修正、MFA の強制、オフラインバックアップの維持[s1]のほか、akira_readme.txt や Log-日付.txt の生成、シャドウコピー削除コマンドを検知の手がかりとする[s5]。

使用するグループ
関連する分析

Akiraの出典

Akira_v2

別名: Akira v2

暗号化(ランサムウェア本体)

Akira_v2 は、ランサムウェア Akira の暗号化機能を担うペイロードの一つである。CISA は、初期版が C++ で書かれ「.akira」拡張子で暗号化したのに対し、攻撃者が Rust 製の Megazord と Akira(Akira_v2 を含む)を併用していると述べている[s1]。Cisco Talos は、Akira の RaaS 運営者が ESXi 向け暗号化ツールを C++ から Rust へ移し、Windows と Linux の双方を狙う新版も確認したとする[s3]。攻撃では、VPN の侵害された認証情報や既知の脆弱性で侵入し、データを窃取した後に暗号化する二重恐喝の最終段階で使われる[s1][s4]。守る側は、MFA 未設定の VPN と既知の悪用脆弱性への対処、オフラインのバックアップ保管と復元試験が要点である[s1]。ESXi など仮想化基盤も標的となる[s3]。

使用するグループ

Akira_v2の出典

Arcus Media ransomware

別名: Arcus Media

暗号化(ランサムウェア本体)

Arcus Media は2024年5月に登場したとされるランサムウェア・アズ・ア・サービス(RaaS)で、独自開発のマルウェアを用い、紹介と審査が必要な閉じたアフィリエイト制で運営される [s4]。収益は実行者が約70%、運営側が30%を受け取る [s4]。初期侵入はフィッシングや初期アクセスブローカー経由の認証情報によるとされ、Zensec はRDPやファイル転送の悪用も挙げる [s4][s5]。侵入後は難読化したスクリプトやローダーで展開し、Mimikatz で認証情報を窃取する [s4]。ファイルは AES で選択的に暗号化し、鍵交換に RSA を使う [s4]。セキュリティ製品の停止、シャドウコピー削除、レジストリ変更やタスクスケジューラによる永続化も行い、データ窃取と暴露による二重脅迫に加え DDoS も確認されている [s4][s5]。守る側は、セキュリティ製品の無効化、シャドウコピー削除、業務プロセスの強制終了、暗号化前の大量データ送出を監視すべきである [s4][s5]。

使用するグループ

Argonauts Group Ransomware

別名: Argonauts ransomware、Argonauts

暗号化(ランサムウェア本体)

Argonauts Group Ransomware は、2021年10月に初めて確認されたとされるランサムウェアである。ロシアを拠点とする「Argonauts」というグループが展開したとされる[s3]。対象OSはWindowsで、暗号化したファイルに拡張子 .argonaut を付け、身代金要求文書は ARGONAUTS_HELP.html である[s3]。脆弱なサーバーやネットワークを狙ってデータを暗号化し、復号鍵と引き換えに暗号資産(主にビットコイン)での支払いを求める[s3]。データを盗んでリークサイトで暴露すると脅す二重恐喝の手口を取る[s3]。物流、医療、エネルギー、通信が主な標的とされる[s3]。守る側は、暗号化の前段にある初期侵入、認証情報の窃取、データ持ち出しの段階での検知と、ネットワーク分離やバックアップの確保が要点となる[s2]。

使用するグループ

Babuk

別名: Babuk Locker、Babyk、Babuk Locker 2.0

暗号化(ランサムウェア本体)

BabukはWindowsとLinux向けに作られたランサムウェアであり、2020年初頭に登場し、2021年3月にRaaS型へ移行したとされる [s2]。2021年4月に提供終了と公開の意向が示され、同年のソースコード流出で多数の派生種が生まれた [s2][s4][s5]。攻撃では多くの場合Cobalt Strikeで足場を築いた後に展開され [s2]、データベースやOfficeのプロセス、バックアップや対策製品のサービスを停止し、vssadminでシャドウコピーを削除してから暗号化する [s3]。暗号化後は拡張子「.babyk」を付与し、Torへの誘導を含む脅迫文を残す [s3]。盗んだデータを公開すると脅す二重恐喝も行う [s5]。2025年の「Babuk Locker 2.0」は、解析された検体がLockBit 3.0だった [s4]。Bjorkaとの関係は憶測とされ、Babuk2は別の模倣グループとされる [s4][s5]。守る側は、サービス停止やシャドウコピー削除の挙動、Cobalt Strikeの痕跡、RDPの利用を監視し、パッチ適用、多要素認証、検証済みバックアップを備える [s2][s3][s5]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Babukの出典

Babuk (Linux decryptor variant)

別名: Babuk、Babyk、Babuk Tortilla decryptor

暗号化(ランサムウェア本体)

Babuk は Windows や ARM 向け Linux などを対象に作られたランサムウェアで、2021年3月に RaaS 型へ移行し、同年9月にソースコードが流出した[s2][s3]。本項目はその Linux 版・復号ツール系の亜種を指す。Tortilla 亜種では攻撃者が単一の鍵ペアで全被害者を攻撃し、秘密鍵を埋め込んだ復号ツールを提供していたとされる[s3]。攻撃では Cobalt Strike で足場を築いた後に展開され、AES-256 で暗号化し、バックアップ妨害やシャドウコピー削除も行う[s2][s3]。ESXi ホストへの高速な暗号化が主な脅威とされる[s4]。守る側は ESXi と管理サーバーの隔離、スナップショットの保全、管理者パスワードの全面変更、隔離環境での復旧が要点で、無償の Avast 復号ツールも使える[s3][s4]。

使用するグループ

Babuk (Linux decryptor variant)の出典

BianLian ランサムウェア

別名: BianLian ランサムウェア(Go 製)、BianLian、BianLian ransomware (Go)

暗号化(ランサムウェア本体)

BianLian は Go 言語で書かれたランサムウェアであり、同名の恐喝グループが開発・運用する [s3]。CISA などはこのグループを、ランサムウェアの開発・展開とデータ恐喝を行う犯罪集団で、ロシアを拠点とする可能性が高いとしている [s1]。攻撃では、窃取した RDP 認証情報やフィッシング、ProxyShell などの脆弱性悪用で侵入する [s1][s5]。データを持ち出したうえで暗号化する二重恐喝を行っていたが、2023 年ごろから暗号化を伴わない窃取型の恐喝に移り、2024 年 1 月ごろには窃取のみとなった [s1][s5]。暗号化は標準の Go ライブラリで行われ、除外・対象とする拡張子やパスの一覧が埋め込まれている [s3]。守る側は RDP やリモートデスクトップの利用を厳しく制限し、コマンドラインやスクリプト実行の権限を絞り、PowerShell を制限して最新に保つべきである [s1]。バックドア DLL の名前やパスは侵害ごとに異なるため、名前に基づく検知は難しい [s5]。

使用するグループ

BianLian ランサムウェアの出典

BlackSuit

別名: Royal

暗号化(ランサムウェア本体)

BlackSuit は Royal ランサムウェアが再ブランド化したランサムウェアである。Royal は 2022 年 9 月頃から 2023 年 6 月頃まで使われ、BlackSuit は多くのコードの類似点を持ちながら機能が改良されたとされる [s1]。Windows と Linux の両方に対応し、フィッシングメールのほか Empire、Metasploit、Cobalt Strike などで配布される [s3]。侵入後は Cobalt Strike、PsExec、RDP で横展開し、rclone で約 60GB を流出させた事例がある [s4]。暗号化の前に防御ソフトを無効化してデータを持ち出し、身代金が払われなければリークサイトで公開する [s1]。暗号化する割合を指定できる部分暗号化を使い、検知回避と高速化を図る [s1]。Windows では vssadmin でシャドウコピーを削除し、README.BlackSuit.txt を残す [s3]。守る側は、vssadmin の /all /quiet 実行、PsExec と rclone の不審な利用、README.BlackSuit.txt や .blacksuit の出現、-nomutex 付きの実行を監視する [s3][s4][s5]。

使用するグループ

CACTUS ransomware

別名: CACTUS

暗号化(ランサムウェア本体)

CACTUS は、2023年3月から大企業を狙って活動し、同年5月に Kroll が新種として確認したランサムウェアである [s5]。身代金要求文書のファイル名「cAcTuS.readme.txt」が名の由来で、暗号化したファイルには「.cts1」「.cts2」のような拡張子が付く [s5]。暗号化と窃取を組み合わせる二重脅迫型で、RSA と AES で暗号化する [s4]。初期侵入では VPN の既知の脆弱性を突くとされ [s4]、2023年11月には Qlik の脆弱性も悪用された [s5]。侵入後はネットワークスキャンや LSASS からの認証情報窃取で横展開し、msiexec でウイルス対策製品を削除し、窃取データは Rclone でクラウドへ送る [s4]。検体は AES 鍵がないと展開できない暗号化形態で配布される [s4]。守る側は VPN への修正プログラム適用、多要素認証、ネットワーク分割、横展開の監視が要点で [s4]、ファイル拡張子の変化や置き手紙のファイルも手掛かりとなる [s5]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

CACTUS ransomwareの出典

Cephalus

別名: Cephalus ransomware

暗号化(ランサムウェア本体)

Cephalus は Go 言語で開発された Windows 向けのランサムウェアである。2025年6月中旬ごろに現れた新しい集団が使うとされ、AES と RSA の併用で暗号化し、データを持ち出してから暗号化する二重恐喝を行う[s2][s3]。主な侵入経路は多要素認証(MFA)のない RDP アカウントの悪用である[s1][s3]。実行時は正規の SentinelOne 実行ファイル SentinelBrowserNativeHost.exe から DLL をサイドロードし、data.bin を読み込ませる手口が確認された[s1]。起動後は vssadmin でシャドウコピーを削除し、Windows Defender の除外設定や無効化を行い、Veeam や MSSQL などのサービスを停止する[s1][s3]。暗号化したファイルには .sss を付け、recover.txt を置く[s3][s4]。守る側は RDP の公開を避けて MFA を必須とし、Defender の無効化、VSS 削除、サービスの大量停止、Downloads 内の SentinelBrowserNativeHost.exe を監視すべきである[s1][s5]。

使用するグループ
関連する分析

Cephalusの出典

Cicada3301 ランサムウェア

別名: Cicada3301 ランサムウェア(Rust 製)、Cicada3301、Cicada 3301 ransomware、Cicada3301 (Rust)

暗号化(ランサムウェア本体)

Cicada3301 は Rust で書かれたランサムウェアであり、Repellent Scorpius と呼ばれるグループが RaaS として配布しているとされる [s4]。Windows 向けと Linux/ESXi 向けがあり、後者は ELF バイナリで Rust 1.79.0 が使われていた [s5]。攻撃ではファイル暗号化に加え、窃取した情報の公開を迫る二重脅迫が行われる [s4]。Unit 42 の事例では、窃取した認証情報による RDP 侵入の後、バッチスクリプト 1.bat と PsExec を使ってランサムウェア本体を複数ホストで実行した [s4]。Truesec の事例では ScreenConnect への正規認証情報でのログインから始まった [s5]。コードには ALPHV との類似点(ChaCha20 の利用、VM 停止とスナップショット削除のコマンドなど)がある [s5]。守る側は、RDP や ScreenConnect など遠隔アクセスの認証強化と、PsExec による一斉実行、Rclone による持ち出しの監視が要点となる [s4][s5]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

関連する分析

Clop

別名: Cl0p、CL0P、.Clop、Cl0p^_-Leaks

暗号化(ランサムウェア本体)

Clop(Cl0p)は、ランサムウェア CryptoMix の亜種として進化した金銭目的のランサムウェアであり、ロシア語圏の攻撃グループが運営するRaaSでもある[s2][s4]。MITRE ATT&CK では S0611 とされる[s4]。2019年2月に TA505 のスピアフィッシングで確認され、2020年にはFIN11が Accellion FTA の脆弱性を突いて展開した[s2]。攻撃では最終段階のペイロードとして使われ、暗号化したファイルに .clop などの拡張子を付け、README 系のランサムノートを残す[s2][s4]。暗号化前に情報を窃取し、リークサイト「Cl0p^_-Leaks」での暴露で脅迫する多重脅迫も行う[s2][s5]。2023年のMOVEit Transferの脆弱性悪用では暗号化が確認されず、窃取情報の暴露のみで脅迫したとされる[s1]。コード署名による検出回避や、バックアップ・セキュリティ関連プロセスの停止、仮想環境での実行回避も報告されている[s5]。守る側は、暗号化の段階だけでなく、正規ツールや正規アカウントの悪用を含む攻撃フロー全体を相関分析で捉える必要があるとされる[s1]。ファイル転送製品の脆弱性への対処も欠かせない[s2][s3]。

使用するグループ

Clopの出典

Crypto24

暗号化(ランサムウェア本体)

Crypto24 は、同名のランサムウェアグループが運用するランサムウェアである。2023年末に登場し、アジア・欧州・米国の大企業を狙うとされる [s5]。侵入後は net.exe で管理者アカウントを作成・再有効化し、PsExec や AnyDesk、キーロガー、バックドア、Google Drive を併用して水平移動と情報窃取を行ったうえで、暗号化を実行する [s2][s3]。ランサムウェアは sc.exe で「MSRuntime」(表示名 Microsoft Runtime Manager) というサービスとして登録され、svchost.exe -k MSRuntime の形で動作する [s3][s5]。攻撃前には RealBlindingEDR の独自版でセキュリティ製品のコールバックを除去する [s3]。守る側は、不審な管理者アカウントの追加、%ProgramData%\Update\ 配下のスクリプトや不審なサービス登録、gpscript.exe 経由のアンインストーラ実行を監視し、最小権限の徹底とエージェントの自己保護機能を有効にすべきである [s2][s3]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Devman ransomware

別名: DevMan、DEVMAN

暗号化(ランサムウェア本体)

DevMan は 2025 年に確認された新興のランサムウェアであり、DragonForce ランサムウェアの派生とされる [s5]。コードの大部分を DragonForce と共有し、暗号化後の拡張子を .dragonforce_encrypted から .devman に変えただけの可能性が高いとされる [s2]。侵入後は SMB 共有の探索、PsExec や RDP による横展開、Mimikatz での認証情報窃取を行い、暗号化前にデータを窃取して二重脅迫に用いる [s3][s5]。暗号化は全体・先頭のみ・カスタムの三方式を選べ、シャドウコピーを削除し、Restart Manager でファイルロックを回避する [s2][s3]。外部 C2 に接続しないオフライン型とされ [s4]、監視では外部通信よりも、普段と異なる地域からの RDP や SSH、管理共有を使った横展開、rstrtmgr.exe の悪用などの兆候に注目すべきとされる [s4]。

使用するグループ
関連する分析

Devman ransomwareの出典

Dire Wolf ransomware

別名: Dire Wolf ransomware (.direwolf)、.direwolf、Dire Wolf、Ransom:Win64/DireWolf.A

暗号化(ランサムウェア本体)

Dire Wolf は Windows を対象とする二重恐喝型のランサムウェアで、同名の人手による攻撃グループが使う。Go 言語製で通常 UPX で圧縮され、2025年4月の攻撃が最古の記録とされる [s3]。攻撃者は数日から数週間かけて侵入先に滞在し、平均約 265GB のデータを窃取してから暗号化する [s3][s4]。実行時は Global\direwolfAppMutex と C:\runfinish.exe を確認し、あれば自己削除する [s3]。暗号化前に Event Log サービスの停止、ログ消去、vssadmin や wbadmin によるシャドウコピーとバックアップの削除、bcdedit による回復無効化、最大 75 のサービス停止を行う [s3][s5]。ファイルは Curve25519 と ChaCha20 で暗号化し拡張子 .direwolf を付け、各所に HowToRecoveryFiles.txt を置く [s2][s3]。守る側はこれらのコマンド実行とログサービスの異常停止を監視し、オフラインのバックアップを確保すべきである [s3]。

使用するグループ

Dire Wolf ransomwareの出典

DragonForce

別名: DragonForce Ransomware、Water Tambanakua、DragonForce Ransomware cartel

暗号化(ランサムウェア本体)

DragonForceは2023年に登場したRaaS型のランサムウェアである。Windows、Linux、ESXi、NAS向けの暗号化ツールを備え、LockBit 3.0やContiの流出ビルダーを再利用している[s1][s4]。攻撃者は初期侵入後にCobalt Strike、Mimikatz、SystemBCなどを展開し、データ窃取と暗号化の二重恐喝を行う[s3]。暗号化ファイルには.dragonforce_encryptedや.lockedの拡張子が付き、シャドウコピー削除やバックアップ無効化のコマンドも実行する[s1][s4]。Linux版はvim-cmdで仮想マシンを列挙し停止する[s1]。脆弱なドライバーを悪用するBYOVDで防御を無効化するとされる[s1][s3]。守る側は、Ivanti Connect Secureなど公開機器の既知脆弱性の修正、未署名ドライバーの導入やサービスの突然の停止、予期しないファイル削除の監視、C:\Users\Public\log.logの作成確認が要点となる[s1][s3][s2]。

使用するグループ
関連する分析

DragonForceの出典

Everest ransomware (EVEREST LOCKER)

別名: Everest、Everest Ransomware、EVEREST LOCKER、Everest Locker

暗号化(ランサムウェア本体)

Everest ransomware は Windows を対象とするランサムウェアであり、2020年12月から活動するロシア語圏の閉じた集団が運用するとされる[s2]。BlackByte の C# 版と技術的に近く、暗号鍵を C2 から取得せず感染端末上で生成する[s1][s2]。攻撃では RDP や VPN の露出、購入・内部協力者由来の正規アカウントで侵入し、AnyDesk、Splashtop、Atera の常駐や Cobalt Strike を使った後、WinRAR で固めたデータを窃取してから暗号化する。暗号化後は拡張子 .everest を付け、EVEREST LOCKER .txt という脅迫文を残す[s1][s2]。実行前にシャドウコピーと復元ポイントを削除し、Controlled Folder Access を無効化する[s2]。守る側は、MFA のない RDP と脆弱な VPN の遮断、vssadmin によるシャドウコピー削除や Set-MpPreference の実行、C:\Users\Public\Downloads の subnets.txt や trustdumps.txt の出現を監視すべきである[s1][s2]。

使用するグループ

Everest ransomware (EVEREST LOCKER)の出典

Exitium

別名: Exitium ransomware、Exitium virus、Ransom:Win32/EXITIUM.YBF!MTB

暗号化(ランサムウェア本体)

Exitium はファイルを暗号化して身代金を要求するランサムウェアである。PCrisk が VirusTotal 上の検体から確認したもので、暗号化したファイルに「.exitium」拡張子を付け、「YOU ARE UNDER ATTACK!.html」という脅迫文を残す[s5]。脅迫文は、168 時間以内に Tox で連絡しなければ暗号化されたファイルは永久に復元できないとし、暗号化ファイルの削除や改変を禁じている。同名のグループは流出サイトも運用している[s5]。2026 年 3 月 29 日には台湾の太陽電池メーカー Ming Hwei Energy への攻撃を公表し、交渉に応じなければ機密データを公開すると脅した[s4]。Microsoft Defender Antivirus は Ransom:Win32/EXITIUM[.]YBF!MTB として検出する[s2]。PCrisk によれば無料の復号ツールは確認されていない[s5]。守る側は、オフラインで保管し改変できないバックアップを用意して現状を検証すること、MFA を全ての接続点に適用すること、セキュリティソフトの定義を更新して検出を有効にすること[s2][s4]、不審なメールの添付ファイルやリンクを開かないこと、ソフトウェアを最新に保つことが要点とされる[s5]。

使用するグループ

Exitiumの出典

FunkSec ransomware

別名: FunkSec ransomware (.funksec)、FunkLocker、.funksec、FunkSec V1.5

暗号化(ランサムウェア本体)

FunkSec ransomware は、2024年末に登場した FunkSec が RaaS として運用するランサムウェアである。暗号化とデータ窃取を組み合わせた二重脅迫を行い、Rust で書かれた暗号化プログラムを用いる[s3]。ChaCha20 でファイルを暗号化して拡張子 .funksec を付け、README-[ランダム文字列].md という脅迫文を残す[s2][s3]。要求額は 0.1 BTC で、連絡手段は Tor サイトと Session である[s2]。実行時は net session で管理者権限を確認し、無ければ PowerShell で昇格を試みる。続いて Windows Defender のリアルタイム保護や Security・Application ログを無効化し、vssadmin でシャドウコピーを削除する[s3]。守る側は、これらのコマンド実行や、全ドライブを走査して拡張子 .funksec が付く挙動を監視すべきである。復号ツールが無償で提供されているとされる[s2]。バックアップは複数の保管先に分けて持つことが推奨される[s2]。

使用するグループ

FunkSec ransomwareの出典

GhostLocker

別名: Ransom.Win64.GHOSTLOCKER.THJBCBC、GhostLocker RaaS

暗号化(ランサムウェア本体)

GhostLocker は、ハクティビストグループ GhostSec が 2023 年 10 月に発表したランサムウェア・アズ・ア・サービス(RaaS)の暗号化ツールである[s4]。ウェブ型のビルダーと管理ポータルが提供され、停止するプロセスや暗号化対象パス、自己削除、永続化などを調整できる[s3]。初期版は Python 製で、Fernet により暗号化する[s3][s4]。2024 年 1 月の 2.x 版以降は Golang で書かれているとされる[s3]。感染後は暗号化したファイルに .ghost の拡張子を付け、身代金要求文書を置く[s1][s3]。初期の検体は暗号化鍵と被害者情報を平文の HTTP で攻撃者のパネルへ送り、暗号化機能が未実装だった[s4]。守る側は、Documents フォルダの lmao.html や .ghost 拡張子、ユーザー Temp 配下の onefile_ で始まるフォルダ、外部への HTTP 通信を確認するとよい[s1][s4]。バックアップからの復元手順も用意しておく[s1]。

使用するグループ

GhostLockerの出典

Gunra ransomware

別名: Gunra

暗号化(ランサムウェア本体)

Gunraは2025年4月に初めて観測された二重恐喝型のランサムウェアで、流出したConti のソースコードに由来するとされる[s1]。2026年初めからは、管理パネルや設定可能なビルダー、クロスプラットフォームのロッカーを提供するRaaSとして、アフィリエイトに使われている[s1]。攻撃者はデータを暗号化し、窃取したデータをリークサイトに公開すると脅して身代金を要求し、交渉にはTorベースの専用ポータルを使う[s1]。Linux版は最大100スレッドの並列暗号化と部分暗号化に対応し、暗号化の対象パスや拡張子を実行時に指定する[s4]。被害は医療、金融、製造、運輸、政府機関など複数の業種に及ぶ[s1]。守る側は、VPNゲートウェイやRDPなど外部公開システムの既知の悪用される脆弱性への優先的なパッチ適用、オフラインで改変不能なバックアップの確保、ネットワーク分離による横展開の抑止が求められる[s1]。

使用するグループ

Gunra ransomwareの出典

INC ransomware

別名: INC Ransom、Inc. Ransom、INC Encryptor

暗号化(ランサムウェア本体)

INC ransomware は2023年7月に現れたランサムウェアによる恐喝活動である[s4]。データを窃取して公開すると脅す多重恐喝を行い、医療・教育・政府機関を含む複数業種を区別なく狙う[s4]。初期侵入はスピアフィッシングや Citrix NetScaler の CVE-2023-3519 など脆弱なサービスの悪用で、侵入後は NETSCAN.EXE、MEGAsyncSetup64.EXE、ESENTUTL.EXE、AnyDesk.exe といった市販ツールや OS 標準ツールを偵察や横展開に使うとされる[s4]。暗号化の実行体は --dir、--ens(ネットワーク共有の暗号化)、--lhd(隠しドライブの暗号化)などの引数を取り、引数なしではローカルの全ボリュームを暗号化する。各フォルダに INC-README.TXT と INC-README.HTML を残し、プリンターへの出力も試みる[s4]。ソースコードは2024年3月には闇市場で売りに出ており、後継の Lynx が大部分を共有する[s5]。守る側は、前述のツール類の不審な使用、ネットワーク通信の異常、バックアップの整備、MFA の導入、パッチ適用を確認する[s4]。

使用するグループ
関連する分析

INC ransomwareの出典

KAWA4096

別名: KaWaLocker

暗号化(ランサムウェア本体)

2025年6月に登場したランサムウェアで、名称には日本語の「川」を指す Kawa が含まれる。リークサイトは Akira 風、脅迫文の形式は Qilin に似るとされる [s4]。攻撃者は二重脅迫を行うとされ、Tor 上のリークサイトで被害者情報を公開する [s5]。RaaS かどうかは公開情報では確認されていない [s5]。日本と米国が主な標的で、Talos は日本企業 2 社への攻撃の可能性を挙げた [s3][s4]。実行時は、リソース内の設定からバックアップ・SQL・SAP 関連のサービスや Outlook などのプロセスを停止し、共有ドライブも含めて暗号化する。暗号化はファイル全体ではなく一部のみ行う設定がある [s4][s5]。守る側は、引数なしで -all 付きの再起動を行う挙動、Mutex「SAY_HI_2025」の作成、レジストリへの独自拡張子とアイコンの登録を検知の手がかりにできる [s3][s4][s5]。

使用するグループ

KRYBIT ransomware

別名: KRYBIT ransomware (.KRYBIT)、.KRYBIT、Krybit、KRYBIT virus

暗号化(ランサムウェア本体)

KRYBIT は、2026年3月下旬に確認されたランサムウェア・アズ・ア・サービス(RaaS)として運営される暗号化型ランサムウェアである。運営側は Windows、Linux、VMware ESXi、NAS 向けのビルダーを提供し、収益は運営20%・アフィリエイト80%で分配される[s3]。攻撃では先にデータを窃取してから暗号化する二重脅迫を行い、Tor 上のリークサイトで支払いを迫る[s3]。暗号化したファイルには「.KRYBIT」拡張子を付け、「RECOVER-README.txt」を残す。脅迫文は Tor のチャットサイトへの接続を指示し、第三者ツールでの復旧を警告する[s4]。検体は Babuk の派生として検出され、Babuk の流出ソースコードに基づく株とされる[s3]。守る側は、拡張子「.KRYBIT」と脅迫文の有無、Babuk 系の検出名(Filecoder[.]Babyk.A など)を手掛かりにする[s3][s4]。公開された復号ツールは無いとされるため、バックアップの確保が要点である[s4]。

使用するグループ

KRYBIT ransomwareの出典

LockBit

別名: LockBit 2.0、LockBit Red、LockBit 3.0、LockBit Black、LockBit Green、LockBit Linux-ESXi Locker、ABCD ransomware

暗号化(ランサムウェア本体)

LockBit はサービスとしてのランサムウェア(RaaS)として運用される暗号化型ランサムウェアである。前身の ABCD ランサムウェアが 2019 年 9 月に確認され、2020 年 1 月に LockBit の名で現れた[s1]。アフィリエイトが侵入後に展開し、データの暗号化と窃取による二重脅迫で身代金を要求する[s3][s4]。LockBit 3.0 は管理共有やグループポリシーで拡散し、セキュリティ製品のプロセスやサービスを停止し、セーフモードで実行でき、実行後は自己削除を試みる[s4]。名古屋港の障害では物理サーバと全仮想サーバが暗号化された[s3]。初期侵入は RDP、フィッシング、公開アプリの脆弱性悪用、正規アカウントの不正利用などで、アフィリエイトごとに手口が異なる[s4]。守る側は、攻撃フロー全体を捉える XDR など相関分析できる検知を備え[s3]、多要素認証、権限の見直し、複数世代のオフラインバックアップを整えるべきである[s5]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

関連する分析

LockBitの出典

LockBit 3.0

別名: LockBit 3.0 ベースのランサムウェア、LockBit Black、LockBit 3

暗号化(ランサムウェア本体)

LockBit 3.0 は、LockBit 2.0 を引き継ぐ RaaS 型のランサムウェアである。2022年6月に公開され、「LockBit Black」とも呼ばれる [s3][s5]。BlackMatter のコードと類似する部分があるとされる [s3]。アフィリエイトが RDP の悪用、フィッシング、有効なアカウントの悪用、公開アプリの脆弱性悪用などで侵入した後に展開する [s1]。初期配布は Cobalt Strike などを介して行われる [s5]。実行時にはプロセスやサービスの停止、シャドウコピーやログの削除を行い、データを暗号化して身代金要求文を残す [s1]。実行にパスワード引数を要求し、コードを復号することで解析と署名検知を妨げる [s1][s5]。防御側は、侵入経路となる既知の脆弱性の修正、フィッシング耐性のある多要素認証の適用、フィッシング対策の教育を優先すべきである [s1]。暗号化前に rclone や MEGA で情報を持ち出す点にも注意が要る [s1]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

LockBit 3.0 (LockBit Black)

別名: LockBit Black、LockBit 3.0、LockBit v3.0

暗号化(ランサムウェア本体)

LockBit 3.0 は RaaS として提供されるランサムウェア LockBit の派生版で、2022年6月ごろに確認され、LockBit Black とも呼ばれる [s2][s3]。BlackMatter とコードが類似するとされ、2022年9月にビルダーが流出した [s1][s2]。アフィリエイトは Cobalt Strike などのフレームワーク、フィッシング、RDP、公開アプリの悪用などで侵入し、ペイロードを配布する [s3][s4]。実行時は管理共有や GPO で横展開し、セキュリティ製品のサービスを停止し、ファイルを暗号化して拡張子・アイコン・壁紙を変え、脅迫文を残す [s4][s5]。起動に -pass 引数を要し、解析を妨げる [s2][s4]。守る側は、Cobalt Strike 等による配布の兆候、不審なサービス導入、セキュリティサービスの停止、管理共有や GPO を介した拡散の挙動を監視すべきである [s3][s4]。

使用するグループ

LockBit 3.0 (LockBit Black)の出典

Lynx ransomware

別名: Lynx

暗号化(ランサムウェア本体)

Lynx は 2024 年 7 月に Palo Alto Networks の研究者が発見した、INC ランサムウェアの後継とされるランサムウェアである [s3]。RaaS モデルで運用され、ソースコードの大部分を INC と共有する [s3]。INC のビルダーは 2024 年 4 月に地下フォーラムで販売されており、Lynx はそれを購入して改変したと考えられている [s4]。Windows 版は C++ で書かれ、AES-128 CTR と Curve25519 Donna で暗号化し、拡張子 .lynx を付ける [s3]。攻撃はフィッシングメールで始まり、データを窃取してから暗号化する二重脅迫を行う [s3][s5]。事案ではネットワーク走査、管理者資格情報の使い回し、AWS S3 への大量送信、AnyDesk の使用が観測された [s5]。実行時にシャドウコピーを削除する [s3]。守る側は、SMB 共有の列挙、管理者アカウントの異常な利用、外部クラウドへの大量アップロード、SMB の大量読み書きを監視すべきである [s5]。

使用するグループ
関連する分析

Lynx ransomwareの出典

Mario ESXi

別名: Mario、emario.out、.emario

暗号化(ランサムウェア本体)

Mario ESXi は、ランサムウェアグループ RansomHouse が使う独自のランサムウェア亜種である[s2][s4]。VMware ESXi を標的に設計され、2021年に登場した Babuk ランサムウェアの流出ソースコードを基に開発されたとみられる[s2]。SentinelLABS は生成ファイル名が emario[.]out で、既定の脅迫文名が How To Restore Your Files.txt であると記している[s3]。攻撃では ESXi 上のファイルを暗号化し、脅迫文を残して身代金を要求する。RansomHouse は暗号化に加え、窃取データの公開で脅す二重脅迫を行う[s2][s4]。配備には MrAgent が使われ、複数のハイパーバイザーへ暗号化プログラムを一括展開し、ファイアウォールの無効化なども行う[s4][s5]。守る側は ESXi への既知脆弱性パッチ適用、管理権限の最小化、ESXi 用ネットワークの分離、仮想マシンと設定のバックアップを要点とする[s4]。

使用するグループ

Mario ESXiの出典

Medusa (gaze.exe)

別名: gaze.exe、Medusa ransomware、Medusa Ransomware

暗号化(ランサムウェア本体)

Medusa は 2021 年 6 月に初めて確認されたランサムウェア・アズ・ア・サービス(RaaS)で、gaze.exe は Medusa 特有のファイル名とされる暗号化実行ファイルである [s1][s4]。当初は閉じた運用だったが、遅くとも 2023 年初頭から開発者がアフィリエイトへ提供する形態に移った [s1]。暗号化したファイルには拡張子 .MEDUSA が付き、身代金要求書 !!!READ_ME_MEDUSA!!!.txt が置かれる [s5]。攻撃では、暗号化と並行して窃取データの公開を迫る二重恐喝を行う [s1]。2026 年 2 月の医療機関への攻撃では、RDP(mstsc.exe)による横展開や vssadmin.exe list shadows によるバックアップ探索の後、gaze.exe による暗号化が試みられた [s4]。守る側は、全端末へのセンサー導入で監視の空白をなくすこと、gaze.exe などの特徴的なファイル名や挙動を継続的に探索すること、ネットワーク分割とパッチ適用を徹底することが要点である [s1][s4]。MedusaLocker とは無関係とされる [s1]。

使用するグループ
関連する分析

Megazord

別名: Megazord encryptor、Ransom.Win64.MEGAZORD.THHBIBC、powerranges

暗号化(ランサムウェア本体)

MegazordはAkiraランサムウェアの攻撃者が使うRust製の暗号化ツールであり、暗号化したファイルに拡張子「.powerranges」を付ける[s1]。2023年8月に登場し、Power Rangersに関する名称が随所に見られる[s5]。Akiraとはコードや静的特徴が似ており、Akiraの発展形または関連系統とされる[s5]。2023年8月以降、一部のAkira攻撃で展開され、攻撃者はMegazordとAkira(Akira_v2を含む)を併用している[s1]。実行時にはSQL、Exchange、バックアップ関連などのサービスやプロセスを停止し[s3]、「Get-VM | Stop-VM -Force」でHyper-V上の仮想マシンも強制停止する[s5]。既定では各ファイルの15%を暗号化し、身代金要求文書powerranges.txtを暗号化先フォルダに置く[s3][s5]。守る側は、cmd.exeやPowerShellによるサービス・VM停止の連続実行、「.powerranges」拡張子の出現を監視し、オフラインのバックアップと復元テストを整えるべきである[s1][s5]。

使用するグループ

Megazordの出典

MetaEncryptor

別名: MetaEncrypter、Ransom.Win64.METAENCRYPTOR.A

暗号化(ランサムウェア本体)

MetaEncryptor は 2022 年初頭に遡るとされるランサムウェアであり、Trend Micro は Ransom.Win64[.]METAENCRYPTOR.A として検出している [s4][s1]。他のマルウェアに投下されるか、悪意あるサイトの閲覧時に意図せずダウンロードされて侵入する [s1]。実行時は Firebird、MSSQL、Exchange、PostgreSQL、Tomcat、SharePoint などのサービスを停止し、メモリ量や OS 版数などの情報を収集する。暗号化したファイルには .metaencrypted を付け、各ディレクトリに !metaencrypter.txt を置く [s1]。SMB 共有を暗号化対象から外す --disable-shares、実行後の自己削除 --shred-at-end などの引数を持つ [s1]。後継の LostTrust は多重脅迫の手口を引き継ぎ、サービス停止、VSS 削除、イベントログ消去の挙動が共通する [s3][s4]。守る側は、データベースやメールのサービスが一斉に停止する動き、拡張子変更、ノートの出現を検知し、バックアップからの復元に備えるべきである [s1]。

使用するグループ

MetaEncryptorの出典

NightSpire ransomware

別名: NightSpire ransomware (.nspire)、NightSpire、NightSpire virus、.nspire

暗号化(ランサムウェア本体)

NightSpire は2025年初頭に確認された二重脅迫型のランサムウェアであり、暗号化部分は Go 言語で書かれた実行ファイルである [s3][s5]。Halcyon は公開 RaaS でもアフィリエイトもない閉鎖的な運営と評したが、後に HivePro が RaaS グループとしたため、運営形態が変わった可能性が指摘されている [s4][s5]。暗号化前に WinSCP や MEGAcmd でデータを外部へ送り、AES と RSA の併用で暗号化して拡張子「.nspire」を付け、各フォルダに脅迫文を置く。OneDrive 上のファイルも暗号化したと主張する [s2][s3][s5]。初期侵入は FortiOS の脆弱性 CVE-2024-55591、RDP への総当たり、フィッシングによる認証情報の窃取とされる [s5]。守る側は、これらの侵入口の対策に加え、Mimikatz、PsExec、WMI、PowerShell の利用や、AnyDesk、Chrome Remote Desktop、MEGAsync の不審な導入を監視すべきである [s3][s4][s5]。

使用するグループ
関連する分析

NightSpire ransomwareの出典

Nova ransomware

別名: Nova ransomware (.nova / .RALord)、Nova、RALord、.nova、.RALord、RNOVA

暗号化(ランサムウェア本体)

Nova は 2025 年 3 月下旬に RALord の名で現れたランサムウェア・アズ・ア・サービス(RaaS)であり、同年 4 月に Nova へ改名した。流出した Babuk のソースコードを基にしたとされる [s1][s2]。Windows・Linux・VMware ESXi 向けのビルダーを備え、Rust 製の実行ファイルが XChaCha20-Poly1305 と RSA-2048 のハイブリッド方式で暗号化する [s1][s2][s3]。侵入は漏えいした認証情報、フィッシング、多要素認証のない公開リモートアクセスが起点とされ、暗号化前にデータを窃取して公開を迫る二重恐喝に使われる [s1]。実行時は tasklist で解析ツールを探して見つかれば終了し、Defender の無効化、イベントログ消去、vssadmin と WMI によるシャドウコピー削除を行う [s2]。守る側は Defender 設定の変更、除外パスの追加、wevtutil などによるログ消去、シャドウコピー削除を監視すべきである [s2]。

使用するグループ

Nova ransomwareの出典

Payload ransomware

別名: Payload、Payload ransomware family

暗号化(ランサムウェア本体)

Payload は Windows 版と Linux 版を持つクロスプラットフォームのランサムウェアであり、2026年2月に初めて確認されたとされる [s3][s4]。ChaCha20 とファイルごとの Curve25519 ECDH でファイルを暗号化し、拡張子 .payload を付けて RECOVER_payload.txt を残す [s3]。コマンドライン引数が豊富で、運用者が機能を選んで実行する形とされる [s4]。VMware ESXi 環境も標的とされ、データを窃取してから暗号化する二重脅迫を採る [s5]。暗号化前に VSS シャドウコピー削除、イベントログ消去、ETW のパッチ適用、バックアップ・DB・セキュリティ関連サービスの停止を行う [s3][s5]。守る側は MakeAmericaGreatAgain という mutex、.payload ファイル、身代金メモの出現を監視し、vssadmin.exe の実行制限、ETW 改ざんの検知、オフラインバックアップの維持を行う [s3][s5]。

使用するグループ
関連する分析

Payload ransomwareの出典

PayoutsKing

別名: Payouts King、PayoutsKing ransomware

暗号化(ランサムウェア本体)

PayoutsKing は 2025 年半ばに現れたランサムウェアおよび恐喝の運用であり、運営側は RaaS ではなくアフィリエイトも持たないと明言している[s2][s4]。Sophos の CTU は GOLD ENCOUNTER グループの活動とみている[s2]。侵入後は内部偵察を行い、暗号化ペイロードでファイルを .payoutsking 拡張子にして PAYOUTS-README.txt を残す。事前にデータを窃取して二重恐喝を行い、bcdedit でセーフモードに入れて製品の機能低下を狙い、Veeam や BackupExec などのバックアップサービスも停止させる[s4]。暗号化は 4,096 ビット RSA と 256 ビット AES を使い、永続化にはスケジュールタスクを作成する[s3]。VMware や ESXi 向けの暗号化機能も持つ[s2]。守る側は、QEMU の仮想マシンを使った隠れた逆 SSH 接続、MFA のない VPN、Teams と Quick Assist を悪用した偽 IT サポート、バックアップ停止の挙動に注意すべきである[s2][s3][s4]。

使用するグループ

Phobos

別名: Phobos ransomware、Eking、Eight、Elbie、Devos、Faust、Backmydata

暗号化(ランサムウェア本体)

Phobosは2019年に初めて確認されたランサムウェアで、Dharma/Crysisの発展形とされる[s4]。RaaS形態とみられ、Talosは単一の秘密鍵で復号できる点から中央管理の可能性を指摘する[s1][s4]。侵入では脆弱なRDPポートの探索とブルートフォース、またはSmokeLoader付きのフィッシングメールが使われる[s1]。実行後はシャドウコピーとバックアップカタログを削除し、Windowsファイアウォールを無効化し、自動実行登録で常駐する[s5]。8baseはバージョン2.9.1を使用していた[s3]。リークサイトを持たないため、検出状況や被害報告から実態を把握する必要がある[s3]。守る側はRDPポートの保護とEDRの導入が挙げられている[s1]。

使用するグループ

Play ransomware

別名: Play、Playcrypt、PlayCrypt

暗号化(ランサムウェア本体)

Play(別名 Playcrypt)は、2022年6月ごろから確認されているランサムウェアである[s1][s5]。暗号化したファイルに .play 拡張子を付けることが名称の由来とされる[s5]。データを窃取してから暗号化する二重脅迫を行い、北米・南米・欧州の企業や重要インフラが被害を受けた[s1]。初期侵入には、正規アカウントの悪用、FortiOS や Microsoft Exchange(ProxyNotShell)の脆弱性、RDP や VPN の利用が確認されている[s1][s5]。侵入後は Cobalt Strike、SystemBC、PsExec、Mimikatz などで横展開と認証情報の窃取を行い、ペイロードは AD 環境で GPO により配布されることが多い[s1][s5]。ファイルの一部のみを暗号化する断続的暗号化で、従来型の検知を回避するとされる[s5]。ランサムノートには身代金額や支払方法が書かれず、被害者は電子メールで連絡するよう指示される[s1]。守る側は、既知の悪用された脆弱性への対処、多要素認証の有効化、ソフトウェアの更新、オフラインバックアップの維持に加え、不審な通信やC2との通信の監視を行うべきである[s1][s5]。

使用するグループ
関連する分析

Play ransomwareの出典

Qilin ransomware (Agenda)

別名: Qilin、Agenda、Agenda Crypt、Agenda ransomware、Water Galura

暗号化(ランサムウェア本体)

Qilin(別名Agenda)は、2022年半ばに出現したRaaS(ランサムウェア・アズ・ア・サービス)として運用されるランサムウェアである。TrendAIはWater Galuraとして追跡している[s1]。初期はGo製で、後にRustベースの亜種が加わり、Windows、Linux、ESXiに対応する[s1]。暗号化にはAES-256とRSA-2048を用い、ファイル暗号化に加えてデータ窃取とリーク公開で脅す二重恐喝を行う[s1]。実行はコマンドライン引数で挙動を調整し、Rust亜種はPsExecを内蔵して他ホストへ拡散する[s1]。シャドウコピー削除やESXi上の仮想マシンディスク削除で復旧を妨げる[s1]。侵入にはFortinet製品の脆弱性、漏洩した認証情報、SimpleHelp RMMの脆弱性などが挙げられている[s2][s3]。守る側は、これらの脆弱性への対処、認証情報の漏洩監視、PsExecやRMMツールの不審な利用の検知、変更不能なバックアップの確保に注意すべきである[s2]。

使用するグループ

Qilin.B

別名: Qilin B

暗号化(ランサムウェア本体)

Qilin.B は、Qilin(別名 Agenda)ランサムウェアの新版で、Halcyon が追跡用にこの名で呼ぶペイロードである[s4]。Qilin は 2022年7月に登場した RaaS で、Windows と Linux を狙い、データ窃取による二重脅迫を行う[s4]。Qilin.B は Rust で書かれ、AESNI 対応環境では AES-256-CTR、それ以外では Chacha20 を使い、鍵の保護に RSA-4096 と OAEP を用いるため、秘密鍵なしの復号はできない[s4]。実行時にセキュリティ・バックアップ関連のサービスを停止し、`vssadmin delete shadows /all /quiet` でシャドウコピーを削除し、イベントログを消去し、実行後に自身を削除する[s4]。Run キーによる自動起動登録も行う[s4]。守る側は、これらのサービス停止、シャドウコピー削除、ログ消去、`README-RECOVER-[company_id].txt` の生成を監視対象にすべきである[s4]。

使用するグループ

RansomEXX

別名: Defray777、Defray

暗号化(ランサムウェア本体)

RansomEXXは、2020年に複数の著名な攻撃に関与したランサムウェアであり、Windows版とLinux版がある[s2][s4]。かつてはSecureWorksがGOLD DUPONTと呼ぶ2018年以降活動の脅威グループが運用していたとされる[s2]。侵入経路は、フィッシングやスピアフィッシング、公開されたRDPなどの脆弱なサービスの悪用である[s4]。Trend Microが調べた事案では、IcedIDで初期侵入し、Notepad++を改ざんしたVatetローダーで各種ペイロードを実行、PyxieやCobalt Strikeを併用して、初期侵入から5時間でランサムウェアを展開した[s2]。ファイルはAES(ECBモード)で暗号化され、鍵はRSA-4096で保護される[s4]。Linux版はVMware環境、特にVMwareファイルの保管マシンを狙った[s2]。守る側は、マクロ付き文書や不審メールへの警戒、不審な通信や既知のC2との通信の監視、パッチ適用、多要素認証、バックアップの整備に重点を置くべきである[s4]。

使用するグループ

RansomEXXの出典

RansomHub

別名: Cyclops、Knight、Water Bakunawa

暗号化(ランサムウェア本体)

RansomHub は 2024 年 2 月に活動が確認された RaaS 型のランサムウェアであり、以前は Cyclops や Knight として知られていたとされる [s1]。運営側が暗号化ツールと管理パネルを提供し、アフィリエイトが攻撃を実行する。身代金の 90% はアフィリエイト、10% は運営の取り分とされる [s4]。攻撃ではフィッシング、既知の脆弱性の悪用、パスワードスプレーで侵入し、システムを暗号化してデータも窃取する二重脅迫を行う [s1]。身代金要求文書には支払額ではなくクライアント ID と .onion の URL が記され、3〜90 日の期限を過ぎるとリークサイトに公開される [s1]。PsExec や Mimikatz、Rclone などの正規ツールの悪用や EDRKillShifter による EDR 無効化も確認されている [s4]。防御側は、これらツールの実行ログ、パッチ適用、MFA の導入、バックアップ体制の整備に注意すべきである [s1][s4]。

使用するグループ
関連する分析

Rhysida ransomware

別名: Rhysida

暗号化(ランサムウェア本体)

2023年5月ごろから確認されているランサムウェアであり、利用者にランサムウェアとインフラを貸し出して身代金を分け合うRaaSの形でも運用されているとされる[s1]。教育、医療、製造、情報技術、政府の各分野に使われてきた[s1]。展開手段は、Cobalt Strike等のフレームワークやフィッシングが主とされる[s5]。侵入段階では、MFAのないVPNへの正規認証情報での接続のほか、Gootloaderが使われた例がある[s1]。侵入後はRDPやPowerShell、ipconfig、whoami、nltest、net等のOS標準機能で調査や横展開を行う[s1]。暗号化にはChaCha20が使われ、身代金要求文書はPDFで書き込まれ、盗んだデータの公開で脅す[s5]。守る側はVPN等へのMFA有効化、既知の悪用された脆弱性の修正、ネットワーク分割を行うべきである[s1]。通常と異なる初回ログオンの痕跡やOS標準コマンドの列挙操作にも注意を要する[s1]。

使用するグループ

Rhysida ransomwareの出典

Royal

別名: Royal ransomware、BlackSuit、DEV-0569

暗号化(ランサムウェア本体)

Royalは2022年9月に確認されたランサムウェアであり、Contiの元メンバーによる非公開の少人数グループが運用し、アフィリエイトは募らない[s3][s5]。2024年8月にBlackSuitへ改名したとされ、コードの類似点が多い[s1]。攻撃ではコールバックフィッシングやRDP、公開アプリの脆弱性などで侵入し、ChiselやPsExecを使って移動した後、ウイルス対策を無効化してデータを窃取し、暗号化する[s1][s4]。暗号化は割合を指定できる部分暗号化で、vssadminでシャドウコピーを削除する[s1][s4]。身代金額はメモに書かれず、Tor経由の交渉を促す[s1]。守る側はフィッシング対策、多要素認証、RDPや公開アプリの管理、AnyDeskなどRMMツールとChiselの通信、vssadminの実行を監視すべきである[s1][s4][s5]。

使用するグループ

Royalの出典

SafePay ransomware

別名: SafePay

暗号化(ランサムウェア本体)

SafePay は 2024 年後半に確認されたランサムウェアおよびその運用グループである。RaaS を採らず、運営・インフラ・交渉を自前で行うとされる [s3][s5]。初期侵入は VPN ゲートウェイ、ファイアウォール、リモートデスクトップゲートウェイなどの脆弱性や、漏えいした認証情報の利用が中心とされる [s4]。侵入後は ShareFinder.ps1 で共有を探索し、PsExec、WinRM、RDP、RMM ソフトで横展開する [s4]。WinRAR で収集したデータを FileZilla などで外部へ送り、Defender や各種サービスの停止、シャドウコピー削除を経て暗号化する [s3][s4]。実行にはパスワード引数が必要で、ロシア語など一部言語の環境では終了する [s3]。LockBit 3.0 との類似が指摘されるが、独立運営とされる [s5]。守る側は、エッジ機器の脆弱性対応と認証情報の保護、PsExec や RMM の許可制限、セキュリティサービス停止やシャドウコピー削除の監視を重視すべきである [s4]。初期侵入から暗号化までが 24 時間以内の事例も報告されている [s5]。

使用するグループ
関連する分析

SafePay ransomwareの出典

Sarcoma ransomware

別名: Sarcoma

暗号化(ランサムウェア本体)

2024年末に登場した金銭目的のランサムウェアで、データ窃取と暗号化を組み合わせた二重恐喝を行う[s3]。限られた信頼できる提携者と動作するRaaS型とされ、Windows、Linux、ESXi環境に影響する亜種が確認されている[s3]。暗号化ファイルには .sarcoma の拡張子が付き、脅迫文は SYSTEM.README.TXT などの名で置かれる。暗号化にはAES-256とRSA-4096が使われるとされ、公開された復号ツールは無いとされる[s4]。侵入後は Mimikatz や PsExec、AnyDesk、Rclone などで資格情報の窃取、横展開、データ持ち出しを行い、最後に暗号化と恐喝へ進む[s4]。守る側は、業務時間外のRMMツールの稼働、PowerShellによる Windows Defender 無効化、シャドウコピーの削除を監視すべきである[s4]。

使用するグループ

ShinySp1d3r

別名: ShinySp1d3r Ransomware、Sp1d3r

暗号化(ランサムウェア本体)

ShinySp1d3rは、Scattered LAPSUS$ Hunters(SLSH)が開発を進めているとされるランサムウェア・アズ・ア・サービス(RaaS)である。2025年11月19日にBleepingComputerが報じ、現時点ではWindowsでのみ動作する。代表者はLinuxとESXi向けも完成間近だと語っている[s4]。Unit 42は暗号化部分の壁紙と身代金要求ノートを確認している[s4]。SLSHは2025年11月21日、ニューヨーク市と州全体への展開を脅すTelegram投稿を行った[s4]。SLSHにはデータ窃取後の恐喝サービス(EaaS)の提供や内部関係者の募集もあり、複数の手段で収益化を図る[s4]。守る側は、Unit 42が公開したIoCの照合、業界ISACへの参加、内部関係者への備えに着目すべきである[s4]。なお、s5は2021年5月初検出、拡張子「.Sp1d3r」、非RaaSと記すが、s4と食い違うため採用しない。

使用するグループ

ShinySp1d3rの出典

Sinobi ransomware

別名: Sinobi ransomware (bin.exe)、bin.exe、Sinobi

暗号化(ランサムウェア本体)

Sinobi ransomware は 2025 年半ばに登場した Sinobi グループのランサムウェア本体であり、RaaS 形態で運用される。Lynx の再ブランドとみられ、Lynx は INC 由来とされる [s2][s3]。攻撃では侵入、権限昇格、EDR 無効化、Rclone による窃取の後に実行され、実行ファイルは bin.exe などの一般的な名前で見つかった [s2]。Curve-25519 と AES-128-CTR でローカルと共有ドライブのファイルを暗号化し、拡張子 .SINOBI を付け、ごみ箱の消去とボリュームシャドウコピーの削除も行う [s3]。--kill 指定時は sql、veeam、backup などのプロセスを停止する [s3]。守る側は、VPN の認証情報と過剰な権限のアカウントの管理、不審な管理者アカウントの作成、EDR の削除操作、シャドウコピーの削除を監視すべきである。Lynx や INC 向けの検知が有効とされる [s2]。

使用するグループ

Sinobi ransomwareの出典

Tengu ransomware

別名: Tengu、Shisa Ransomware、Shisa

暗号化(ランサムウェア本体)

Tengu ransomware は、2025年10月9日に最初の被害者をリークサイトに掲載したRaaS型のランサムウェアである。データを窃取してから暗号化する二重恐喝を採り、アフィリエイトとの収益配分は80対20とされる[s4]。2026年3月にはShisa Ransomwareへ改称した[s4]。ビルドはWindows、Linux、ESXi向けで、ファイルヘッダを狙う断続的暗号化により高速化を図る[s4]。攻撃ではRDP/VPNへの窃取認証情報による侵入、公開アプリの悪用、フィッシングで足がかりを得る[s5]。侵入後はPowerShellなどのLOLBinを使い、LSASSメモリから認証情報を取得し、sc configでWindowsの保護関連サービスを無効化し、wevtutilでイベントログを消去する[s5]。データはRcloneやWinSCPでMEGAへ送り、vssadminでシャドウコピーを削除した後、.tengu拡張子を付けて暗号化する[s5]。守る側は、これらLOLBinの不審な実行、サービス無効化、ログ消去、シャドウコピー削除、MEGAへの大量通信を監視する点が要となる[s5]。

使用するグループ

The Gentlemen ransomware

別名: The Gentlemen、The Gentlemen RaaS

暗号化(ランサムウェア本体)

The Gentlemen は、2025年中頃に登場したランサムウェア・アズ・ア・サービス(RaaS)で、Go 言語で書かれ Garble で難読化された Windows 向け暗号化プログラムである。Microsoft は運営者を Storm-2697、Sophos CTU は GOLD SHERWOOD と呼ぶ [s3][s5]。ファイルごとに Curve25519 の鍵と XChaCha20 を使い、複数の横展開手法で自己増殖する [s5]。アフィリエイトは侵入後、Rclone などでデータを窃取してから暗号化する二重恐喝を行い、EDR キラーやバックアップ破壊で防御を回避する [s3][s4]。初期アクセスには FortiGate の脆弱性や、多要素認証のない VPN の漏洩認証情報が使われたとされる [s3]。守る側は、リモートアクセスの強化、MFA の導入、管理者操作の監視、C:\PerfLogs など配置先ディレクトリや窃取ツールの異常な使用の検知を優先すべきである [s3]。

使用するグループ

WannaCry

別名: WannaCrypt、WCry、WanaCry、WanaCrypt、Wana Decrypt0r、Wanna Decryptor、.wnCry

暗号化(ランサムウェア本体)

WannaCry は Windows を標的とする暗号化型ランサムウェアで、ビットコインでの身代金支払いを要求する [s4]。2017年5月に150か国以上へ拡散し、米国政府は北朝鮮政府によるものと公式に帰属した [s1]。ドロッパーが SMBv1 の脆弱性 MS17-010(EternalBlue)を悪用して内部ネットワークへ自己増殖し、DoublePulsar の有無も確認する [s1][s2]。暗号化には RSA と AES を併用し、シャドウコピー削除や DB・Exchange 関連プロセスの停止も行う [s2]。守る側は MS17-010 のパッチ適用が最優先であり、mssecsvc2.0 サービスや tasksche.exe の作成、445/TCP のスキャンを監視し、IOC や YARA ルールで検知する [s1]。バックアップの取得も欠かせない [s4]。

使用するグループ
関連する分析

WannaCryの出典

Warlock

別名: Warlock ransomware、Warlock Group、x2anylock

暗号化(ランサムウェア本体)

Warlock は、Warlock Group と名乗る攻撃グループが展開するランサムウェアである。2025年6月初旬にロシア語圏フォーラム RAMP で、アフィリエイト向けのランサムウェアサービスとして宣伝された[s3]。Sophos の CTU はこのグループを GOLD SALEM として追跡しており、2025年3月ごろから脅迫を始めたとみている[s4][s5]。暗号化したファイルには拡張子 .x2anylock が付き、データは RClone で外部へ送出される[s2]。侵入にはオンプレミス版 SharePoint の脆弱性(ToolShell)が使われ、Web シェル設置、GPO の作成、Guest アカウントの管理者化を経て、バッチファイルでランサムウェア本体が配布される[s2][s3]。その前にセキュリティ製品のプロセスを終了させるツール(vmtools.exe)も使われる[s3]。守る側は、SharePoint への早期パッチ適用と、w3wp.exe 配下での cmd.exe や msiexec の起動、不審な GPO 作成、管理者グループへのアカウント追加の監視が要となる[s2][s4][s5]。

使用するグループ
関連する分析

Warlockの出典

White Rabbit

別名: White Rabbit ransomware、rabbit.exe

暗号化(ランサムウェア本体)

White Rabbit は2021年12月に米国の地方銀行への攻撃で確認された新種のランサムウェアである[s1]。Egregor に倣った隠ぺい手法を持ち、FIN8 との関連の可能性が指摘される[s1]。ペイロードは約100KBの小さなファイルで、内部設定の復号に必要なコマンドラインのパスワードを与えないと動作を観察しにくい(解析検体は -p KissMe)[s1]。侵入時には偵察やペイロード投下に Cobalt Strike のコマンドが使われたとされる[s1]。実行時は主にセキュリティソフト関連のプロセスやサービスを終了させ、固定・リムーバブル・ネットワークドライブのファイルを暗号化する。暗号化したファイルごとに「.scrypt.txt」の脅迫状を作り、窃取データの公開や販売で脅す二重恐喝を行う[s1]。守る側は、セキュリティ製品の停止、Cobalt Strike の痕跡、.scrypt.txt の生成を監視し、多層の検知・対応とIRプレイブックを備えるべきである[s1]。

使用するグループ

マルウェア

ローダー・ドロッパー 17 件

AuditCred

別名: AuditCred.dll、ROptimizer、ROptimizer.dll、BKDR_BINLODR.ZNFJ-A

ローダー・ドロッパー

AuditCred は Lazarus(特にサブグループ Bluenoroff)が使うとされるモジュール型バックドアのローダー DLL である。Trend Micro は BKDR_BINLODR.ZNFJ-A として検出する [s1]。サービスとして起動し、暗号化されたバックドア本体 Msadoz<n>.dll をメモリ上で復号・実行する。暗号化された設定ファイル Auditcred.dll[.]mui から C&C 情報を取り出して接続する。マシンごとに AuditCred や ROptimizer といった名前が使われるが、実質的に同一のファイルである [s1]。2018年9月に中南米の金融機関で確認され、2017年の FileTokenBroker.dll を使った攻撃と手口が似ている [s1]。バックドアはファイル・ドライブ情報の収集、追加マルウェアのダウンロード、リバースシェル、他プロセスへのコード注入、プロキシ利用などの機能を持つ [s1][s5]。ローダーと設定ファイルは System32、本体は別の ado ディレクトリに置かれるため、検出と除去が難しくなる [s1]。守る側は、不審なサービス登録、ado フォルダ内の見慣れない DLL、アプリケーション制御による不正プログラムの実行阻止、ネットワークの定期的な監視に注目すべきである [s1]。

使用するグループ

AuditCredの出典

AutoIt malware

別名: AutoIt、AutoIt3.exe、AU3 malware

ローダー・ドロッパー

AutoItで書かれた不正プログラムの総称であり、AutoItは1999年から使われているWindows向けの軽量なスクリプト言語である[s1]。本来は操作の自動化に使う正規ツールで、フリーウェアとして配布される[s2][s4]。攻撃では、VBSやLNKが curl で Autoit3.exe と暗号化済みの .au3 をダウンロードして実行させ、DarkGate などのペイロードを復号してメモリ上の別プロセスへ注入する[s2][s4]。DarkGate では実行後6時間以内に Cobalt Strike や Meterpreter が配備された例がある[s4]。AutoIt が選ばれる理由には、習得しやすく、UPXパックで難読化しやすい点がある[s1]。守る側は、Autoit3.exe と .au3 の組み合わせや、curl の複製による取得、スタートアップへの LNK 作成を監視するとよい[s2][s4]。Pastebin などのコード共有サイトの遮断も推奨されている[s1]。

使用するグループ

AutoIt malwareの出典

DOWNIISSA

ローダー・ドロッパー

DOWNIISSAは、LODEINFOバックドアを展開するために使われるダウンローダー型のシェルコードである[s3]。Kaspersky は2022年6月にSFXファイルを使った攻撃を確認した際、この新しいシェルコードを併せて観測したと報告している[s3]。攻撃では、LODEINFOを感染端末のメモリ上に読み込ませる前段の役割を担うとされる[s3]。ITOCHU Cyber & Intelligence は、2023年に観測されたLODEINFOのダウンローダーシェルコードについて、既知のダウンローダーDOWNIISSAとの類似点を解説している[s2]。LODEINFOの感染はスピアフィッシングメールに添付された悪性のWord文書から始まり、最終的にLODEINFOがメモリに注入される[s2]。守る側は、マクロ付きOffice文書やSFXファイルの実行、DLLサイドローディングといった初期感染の手口に注意し、メモリ上で動作するシェルコードの挙動を確認する必要がある[s2][s3]。

使用するグループ

DOWNIISSAの出典

Flagpro

別名: dwm.exe

ローダー・ドロッパー

Flagproは、BlackTechによる攻撃で使われるマルウェアである。NTT Securityが報告し、日本企業への攻撃では少なくとも2020年10月から使われているとされる[s4]。攻撃の初期段階でネットワークの偵察と標的環境の確認を行い、第2段階のマルウェアをダウンロードして実行する役割を持つ[s4][s5]。感染は取引先を装ったスピアフィッシングメールから始まる。パスワード付きのZIPまたはRAR内の悪意あるマクロ入りxlsmファイルが、スタートアップフォルダに実行ファイルを作成する。この実行ファイルがFlagproで、多くは「dwm.exe」の名で置かれる[s5]。Flagproは初回実行時にOSコマンドで得た情報をHTTPでC2へ送り、C2から追加コマンドや第2段階のペイロードを受け取る。通信はBase64で符号化され、接続間隔も設定できる[s4]。v2.0では外部接続時に表示される「Windows セキュリティ」のダイアログを自動で閉じる[s4]。守る側は、マクロ付きファイルを含むパスワード付きアーカイブの受信と、スタートアップフォルダに作られるdwm.exeを確認すべきである[s5]。

使用するグループ

Get2

別名: Get2 Loader、Get2 downloader

ローダー・ドロッパー

Get2 は TA505 が使うダウンローダー型マルウェア(ローダー)である。Proofpoint は 2019 年 9 月に初めて観測し、TA505 が 9 月 9 日から初期ダウンローダーとして使い始めたとしている[s3]。マクロ付き Excel などの添付やリンク経由で配布され、FlawedAmmyy、FlawedGrace、Snatch、SDBbot を二次ペイロードとして取得した[s3]。実行すると、ユーザー名、PC 名、Windows のバージョン、実行中プロセス一覧を C2 へ POST し、返されたペイロードの URL からダウンロードして実行する[s4]。DLL は独自のパッカーで難読化されている[s4]。同じ crypter が 2019 年 9 月から使われ、Clop/CryptoMix や MINEBRIDGE との重複も指摘された[s1]。2020 年 12 月には設定パラメータ "LD" と "ED" が加わり、EXCEL.EXE に加え WINWORD.EXE への注入もできるようになった[s5]。守る側は、Office マクロの実行制限と、Office プロセスからの DLL 読み込みや注入の監視が要点となる[s3][s5]。

使用するグループ

Get2の出典

Gootloader

別名: Gootkit Loader、Gootkit

ローダー・ドロッパー

Gootloader は JavaScript ベースのローダ型マルウェアであり、バンキング型トロイの木馬 Gootkit の配信手法として知られ、Sophos が配信機構を切り離して命名した [s2][s3]。攻撃では、侵害した正規サイトに SEO ポイズニングで契約書などを探す利用者を誘導し、偽フォーラムから JS 入りの ZIP を落とさせる。JS を実行すると wscript.exe 経由でスケジュールタスクが作られて永続化し、後段の PowerShell が端末情報を収集して C2 通信を始める [s1][s5]。Cobalt Strike、REvil、Kronos、SystemBC などの配信に使われてきた [s2][s5]。守る側は、ZIP 内の JS の実行や wscript.exe・cscript・PowerShell の連鎖、不審なスケジュールタスクの作成を見るべきである。ファイル作成は第1段階のみで以降はメモリ内で動くため、従来型の保護では対応しにくい [s2]。JS は難読化され、サンドボックス回避の遅延も使うため、シグネチャ検知は難しい [s4][s5]。

使用するグループ

IcedID

別名: BokBot

ローダー・ドロッパー

IcedIDはメールやブラウザなどの認証情報を窃取するトロイの木馬型の不正プログラムであり、バンキングトロイの木馬ともされる[s2][s4]。2017年9月にIBM X-Forceの研究者が初めて確認し、開発者は不明とされる[s5]。他のマルウェアを二次感染させる機能も持つ[s2]。感染は、日本語の攻撃メールに添付されたパスワード付きZIP内のWord文書から始まり、マクロ実行でIcedIDがダウンロードされる[s2]。窃取したメール認証情報で過去のやり取りに返信する形の攻撃メールを送る[s2]。Google広告を悪用したマルバタイジングでも配布され[s3]、後にランサムウェアの展開や内部での横展開にも使われるようになった[s5]。守る側は、Word文書やZIP添付、「コンテンツの有効化」操作に注意し、感染が疑われればフルスキャンとパスワード再設定を行う[s2]。msiexec.exeへのプロセスホローイング、%AppData%配下の不審なスケジュールタスク、net viewやnltestの実行も監視の対象となる[s5]。

使用するグループ
関連する分析

kamikaze.sh

別名: kamikaze

ローダー・ドロッパー

kamikaze.sh は、TeamPCP が 2026 年 3 月の Trivy 供給網攻撃で用いたシェルスクリプトであり、TeamPCP cloud stealer の動作を担ったとされる。三つの版に変化したとされる [s3]。ICP 上の予備 C2 から段階的に改良されたペイロードとして配信された [s4]。後の版では trycloudflare[.]com 上の kamikaze.sh が kubectl を取得し、kube.py を実行して自身を削除する。kube.py は Kubernetes 上でタイムゾーンやロケールからイラン環境か判定し、イランなら全ノードを消去・強制再起動する DaemonSet を、それ以外ならバックドアを導入する DaemonSet を展開する [s5]。守る側は、kube-system の host-provisioner 系 DaemonSet や特権コンテナの作成、/tmp/pglog の生成、ICP canister や trycloudflare[.]com への通信を監視するべきである [s5]。GitHub Actions は版タグでなく SHA で固定することが推奨されている [s4]。cipherforce は TeamPCP と連携するランサムウェアグループとされる [s3]。

使用するグループ

NETXLOADER

別名: NETXLOADER malware loader

ローダー・ドロッパー

NETXLOADER は、Trend Micro が 2024年11月の攻撃で確認して命名した、.NET でコンパイルされた新種のローダである [s2]。コード保護ツール .NET Reactor 6 で難読化され、JIT フッキングも用いるため解析が難しいとされる [s1][s2]。Agenda(Qilin)ランサムウェアの攻撃で、追加ペイロードである SmokeLoader や Agenda ランサムウェアを密かに展開する役割を担う [s2]。ある攻撃では、侵入後に NETXLOADER が外部サイトから SmokeLoader を取得し、続いて別の NETXLOADER が Agenda を実行するとされる [s5]。配布時のファイル名は展開後に rh111.exe のような形式へ変更される [s2]。守る側は、.NET Reactor で保護された不明な .NET 実行ファイルへの警戒、既知の C2 ドメインの遮断、リモートアクセス経路への多要素認証、ネットワーク分割、オフラインバックアップの維持が要点とされる [s5]。

使用するグループ

NOOPLDR

別名: NOOPDOOR loader

ローダー・ドロッパー

NOOPLDR は、MirrorFace(Earth Kasha)が使うバックドア NOOPDOOR のローダーである [s2]。NOOPDOOR はシェルコード形式で、正規アプリケーションへ自身をインジェクションして動作する [s2]。起動方式は XML 型と DLL 型の二種類がある。XML 型は MSBuild で XML 内の難読化 C# コードをビルドして実行し、DLL 型は DLL サイドローディングで正規アプリケーションにロードされる [s2]。レジストリやデータファイルを MachineId と ComputerName をもとに AES(CBC モード)で復号して注入し、実行後は再度暗号化してレジストリに保存する [s2]。DLL 型は制御フロー平坦化で難読化されており、JPCERT/CC が解析補助ツールを公開している [s2]。守る側は、MSBuild による XML の実行、レジストリ上の暗号化データ、スケジュールタスクの登録(イベント ID 4698)、SMB 経由のファイルコピー(イベント ID 5145)を監視するとよい [s2]。

使用するグループ

SentinelAgentCore.dll

別名: SentinelAgentCore

ローダー・ドロッパー

SentinelAgentCore.dll は、SentinelOne の署名付き正規実行ファイル(SentinelMemoryScanner.exe、SentinelUI.exe)に同名の DLL として読み込ませる不正 DLL である [s2][s3]。Shadowpad では、正規の署名付き実行ファイルの脆弱性を突くサイドローディング用 DLL として使われ、ペイロードを復号してメモリに読み込む役割を持つ [s2]。Secureworks が確認した ScreenConnect の脆弱性悪用事案では、SentinelUI.exe が本 DLL を読み込み、DLL が Logs.txt を開いて復号し、Cobalt Strike Beacon を動かした。Secureworks は本 DLL を Cobalt Strike Beacon のローダーと位置づけている [s3]。守る側は、署名付き実行ファイルが同じ場所の見慣れない DLL を読み込む挙動に注意すべきである。DLL 検索順序の悪用は検出が難しいとされ [s5]、完全修飾パスでの読み込みや SetDllDirectory("") による現在のディレクトリの除外が対策として示されている [s4]。

使用するグループ

shield.msi

ローダー・ドロッパー

shield.msiはkawaグループが使うとされるMSI形式のファイル名であるが、このファイル自体の挙動や配布経路を述べた文書は与えられた資料中に無い。MSIはWindowsのインストーラーパッケージ形式であり、LocalSystem権限での実行が可能なため、攻撃者のマルウェア展開手段として魅力的だとされる[s3]。悪用例では、被害者はフィッシングメール経由でMSIを受け取り、実行時にUAC警告を受け入れると、内部のバイナリが非同期で走り続ける[s3]。守る側は、更新プログラムを装うMSIや、昇格権限で動くカスタムアクションに注意すべきである[s3]。なお、Sysdig Host Shieldも同名に近いMSIで配布される正規製品であり、名前だけで判断せず入手元を確認する必要がある[s5]。

使用するグループ

SmokeLoader

別名: Smoke Bot、Dofoil

ローダー・ドロッパー

SmokeLoader は、侵害した端末に追加のマルウェアを送り込むモジュール型のダウンローダー型トロイの木馬である。2011年に確認され、別名 Smoke Bot、Dofoil を持つ [s5]。MaaS として流通し、ツールキットは400〜1,650米ドルとされる [s3]。バックドア、ランサムウェア、情報窃取型などを投下できる [s3]。主な感染経路はフィッシングメールの添付ファイル、ドライブバイダウンロード、悪用キット、クラックソフトへの同梱である [s5]。感染後は C2 サーバーから追加モジュールを取得し、PROPagate 手法で Internet Explorer などの正規プロセスにコードを注入して偽装する [s3]。Trend Micro は Agenda ランサムウェアの攻撃で、新ローダー NETXLOADER とともに使われた事例を報告している [s1]。守る側は、ネットワーク上で初めて見る通信先への接続、新しいユーザーエージェントを伴う HTTP 通信、実行ファイルの不審なダウンロード、外向き通信の異常を監視する [s3]。EDR の導入、パッチ適用、多要素認証、フィッシング対策教育も挙げられている [s5]。

使用するグループ

SmokeLoaderの出典

TrickBot

ローダー・ドロッパー

TrickBot は 2016 年に確認された、サイバー犯罪グループが開発・運用するトロイの木馬である。当初は金融情報を盗む銀行型トロイの木馬として作られ、のちにモジュール型で多段階のマルウェアへ発展した[s1][s5]。主にスピアフィッシングの添付ファイルやリンク経由で配布され、Excel マクロや悪意ある JavaScript から C2 サーバーを介してダウンロードされる[s1][s4]。感染後は認証情報の窃取、SMB を悪用した横展開、Windows Defender の無効化に加え、Ryuk や Conti などのランサムウェアの投下にも使われる[s1][s5]。TrickBot はスケジュールタスクやサービスの作成で永続化する[s1][s4]。守る側は、不審な IP アドレスのブロック、ウイルス対策ソフトの利用、フィッシング対策の教育、最小権限の徹底、ネットワーク分離、感染端末の隔離、通信の異常の監視を行うべきである[s1][s5]。

使用するグループ

TrickBotの出典

Truebot

別名: Silence.Downloader

ローダー・ドロッパー

Truebot は Silence[.]Downloader の名でも知られるダウンローダー型のボットネットである。2017年に初めて確認され、金融機関を狙う Silence Group との関連が指摘される [s3][s5]。当初は悪意あるメールの添付で配布されたが、近年は Netwrix Auditor の脆弱性 CVE-2022-31199 の悪用や Raspberry Robin 経由の配布も確認されている [s1][s3]。感染後は C2 と通信して情報を収集し、FlawedGrace を投下するほか、数時間後に Cobalt Strike ビーコンをメモリに注入した例がある [s1][s3]。LSASS のダンプ、データ持ち出し、システム・プロセスの列挙が続き、Clop ランサムウェアの実行にも至った [s3][s5]。起動直後に EDR やアンチウイルスの有無を調べる挙動がある [s5]。守る側は CISA 公開の YARA ルールやドメイン IOC によるメモリ・ディスクの探索、Netwrix Auditor 10.5 へのパッチ適用が要点となる [s1][s4]。

使用するグループ

Truebotの出典

TSCookie

別名: PLEAD、TSCookieRAT、TSCookie Loader

ローダー・ドロッパー

TSCookie は攻撃グループ BlackTech が使うとされるマルウェアである。2015年から確認され、トレンドマイクロは PLEAD と呼ぶ [s1]。TSCookie 自体はダウンローダーで、C&C サーバーからモジュールを取得して機能を拡張し、取得したモジュールはメモリ上でのみ動作する [s1]。調査された検体は、情報送信などの機能を持つ DLL(TSCookieRAT)を取得した。TSCookieRAT は任意のシェルコマンド実行、ドライブ・システム情報の送信、ファイル操作、主要ブラウザや Outlook のパスワード収集を行う [s1]。侵入後の環境では、EXE または DLL 形式のローダーが同じフォルダ等にある RC4 暗号化済みの本体を復号して実行する [s2]。通信は HTTP、HTTPS、独自プロトコルに対応する [s2]。守る側は、文書記載のファイル名パターンや通信先ホストを確認し、感染有無を調べる必要がある [s1][s2]。JPCERT/CC は設定情報を抽出するデコードツールを GitHub で公開している [s1]。

使用するグループ

Vatet Loader

別名: Vatet、VATET、Trojan.Win32.VATET.SM

ローダー・ドロッパー

Vatet Loaderは、攻撃グループGOLD DUPONTの手口の一部として使われるローダー型マルウェアである[s1]。攻撃では、正規ソフトのNotepad++をトロイの木馬化したものとして実行された[s1]。config.datをXOR方式で復号し、メモリを確保して自身のメモリ内に展開し、ペイロードを実行する。XOR処理が合っていれば任意のペイロードを読み込む[s1]。config.datの差し替えにより、PyXie、LaZagne、Mimikatzによる情報収集や、最終段階のRansomExx本体の実行にも使われた[s1]。トレンドマイクロの事例では、IcedIDによる初期侵入から約5時間でランサムウェアが展開された[s1][s2]。SMBによる水平移動の際にVatetの配信が検知された[s2]。守る側は、正規ソフトに見えるファイルが設定ファイルを読み込んで動く挙動や、SMB経由の不審な配布を監視する必要がある。許可リストで正規アプリのみに実行を絞ることも対策として挙げられている[s2]。

使用するグループ

Vatet Loaderの出典

情報窃取(インフォスティーラー) 8 件

Custom info-stealer

別名: Infostealer.Logdatter

情報窃取(インフォスティーラー)

攻撃者が独自に作成した情報窃取型のマルウェアである。Symantec の調査では、アジアの政府機関などを狙う諜報活動で使われた未知のインフォスティーラー(Infostealer[.]Logdatter)が確認され、ShadowPad に取って代わったものとされる[s4]。機能はキーロギング、スクリーンショット取得、SQL データベースへの接続と照会、ファイルを読み込んでその中のコードをプロセスへ注入する動作、ファイルのダウンロード、クリップボードの窃取である[s4]。侵入後、ProcDump や Mimikatz などの認証情報窃取ツールや各種リモートアクセス型のツールと併用されていた[s4]。守る側は、組織の構成に含まれないソフトウェアの稼働を、セキュリティ製品が悪意あると判定しない場合でも不審とみなし、DLL 順序ハイジャックの兆候とあわせて実行中のプロセスを精査する必要がある[s4]。なお、文書中に devman がこのツールを使った記述は見当たらない。

使用するグループ

Custom info-stealerの出典

Lumma Stealer

別名: Lumma、LummaC2、Water Kurita

情報窃取(インフォスティーラー)

Lumma Stealer はロシア語圏の開発者に由来するとされ、2022年半ばから活動する情報窃取型マルウェアである。Telegram 経由でアクセスを販売するMaaSとして提供される [s3]。開発・運用者は Microsoft により Storm-2477 として追跡され、購入した契約者は管理パネルでバイナリ生成やC2・窃取情報の管理を行う [s5]。侵入時は偽CAPTCHAでPowerShellコマンドを貼り付けさせる手口や、GitHubのリリース機能の悪用で頒布され [s2][s3]、ブラウザの認証情報、Cookie、暗号資産ウォレットなどをC2へ送出する [s3]。最近はブラウザ指紋取得もC2通信に加えている [s1]。守る側は、「ファイル名を指定して実行」へのコマンド貼り付けやPowerShellの隠しウィンドウ実行、ダウンロード元URLと電子証明書の検証を重点的に確認すべきである [s2][s3]。

使用するグループ

MirrorStealer

別名: 31558_n.dll

情報窃取(インフォスティーラー)

MirrorStealer は攻撃グループ MirrorFace(Earth Kasha)が使う独自の認証情報窃取マルウェアである。ESET が 2022 年の Operation LiberalFace の調査で初めて公表した[s5]。ブラウザ(Chrome、Firefox、Edge、Internet Explorer)、メールクライアント(Outlook、Thunderbird、Becky、Live Mail)、グループポリシー基本設定、SQL Server Management Studio に保存された資格情報を窃取する[s2]。国内で普及するメールソフト Becky! も対象で、日本向け作戦のために作られた可能性があるとされる[s4]。攻撃ではバックドア LODEINFO がメモリ上に読み込み、新たに起動した cmd.exe に注入して実行する[s4]。窃取結果は TEMP フォルダのテキストファイルに保存され、外部送信は LODEINFO が担う。MirrorStealer 自身には送信機能がない[s4]。守る側は TEMP に残る資格情報のテキストファイルや、cmd.exe への不審な注入を確認する必要がある[s4]。ブラウザやメールソフトに資格情報を保存しない運用も被害を減らす。

使用するグループ

RedLine

別名: RedLine Stealer、RECORDSTEALER

情報窃取(インフォスティーラー)

RedLineは.NET製の情報窃取型マルウェアである。2020年初頭にロシア語圏の地下フォーラムで宣伝され、買い切りまたは月額のMaaS形態で販売された[s5]。ブラウザの認証情報やCookie、暗号資産ウォレット、FTP・VPNクライアント、Discordなどから情報を盗み、端末の稼働プロセスやセキュリティ製品の一覧も収集する[s3][s5]。配布はスピアフィッシングや、クラック版ソフトに偽装した手口で行われ、Amadeyなど他のマルウェアから投下される例もある[s1][s3][s4]。トレンドマイクロは、EVコード署名を付けた検体を配布した後、同じ経路からランサムウェアも配布した事例を報告している[s1]。収集データはSOAPメッセージでC2へ送られ、C2設定はBase64とXORで暗号化されている[s3][s4]。守る側は、二重拡張子のファイルや.lnkの実行、GitHubやDropboxなど正規共有サービス経由のダウンロードに注意すべきである[s1][s4]。Windows Defenderの無効化を試みる部品も確認されている[s4]。2024年10月にはOperation Magnusで主要サーバーが停止された[s5]。

RedLineの出典

TeamPCP cloud stealer

別名: kamikaze.sh

情報窃取(インフォスティーラー)

TeamPCP cloud stealer は、攻撃グループ TeamPCP が用いる主要ペイロードであり、認証情報窃取型のマルウェアである[s3]。2026年3月19日の Trivy 侵害で導入され、Checkmarx KICS の侵害でも3段階のペイロードとして注入された[s3]。CI/CD で実行されると、Runner[.]Worker のメモリ(/proc/<pid>/mem)から平文のシークレットを読み取り、SSH 鍵、AWS/GCP/Azure の認証情報、Kubernetes のシークレット、暗号資産ウォレットを収集する[s4][s5]。収集データは暗号化されて tpcp.tar.gz にまとめられ、Trivy 側の正規名に似せたドメインへ送信される。送信に失敗すると、被害者の GITHUB_TOKEN で tpcp-docs リポジトリを作って格納する[s5]。守る側は、GitHub Actions をタグでなく SHA で固定し、組織内の tpcp-docs リポジトリや不審なドメインへの通信を確認するべきである[s5]。

使用するグループ

Ursnif/Gozi

別名: Ursnif、Gozi、ISFB、IFSB

情報窃取(インフォスティーラー)

Ursnifは、Gozi・ISFBの名でも知られるバンキング型のマルウェアである。2015年にソースコードが流出しGitHubで公開されたため、複数の攻撃者が機能を追加して開発を続けている[s1]。端末情報やプロセス一覧、認証情報、金融情報を盗み、キー入力も記録する。収集データはアーカイブしてC&Cサーバーへ送られ、追加の部品も取得する[s1]。主な配布経路はマルスパムで、マクロ有効化を促すOffice文書を開かせ、rundll32.exeでDLLを実行させる[s1][s5]。検索広告を悪用するマルバタイジングでも配布され、VHDコンテナ内のInstaller.batから導入される例がある[s3]。Hancitor感染の後続として入ることもある[s5]。永続化のためレジストリを更新する[s5]。守る側は、マクロ付き文書の制限、/api1/や.dat、.aviで終わる特徴的なHTTPリクエスト、無効な発行者情報を持つ証明書のHTTPS通信、opendns[.]comを使うIPアドレス確認のDNS通信を監視するとよい[s5]。

使用するグループ

Ursnif/Goziの出典

Vidar

別名: Vidar Stealer、Vidar 2.0、TrojanSpy.Win32.VIDAR.SMA

情報窃取(インフォスティーラー)

Vidarは2018年にロシア語圏の地下フォーラムで現れた情報窃取型マルウェアであり、Arkeiのソースコードを元にしたとされ、開発者「Loadbaks」が永久ライセンス300ドルで提供する[s2]。サービス型で販売される[s5]。2025年10月6日公開のVidar 2.0はC言語で書き直され、マルチスレッド化とChromeのAppBound暗号化の回避が加わった[s2]。ブラウザの認証情報、Cookie、暗号資産ウォレットなどを盗み、ZIPにまとめてC2へ送り、自身を削除する[s4][s5]。C2の所在はMastodon、Telegram、Steamのプロフィールに埋め込まれる[s4]。盗んだログは闇市場で売られ、ランサムウェア攻撃者の初期侵入に使われる[s4]。同じ配布経路からランサムウェアが送られた事例もある[s3]。守る側は、広告経由やスパムメールからの配布[s5]、約700MBに水増しされた実行ファイル[s4]、空のUser-Agentを持つHTTP POST[s4]に注意し、セキュリティソフトとメール対策を使う[s5]。

使用するグループ

WinMainSvc.dll(キーロガー)

別名: WinMainSvc、WinMainSvc.dll

情報窃取(インフォスティーラー)

WinMainSvc.dll(キーロガー)は、ランサムウェアグループ Crypto24 が侵入後の工程で使うキーロガーである。Trend Micro によれば、同グループは Windows 標準の sc.exe で「sc create WinMainSvc type= share start= auto」というサービスを作成し、キーロガーを自動起動で常駐させる[s2]。同グループはキーロガーを資格情報の収集に使い、継続的な監視にも用いるとされる[s2]。キーロガー一般は、入力内容を傍受・記録し、ローカルに保存するか外部サーバへ送信する[s3]。守る側は、見慣れないサービスの新規作成(sc.exe による作成)と、%ProgramData%\Update\ 配下のスクリプトを定期実行するスケジュールタスクを監視したい[s2]。多要素認証を有効にすれば、パスワードが盗まれても不正アクセスを防ぎやすい[s3]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

WinMainSvc.dll(キーロガー)の出典

バックドア・RAT 34 件

AppleJeus

バックドア・RAT

AppleJeus は、北朝鮮の国家支援とされる Lazarus Group が暗号資産の窃取に用いるマルウェアの総称である。米 FBI・CISA・財務省は、暗号資産取引アプリに偽装した改変版として配布されていると評価し、2018 年以降の使用を挙げている[s1]。Malpedia は Celas Trade Pro に偽装して拡散したバックドアと説明する[s4]。Windows と macOS の両方で確認され、正規企業のサイト風の Web サイトに加え、フィッシングやソーシャルネットワーク、ソーシャルエンジニアリングで利用者にダウンロードさせる[s1]。2022 年の BloxHolder では、偽サイトの MSI や Office 文書から正規アプリと同時にスケジュールタスクと不正ファイルが仕込まれ、連鎖的な DLL サイドローディングと独自暗号による文字列・API 呼び出しの難読化で検知を逃れるとされる[s5]。守る側は、第三者の取引アプリの導入経路、スケジュールタスクの新規作成、システムフォルダへの不審なファイル配置を監視すべきである。CISA は版ごとの解析報告書と IOC を公開している[s1]。

使用するグループ

BackConnect (QBACKCONNECT)

別名: BackConnect、BACKCONNECT、QBACKCONNECT、BC

バックドア・RAT

BackConnectは、感染端末を攻撃者が永続的に遠隔制御するためのボット型マルウェアである。トレンドマイクロ製品ではQBACKCONNECTとして検出され、BlackBastaとCactusの2グループが足場の強化に用いた事例が分析されている[s1]。リサーチャーの報告では、2023年に停止措置を受けたローダ型マルウェアQakBotとの関連を示す痕跡があるとされる[s1]。攻撃ではITサポートを装いQuick Assistで遠隔接続させた後、OneDriveStandaloneUpdater.exeによるDLLサイドローディングでローダのwinhttp.dllを読み込ませ、settingsbackup.datからバックドアを復号する流れが確認された[s1]。感染後は不正コマンドの実行や認証情報などの収集が可能になる[s1]。守る側は、メール爆撃に続くTeams経由のサポート詐称、Quick Assistの許可、OneDriveフォルダ内への不審なDLL配置とその起動を監視すべきである[s1]。

使用するグループ

BADFLICK

バックドア・RAT

BADFLICK は APT40(Leviathan)が使うバックドアである。ファイルシステムの変更、リバースシェルの生成、C2 設定の変更ができるとされる[s4]。Malpedia では win[.]badflick として分類されている[s5]。初期侵入の足場となる第一段階のバックドアの一つに挙げられ、パスワードダンパー HomeFry と併用された例もある[s4]。コマンドライン引数が3個の場合、Leviathan の MockDLL と同様のプロセスホローイングで regsvr32 の偽プロセスにコードを入れ替え、5個の引数で自身を再起動する。このとき自身のファイルを削除し、C2 サーバとの通信を始めるとされる[s3]。守る側は、メインモジュールのメモリ領域が実ファイルに対応しないプロセスや、「go」引数とパスを伴って動くプロセスを検知の手掛かりにできる[s3]。

使用するグループ

Bankshot

別名: COPPERHEDGE、Trojan Manuscript、FoggyBrass

バックドア・RAT

Bankshot は Lazarus Group(Hidden Cobra)が使うとされるバックドア型マルウェアである。別名に COPPERHEDGE、Trojan Manuscript、FoggyBrass があり、種別はバックドアとトンネリングに分類される[s4]。金融機関や暗号資産取引所を狙うフィッシングでは、悪性 Word 文書が Adobe Flash の脆弱性 CVE-2018-4878 を突き、第2段階のペイロードとして本体を取得・実行する[s5]。本体は HTTP 上の独自プロトコルで C2 と通信し、ホストの User-Agent を流用して通信を目立たなくする[s5]。任意コマンドの実行、ファイル収集と送出、プロセス終了、タイムスタンプ変更、痕跡の削除も行う[s2]。C2 通信では公開証明書を使った偽の TLS ハンドシェイクで偽装する[s2]。防御側は、Office 文書内の Flash オブジェクトと外部ドメインからのダウンロード、HTTP 通信の User-Agent の不自然さ、偽 TLS セッションを監視するとよい。文書では YARA シグネチャによる検知例も示されている[s5]。

使用するグループ

Bankshotの出典

BLACKCOFFEE

バックドア・RAT

BLACKCOFFEEは、通信をGithubやMicrosoftのTechnetポータルといった正規サイトへの通常の通信に見せかけて隠すバックドア型マルウェアである[s4]。ZoxPRCが発展したものとされ、APT17の特徴的なマルウェアで、APT41も自らの作戦で同じものを使っているとされる[s5]。JPCERT/CCは、日本の組織を狙う攻撃グループがAgtid、Hikit、McRAT、Preshin、Derusbiなどとともに本マルウェアを使うことを確認している[s1]。この攻撃グループは、ファイルとして保存せずメモリ上だけに存在するマルウェアを使うことがあり、ディスク調査だけでは見つからない場合がある[s1]。守る側は、メモリダンプをオフラインで調べる必要がある。JPCERT/CCが公開したVolatility用プラグインapt17scan.pyは、メモリダンプからBlackCoffeeなどを検出できる[s1]。Malpediaには検知用のYARAルールも公開されている[s4]。

使用するグループ

BLACKCOFFEEの出典

CanisterWorm

バックドア・RAT

CanisterWorm は npm パッケージを介して自己増殖するワームである。追跡名 TeamPCP の攻撃者が使うとされ、2026年3月20日に多数の npm パッケージへ混入された[s2]。Trivy 侵害で盗んだ npm トークンを燃料とし、60 超のパッケージが 24 時間以内に感染した[s4]。感染は postinstall スクリプトで始まり、Python 製バックドアを systemd ユーザーサービス「pgmon」として root 権限なしで常駐させる[s3][s5]。C2 には Internet Computer のキャニスターを使い、約 50 分ごとに問い合わせて 2 次ペイロードを取得する[s4][s5]。盗んだ npm トークンで管理下のパッケージを列挙し、版を上げて再公開して拡散する[s3]。守る側は postinstall の新規出現や Base64 ペイロードを監視し、npm・CI/CD の秘密情報を更新し、pgmon サービスと /tmp 上の不正ファイルを削除する。インストール時スクリプトの実行制御も有効とされる[s3]。

使用するグループ

China Chopper

別名: Chopper、Chopper Web shell、China Chopper Webshell

バックドア・RAT

China Chopper は、Web サーバ上で遠隔からコマンドを実行させるための Web シェル型バックドアである。サーバ側は ASP、ASPX、PHP、JSP、CFM などで書ける一行程度のスクリプトで、攻撃者は専用のクライアントから接続する [s4]。2013 年の FireEye 報告の時点で既に観測されている [s5]。攻撃では、Exchange Server の脆弱性を突いて ASPX ファイルを設置したり、OAB 仮想ディレクトリの ExternalUrl に埋め込んだりして、サーバ上で任意のコードを実行する足場とされる [s1][s3][s5]。設置後は quser などによる情報収集や Mimikatz による認証情報の取得、他ホストへの Web シェルのコピーが確認されている [s3][s4]。守る側は、公開アプリケーションにパッチを適用し、イントラ用の SharePoint を外部から隔離することが求められる [s2][s3]。通信は毎コマンド HTTP POST で、z0、z1 などのパラメータにコマンドが base64 または 16 進で入るため、この通信パターンの検知と ChopShop での解読が手がかりになる [s4]。

使用するグループ

China Chopperの出典

Cryptoistic

バックドア・RAT

Cryptoistic は macOS 向けのマルウェアであり、MITRE ATT&CK では S0498 として登録され、Lazarus Group が使用するとされる [s4]。トロイの木馬化された暗号資産取引アプリとして 2020年5月初めに VirusTotal に現れ、Swift で書かれ、Objective-C へのブリッジコードを多く含む。2020年4月2日に macOS 10.15.2 の環境でコンパイルされた [s2]。感染後は C2 と暗号化通信を行い、通信には TCP を使う。ローカルのファイルの取得、ファイルの送受信、削除、ユーザー情報の収集ができ、削除対象のファイルを探すためにディレクトリも走査する [s4]。守る側は、出所の不明な暗号資産取引アプリの導入を制限し、macOS 端末から C2 へ向かう通信とファイルの削除や送受信の挙動を監視する必要がある。この対策の部分は文書の記述からの推論である。

使用するグループ

Dacls

別名: Dacls RAT、MATA

バックドア・RAT

Dacls は、北朝鮮の国家支援グループ Lazarus が使うとされる遠隔操作型トロイの木馬(RAT)である。Qihoo 360 Netlab が 2019 年 12 月に発見し、Windows と Linux の両方を狙う [s4]。のちに macOS 版も確認され、正規の OTP 認証ツール MinaOTP を作り替えた「TinkaOTP」に仕込まれていた [s1]。Lazarus との関連は、過去の攻撃にも使われた配布サーバーとの通信に基づく [s4]。モジュール式で、Windows ではプラグインを遠隔から読み込む。通信は TLS と RC4 の二重暗号で保護し、設定ファイルは AES で暗号化する [s4]。プラグインにより、コマンド実行、ファイル管理、プロセス管理、TCP 8291 番ポートへのスキャンなどを行い、リバース P2P プラグインで C2 への直接接続を避ける [s4]。macOS 版は LaunchDaemon と LaunchAgent で永続化する [s1]。守る側は、Confluence の CVE-2019-3396 に対するパッチ適用が推奨されている [s4]。macOS 版の C2 ドメインは正規の通信も扱うため、ブロックすると他サイトに影響が出うる [s1]。

使用するグループ

Daclsの出典

Derusbi

バックドア・RAT

Derusbi は中国系のサイバー諜報グループが使うとされるバックドア型のトロイの木馬(RAT)である。Unit 42 は少数の攻撃者グループに固有と考えられるマルウェアファミリーとし [s4]、Fidelis は中国系の攻撃者との関連が広く報じられていると述べる [s5]。CrowdStrike は DEEP PANDA が好んで使う RAT とし、盗まれた証明書で署名された検体を確認した [s2]。Unit 42 が調べた Windows 版 DLL は暗号化ペイロードを読み込むローダーで、復号に 32 バイトの鍵が必要であり、レジストリキーやパイプ名などの痕跡を残す [s4]。Fidelis は、ファイル操作・コマンド実行・遠隔操作の機能を持ち、メモリ常駐やタイムスタンプ改ざん、プロセス隠蔽を行う 64 ビット Linux 版を報告した。Windows 専用の製品を回避しうる [s5]。守る側は、Windows 製品だけに頼らず Linux 側も監視し、侵入の痕跡やC2通信を確認する必要がある [s5]。Microsoft Defender は TrojanSpy:Win32/Derusbi.A として検出する [s3]。

使用するグループ

DEWMODE

別名: Backdoor.PHP.DEWMODE.A

バックドア・RAT

DEWMODE は、TA505(CL0P ランサムウェアグループ)が使用したとされる Web シェルである [s1]。トレンドマイクロは PHP 製のバックドア Backdoor.PHP[.]DEWMODE.A として検出名を付けている [s2]。攻撃では 2020〜2021 年にゼロデイ脆弱性を使って、インターネットに公開された Accellion FTA サーバーへ設置された [s1]。設置後は OS コマンドの実行とデータ窃取に使われ、遠隔の攻撃者の指示でサーバーからのファイル取得や痕跡の削除を行う [s1][s2]。痕跡削除では /tmp/.scr と /tmp/.out という一時ファイルを作り、処理後に消す [s2]。動作には Web サーバー上に置かれる必要がある [s2]。守る側は、公開ファイル転送サーバー(Accellion FTA)の脆弱性(CVE-2021-27101〜27104)への対応 [s2] と、ソフトウェアの定期的なパッチ適用・脆弱性評価 [s1] が要点となる。

使用するグループ

Dtrack

バックドア・RAT

Dtrackは、Lazarus Groupによるものとされるリモートアクセス型トロイの木馬(RAT)であり、諜報と偵察に用いられる[s5]。Macnicaの分析ではLazarusが使うRATの1つとされ、msupdate.exeの内部に暗号化されて埋め込まれ、実行時にメモリ上へ展開される。文字列の大部分はRC4で暗号化されている[s3]。国内企業の海外拠点の事案では、BITSでダウンロードされていた[s3]。感染機器の情報やディスクボリュームのデータをC2へ送るほか、ファイルの送受信、任意コマンドの実行、自己削除の機能を持つ[s3]。キーストロークの記録や、スケジュールタスク・レジストリによる永続化も行う[s5]。守る側は、BITSによる不審なダウンロード、不審な実行ファイル、新規のスケジュールタスク、未知の宛先へのHTTP POST通信を確認する[s3][s5]。EDRによる検知が有効とされる[s5]。

使用するグループ

FALLCHILL

バックドア・RAT

FALLCHILL は、北朝鮮政府が用いるとされるリモート管理型のマルウェア(RAT)である。米政府は同国の悪意あるサイバー活動を HIDDEN COBRA と呼ぶ [s1]。FALLCHILL は、他の HIDDEN COBRA マルウェアが落とすファイル、または攻撃者に侵害されたサイトからの意図しないダウンロードで感染する [s1]。永続化のため外部ツールやドロッパーで導入され、Windows サービスとして導入された例もある [s1][s4]。C2 サーバーから二重のプロキシ経由で、ディスク情報の取得、プロセス作成、ファイルの検索・読み書き・実行、タイムスタンプ改変、マルウェア自身の削除などを遂行する [s1]。通信は偽の TLS と RC4 暗号を用いる [s1][s4]。守る側は、IOC の IP アドレスが自組織の割当範囲内にないか確認し、境界ログの通信を調べる。ネットワークシグネチャや YARA ルールも併用し、他の HIDDEN COBRA マルウェアの存在も疑う [s1]。

使用するグループ

Go-based custom backdoor

別名: Go製カスタムバックドア、BRICKSTORM

バックドア・RAT

Go言語で作られた攻撃者独自のバックドアを指す汎用的な表記である。具体例としてCISAは、中国の国家支援とされる攻撃者が使うBRICKSTORMを、ELF形式のGoまたはRust製カスタムバックドアと報告している。最初に解析された8検体はGo製である[s1]。Goは単一のコードを主要OS向けにコンパイルでき、攻撃者に好まれる特徴があるとされる[s5]。BRICKSTORMはVMware vSphereとWindows環境を対象とし、長期の潜伏に使われる。C2通信ではHTTPS、WebSockets、入れ子のTLS、DoHを用いて通常の通信に紛れ、対話型シェルやファイル操作も可能である[s1]。守る側はCISAが公開するIOC、YARAおよびSigmaルールで検体を確認し、検知時はCISAなどへ報告する[s1]。Go製バイナリは平均4.65MBと大きい[s5]。

使用するグループ

HOPLIGHT

バックドア・RAT

HOPLIGHT は北朝鮮政府が用いるとされるトロイの木馬型マルウェアである。米国政府は同国政府による悪意あるサイバー活動を HIDDEN COBRA と呼ぶ [s1]。CISA の解析報告は 20 個の悪性実行ファイルを扱い、うち 16 個は攻撃者との通信を隠すプロキシで、公開 SSL 証明書を用いた偽の TLS ハンドシェイクを生成して接続を偽装する [s1]。FortiGuard Labs は、同報告にバックドア、ドロッパー、情報窃取、認証情報収集、RAT などが含まれると整理している [s4]。解析された 32 ビット Windows 実行ファイルは、OS バージョンやボリューム情報、システム時刻を収集する [s1]。守る側は、CISA が公開した IOC と YARA ルールで PolarSSL 証明書を含む実行ファイルを調べ、関連する通信や挙動を検知した際は CISA または FBI に報告し、最優先で緩和策を講じる必要がある [s1][s5]。

使用するグループ

hosts.exe

別名: hosts[.]exe

バックドア・RAT

hosts.exe は、Qilin ランサムウェアの侵入事案で ThreatLocker が確認した C2 ビーコン用の実行ファイルである。ランサムウェア配備の前に、既知の不正ドメイン cloudflariz[.]com と約10分間隔(ばらつき1〜3分)で通信しており、これが不審な活動の最初の明確な兆候になった [s5]。静的解析では、ドメインと comm.php のハートビートページを含むビーコン設定が確認された [s5]。動作は三つで、再起動後も残るようスタートアップフォルダにショートカットを作成すること、C2 サーバーとイベントを送受信すること、50秒の実行遅延用スタブ関数である [s5]。起動時には Windows API を動的に解決し、コンソールウィンドウを非表示にして検知を避ける [s5]。守る側は、定期的な外部通信とスタートアップフォルダへの不審なショートカットを監視するとよい [s5]。

使用するグループ

hosts.exeの出典

HotCroissant

バックドア・RAT

HotCroissant は、米国政府が HIDDEN COBRA と呼ぶ北朝鮮政府の悪意あるサイバー活動で使われたトロイの木馬であり、CISA が 2020 年 2 月に MAR として公開した[s1][s4]。Cobalt Strike 型のビーコン機能と RAT 的機能を併せ持つインプラントである[s3]。感染後はハードコードされた C2(94.177.123[.]138:8088)へ被害端末情報を送り、その後 C2 の命令を待ち受ける[s1][s3]。システム調査、ファイルのアップロード/ダウンロード、プロセス・コマンド実行、画面キャプチャが可能で、通信は圧縮のうえ独自の XOR 方式で符号化される[s1]。サービス停止やファイル削除、スケジュールタスク「Java Maintenance64」による永続化の試みも報告されている[s5]。守る側は、上記 C2 への通信の遮断、CISA 公開の YARA ルールと IOC による検知、不要なソフトのインストール権限の制限を押さえるべきである[s1]。

使用するグループ

HotCroissantの出典

KEYMARBLE

別名: Trojan:Win32/KeyMarble

バックドア・RAT

KEYMARBLE は北朝鮮の関与が指摘されるマルウェアであり、Microsoft Defender Antivirus は Trojan:Win32/KeyMarble として検出・削除する [s4]。この脅威は攻撃者の選んだ複数の動作を感染端末上で実行できるとされる [s4]。Malpedia には Windows 向けファミリー win[.]keymarble として登録されているが、解説文は無く、YARA ルールのみが公開されている [s5]。CISA の北朝鮮関連の公表資料一覧に KEYMARBLE の個別の解説は含まれていない [s1]。守る側は、Defender などでの検出名 Trojan:Win32/KeyMarble を確認し、検出後は定義ファイルを更新してフルスキャンを行い、削除後に残るファイルやシステム変更を調べるべきである [s4]。Malpedia の YARA ルールは自動生成で、単一サンプルに基づくため汎用性に限りがあるとされる [s5]。

使用するグループ

KEYMARBLEの出典

Kivars

別名: Backdoor.Win64.KIVARS、Trojan.Win64.KIVARS.AB

バックドア・RAT

Kivars は、Bifrost RAT から派生したモジュール構造のリモートアクセス型バックドアであり、BlackTech が 2010 年のキャンペーンで使用したとされる [s5]。Trend Micro は、BIFROST のソースコードを入手したとみられる Shrouded Crossbow が作った BIFROSE・KIVARS・XBOW の一つと位置付け、BIFROSE より機能は少ないが保守しやすいとする [s2]。感染端末ではファイルのダウンロードと実行、ドライブ一覧の取得、スクリーンショット取得、キーロガーの開始と停止、ウィンドウの表示と非表示、マウスクリックやキー入力の遠隔操作、マルウェア自身のアンインストールができる [s2][s5]。64 ビット版も確認され [s2]、Trojan.Win64.KIVARS[.]AB は他のマルウェアにより投下されるか、悪性サイトから意図せずダウンロードされて侵入し、外部 URL へ接続する [s3]。配布にはスピアフィッシングメールが使われ、添付ファイルは RTLO 手法で偽装されおとり文書を伴う [s2]。守る側は、RTLO で偽装された添付の検査、不審な外部通信の監視、キー入力やスクリーン取得を行う不審なプロセスの確認に注意すべきである。BlackTech は Linux 向けも含め複数のマルウェアを使うため、Windows で見つかった場合は Linux 環境も確認することが推奨される [s1]。

使用するグループ

Kivarsの出典

LEMURLOOT

別名: human2.aspx

バックドア・RAT

LEMURLOOT は、Clop(CL0P、TA505)が MOVEit Transfer の SQL インジェクション脆弱性 CVE-2023-34362 の悪用後に設置した、C# 製とされる Web シェルである[s1][s2]。Progress Software のファイル転送製品 MOVEit Transfer に対し、2023年5月27日から悪用された[s1][s4]。Web アプリ内に human.aspx を装う human2.aspx の名で置かれ、バックドアとして働く[s5]。X-siLock-Comment ヘッダーに正しい認証値がなければ HTTP 404 を返す[s2]。認証後は X-siLock-Step1〜3 ヘッダーで操作され、SQL データベースや Azure 設定の取得、ファイル窃取を行う[s2][s5]。「Health Check Service」名の管理者アカウントを作成・削除し、再侵入にも使われた[s2][s5]。守る側はパッチ適用、ファイアウォールでの接続元制限、不正ファイルとアカウントの削除、サービス認証情報の再設定を行うべきである[s2]。Web サーバーを再構築してもデータベースに残るアカウントを確認する必要がある[s5]。

使用するグループ

LODEINFO

バックドア・RAT

LODEINFOは、2019年から主に日本を狙う攻撃で使われてきたバックドア型マルウェアである[s2]。MirrorFace(Earth Kashaとも呼ばれる)が2019年ごろから継続して使用しており、2019年の攻撃キャンペーンのころから主要なバックドアとされる[s1][s3]。感染すると被害端末を遠隔から操作できる[s3]。2023年以降の攻撃では、Cobalt StrikeやNOOPDOORと使い分けられ、侵入後にSMBでコンポーネントをコピーし、schtasks.exeやsc.exeを悪用して複数の端末へ展開した[s2]。NOOPDOORは遅くとも2021年にはLODEINFOの二次検体として使われていた[s3]。守る側は、管理共有経由のファイルコピーやタスク登録を監視するとよい。タスク登録はセキュリティログのイベントID 4698、SMB経由のコピーは「詳細なファイル共有の監査」を有効にしたときのイベントID 5145で記録できる[s1]。

使用するグループ

LODEINFOの出典

Orz

バックドア・RAT

Orzは、Proofpointが追跡するスパイ活動アクター(Leviathan)の使用ツールとして挙げられるカスタムのJavaScript型マルウェアである。「NanHaiShu」とも呼ばれるマルウェアとともに記載されている[s4]。同アクターはメールの添付ファイルやURLで標的に接近し、マクロ付きのExcelやWord文書、CVE-2017-0199・CVE-2017-8759、Publisherファイルを悪用した[s4]。導入にはJavaScript、HTA、PowerShell、WMI、regsvr32などが使われ、導入コードは頻繁に改変される一方、バックドア本体のコードは比較的変化が少ないとされる[s4]。永続化用の処理はバックドアと別ファイルに分けられ、スタートアップへのショートカット作成で自動起動を図る[s4]。守る側は、添付文書のマクロ実行、スクリプト言語やregsvr32経由の実行、スタートアップフォルダへの不審なショートカット作成を監視するとよい[s4]。

使用するグループ

Orzの出典

OVERSTEP rootkit

別名: OVERSTEP

バックドア・RAT

OVERSTEP は、SonicWall の SMA 100 シリーズ機器を狙って確認された、ユーザーモード型のルートキット兼バックドアである。GTIG は未知のマルウェアとして観測した[s2]。攻撃者 UNC6148 は管理者資格情報を得た後、base64 でデコードした ELF を設置し、ログを消去して再起動することで有効化した[s2]。/etc/ld.so[.]preload に共有ライブラリを登録して起動のたびに読み込ませ、起動スクリプトと INITRD も改変して永続化する[s4]。リバースシェルの確立、パスワードや persist[.]db・証明書の窃取、ログの選択的削除を行う[s2][s4]。窃取対象には OTP シードも含まれる[s3]。守る側は、/etc/ld.so[.]preload の有無、/usr/lib/libsamba-errors.so.6、改変された INITRD と rc[.]fwboot を調べ、dobackshell や dopasswords を含む HTTP リクエストを監視する[s4]。ルートキットの干渉を避けるためディスクイメージを取得して調べる[s2]。ファームウェア 10.2.2[.]2-92sv への更新と、全資格情報の再設定が推奨される[s3]。

使用するグループ

OVERSTEP rootkitの出典

PLEAD

別名: PLEAD module、PLEAD backdoor、ELF_PLEAD

バックドア・RAT

PLEADは、攻撃グループBlackTechが使うバックドア型のマルウェアである。Trend Microは、PLEADを自称名のバックドアとして、文書を狙う窃取ツールDRIGOと並ぶ道具立てに挙げている[s4]。スピアフィッシングメールの添付ファイルやクラウドストレージへのリンクで送り込まれ、インストーラーは右から左への上書き(RTLO)で文書に偽装される[s4]。機能は、ブラウザやOutlookなどに保存された認証情報の収集、ドライブ・プロセス・ファイルの列挙、リモートシェル、ファイルのアップロード、削除などである[s4]。Windows版に対しLinux版のELF_PLEADがあり、コードの多くを共有する。通信はWindows版がHTTP、ELF_PLEADが独自プロトコルで、RC4暗号化とLZO圧縮を用い、設定もRC4で暗号化される[s1]。ELF_PLEADにはプロキシ機能もある[s1]。守る側は、Windows環境で見つかった場合にLinux環境も確認することが推奨される[s1]。侵害済みルーターがC&Cや配布サーバーに使われた例もあるため、ルーターも確認対象となる[s4]。

使用するグループ

PLEADの出典

PortStarter

別名: Backdoor.Win64.PORTSTARTER.A.go

バックドア・RAT

PortStarterは、Trend Microがバックドア型マルウェア(Backdoor.Win64.PORTSTARTER.A[.]go)として検出するプログラムである。他のマルウェアに投下されるか、悪意あるサイト閲覧時に意図せずダウンロードされる形で端末に入る[s2]。Sophosの調査では、Vice SocietyやRhysidaのランサムウェアを展開した同一の攻撃クラスタが、SystemBCや時にCobalt Strikeとともに使っていた[s4]。確認された6件のうち、PortStarterが見られたのはVice Societyの4件であった[s4]。実行時にはPowerShellでWMIからドメイン名を取得し、OpenDNSに対するnslookupを実行する[s2]。外部のIPアドレスの443番ポートへ接続する[s2]。守る側は、これらのPowerShell・nslookupの挙動と443番ポートへの不審な通信を監視するとよい。侵入経路はMFA未設定のVPNアカウントの悪用が共通しており、VPNへのMFA適用が対策となる[s4]。

使用するグループ

PortStarterの出典

RATANKBA

別名: TROJ_RATANKBA.A、BKDR_RATANKBA.ZAEL-A

バックドア・RAT

RATANKBA は Lazarus グループが使うバックドア型マルウェアである。2016年末から活動していた可能性があるとされる[s2]。当初は PE 形式の実行ファイルで、2017年6月には PowerShell スクリプト版が確認された[s2]。水飲み場型攻撃では最初期に送り込まれ、実行中タスク、ドメイン、共有、ユーザー情報などを調べ、特定の IP 範囲も探る[s1]。取得した情報は、NetBIOS 走査ツールの結果と合わせて最終ペイロードの配布先選定に使われた[s1]。ルアー文書(Office 文書、CHM、スクリプトダウンローダー)で配布され、HTTP の GET/POST で C&C に被害者情報を送り、cmd によるシェル実行や DLL の反射的インジェクションなどの指示を受ける[s2]。通信は常時接続ではなく、バックドアが約120秒間隔で C&C に指示を取りに行く方式である[s2]。守る側は、URL に action=BaseInfo を含む定期的な HTTP 通信や、wmic によるプロセス一覧の取得を見るべきである[s2]。

使用するグループ

RATANKBAの出典

SDBot

別名: Win32/Sdbot、Backdoor:Win32/Sdbot、Backdoor.Win32.SdBot、win32.sdbot、sdbot.worm、sdbot.a、Rbot、Spybot

バックドア・RAT

SDBot は Windows 向けのバックドア型トロイの木馬のファミリーであり、感染 PC を攻撃者が遠隔操作できるようにする[s3]。感染後は IRC サーバーに接続してチャンネルに参加し、攻撃者の命令を受け取る[s3]。命令により他の PC への拡散、DoS 攻撃、システム情報の取得を行う[s3]。任意ファイルのダウンロードと実行、機密情報の窃取も行うとされる[s4]。Rbot や Spybot などの別名で呼ばれることがある[s5]。守る側は、IRC 通信の発生や、AppData・Temp 配下で動く不審なプロセスを監視するのがよい[s5]。感染が疑われる場合は、最新のウイルス対策製品でシステム全体をスキャンする。手作業での除去は推奨されない[s4]。

使用するグループ

SystemBC

別名: Coroxy

バックドア・RAT

SystemBC は 2019 年に初めて確認されたプロキシ兼リモート管理ツール(RAT)型のマルウェアである。名称はコントロールパネルの URI 内の文字列に由来するとされ、Coroxy の別名を持つ [s3][s4]。感染端末を SOCKS5 プロキシ化し、C2 通信の隠蔽や追加ペイロードの配信に使われる。最新サンプルは Tor で C2 の宛先を隠す [s2][s4]。ランサムウェアのアフィリエイトが Ryuk や Egregor の攻撃で Cobalt Strike と併用し、管理者の認証情報を得て内部に侵入した後にサーバーへ展開した例がある。EXE、DLL、シェルコード、各種スクリプトを実行できる [s2][s3]。常駐にはスケジュールタスクを使う [s2]。守る側は、ProgramData 配下のランダム名ファイルとタスク、ポート 4044 への TCP 通信、Tor 通信、不審なプロキシ設定を確認すべきである [s2][s5]。マルウェア対策を一貫して導入し、正規の認証情報による無効化を防ぐ必要がある [s3]。

関連する分析

TAINTEDSCRIBE

別名: Narrator.exe

バックドア・RAT

TAINTEDSCRIBEは、北朝鮮政府が使用するとされるトロイの木馬型のビーコン型インプラントである[s1]。米国政府はHIDDEN COBRAと呼ぶ活動の一環とみており、Lazarusによる利用とも報じられている[s1][s5]。本体はMicrosoftの Narrator に偽装し、起動するとユーザーのスタートアップフォルダに自身を「Narrator.exe」として複製して常駐する[s1]。C2サーバーからコマンド実行用モジュールを取得し、ファイルの送受信・削除・実行、WindowsのCLI利用、プロセスの作成と終了、感染端末の情報収集を行う[s1]。通信は偽のTLSハンドシェイクとLFSR方式の暗号化で隠される[s1]。FBIはプロキシサーバーと併用して被害網内に居座り、ネットワークへの侵入を広げるとみている[s1]。守る側は、スタートアップフォルダへのNarrator.exe作成を監視し、報告書のYARAルールやIOCで検知する対応が考えられる[s1][s5]。

使用するグループ

ThreatNeedle

バックドア・RAT

ThreatNeedleは、Lazarusが使うマルウェアのファミリーであり、Kasperskyが命名したものである。Manuscrypt(別名NukeSped)の発展版にあたるクラスターとされる[s3]。2020年半ばには防衛産業への攻撃に使われ、COVID-19を題材にしたスピアフィッシングメールの添付Word文書のマクロから多段階で展開された[s3]。ペイロードはrundll32.exeで実行され、スタートアップ用のショートカットも作成された[s3]。感染後に認証情報を収集して横展開し、内部ルーターをプロキシ化してイントラネットのデータを外部へ送り出した[s3]。2024年11月には、韓国のソフトウェア企業でバックドアの亜種が正規のSyncHost.exeのメモリ上で動作し、Cross EXの子プロセスとして生成されていた[s5]。守る側は、Officeマクロを有効にさせる誘導メール、正規プロセスのメモリ内で動く不審なコード、国内製ソフトの脆弱性悪用を見る必要がある[s3][s5]。

使用するグループ

TYPEFRAME

別名: NukeSped

バックドア・RAT

TYPEFRAME は、米国政府が HIDDEN COBRA と呼ぶ北朝鮮政府の悪意あるサイバー活動に関連するトロイの木馬型マルウェアである。DHS と FBI の共同分析報告で、32 ビット・64 ビットの Windows 実行ファイルと VBA マクロ入りの Word 文書、計 11 検体が確認された [s1]。検体は、マルウェアのダウンロードとインストール、プロキシや RAT の設置、C2 サーバーへの接続による追加指示の受信、被害端末のファイアウォール変更による着信接続の許可を行う [s1]。大半は RC4 で暗号化された RAT で、ファイルのダウンロードや削除を行うほか、Windows ファイアウォールを開けるプロキシ型モジュールもある [s5]。ある検体は RAT をサービスとして登録し、system32 配下に laxhost.dll を展開する [s1]。守る側は、パッチと AV の更新、ファイル・プリンター共有の無効化、ユーザー権限の制限、強固なパスワード、各端末でのファイアウォール適用、メール添付の検査、Web 閲覧の監視が推奨されている [s5]。

使用するグループ

UPPERCUT

別名: ANEL、uppercut.exe

バックドア・RAT

UPPERCUTはANELとも呼ばれ、APT10が使うRAT(遠隔操作型マルウェア)であり、日本でのみ観測されたとされる[s5]。MirrorFaceの解説でも使用ツールに挙げられている。ANELはバージョン5.3.0以降の全検体が、不透明述語と制御フロー平坦化で難読化されているとされる[s5]。この難読化は解析を妨げるため、VMware TAUはIDA Proプラグイン HexRaysDeob を改修して元のコードを復元した[s5]。ANY[.]RUNの解析では、uppercut.exeが実行ファイルを展開・上書きし、cmd.exeを起動してattrib.exeでファイル属性を変更した[s3]。同検体のファイル情報には製品名UPPERCUT、会社名CODEFIREとある[s3]。守る側は、不審な実行ファイルの展開、cmd.exeの起動、attrib.exeによる属性変更の連鎖を監視したい[s3]。難読化があるため、静的解析だけに頼らず挙動も併せて確認すべきである[s5]。

使用するグループ

UPPERCUTの出典

Volgmer

別名: Trojan.Volgmer

バックドア・RAT

Volgmer は、北朝鮮政府が使うとされるバックドア型トロイの木馬である。米 CISA は同国の悪意あるサイバー活動を HIDDEN COBRA と呼ぶ [s1]。AhnLab は Lazarus が 2014 年から使うバックドアとし、2022 年以降は Scout ダウンローダが代わりに使われたと述べる [s5]。感染端末の情報収集、ファイルの送受信、コマンド実行、プロセス終了、ディレクトリ一覧の取得ができ、2013 年以降、政府・金融・自動車・メディア業界への使用が観測された [s1]。主な配布経路はスピアフィッシングと疑われる [s1]。ランダムに選んだサービスの ServiceDLL を書き換えて常駐し、設定はレジストリ HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\WMI\Security に暗号化して保存する [s1][s5]。通信は TCP 8080 や 8088 を使い、SSL を使う型もある [s1]。守る側は、CISA 公開の IP アドレス等の IOC と自組織の通信ログの照合、User-Agent「Mozillar/」の検知ルール、アプリケーションのホワイトリスト化、マクロ無効化が要点となる [s1]。

使用するグループ

Waterbear

別名: Deuterbear

バックドア・RAT

Waterbear は、サイバースパイグループ Earth Hundun(BlackTech とも呼ばれる)が使うモジュール型のマルウェアであり、2009 年以降に 10 以上のバージョンがあるとされる [s1]。DLL ローダーが RC4 で暗号化されたペイロードを復号して実行し、多くの場合ペイロードは追加モジュールを受け取る第 1 段バックドアである [s2]。起動には正規の実行ファイルによる DLL サイドローディングやフォールバック先の DLL の悪用が使われ、復号後のシェルコードは LanmanServer サービスに注入される [s1][s2]。過去の攻撃では主に横展開に使われ、C&C に内部 IP アドレスを指定した例もある [s2]。2022 年からは最新版の Deuterbear が使われている [s1]。守る側は、正規サービスが読み込む不審な DLL、レジストリ値の削除、内部 IP への通信を確認する必要がある [s2]。

使用するグループ

Waterbearの出典

リモートアクセス 8 件

BLINDINGCAN

リモートアクセス

BLINDINGCAN は北朝鮮政府が使用するとされるリモートアクセス型トロイの木馬(RAT)であり、米国政府は関連活動を HIDDEN COBRA と呼ぶ [s1]。JPCERT/CC は Lazarus が侵入後に使うマルウェアの一つとして分析している [s2]。攻撃では防衛関連企業の求人を装った文書が使われ、CVE-2017-0199 を悪用して外部サーバーから追加の部品を取得する [s1][s4]。ローダーが DLL を読み込むと動作し、C&C サーバーと HTTP POST で通信して、ファイル操作、プロセス操作、ファイルの送受信、サービス一覧の取得、任意のシェルコマンドの実行を行う [s2]。設定は RC4 や AES などで暗号化されている [s2][s4]。守る側は、設定が保存されるレジストリ値 HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion の「SM_Dev16」で始まる値や、特徴的な POST パラメータを持つ通信を確認し、C&C 一覧のホストとの通信有無を調べるべきである [s2]。

使用するグループ

BLINDINGCANの出典

FlawedAmmyy

別名: FlawedAmmyy RAT、FlawedAmmyy Admin

リモートアクセス

FlawedAmmyy は、リモートデスクトップソフト Ammyy Admin のバージョン3の流出ソースコードを基にしたリモートアクセス型トロイの木馬(RAT)である。2016年初頭から使われ、遠隔操作、ファイル管理、プロキシ対応、音声チャットの機能を備える[s5]。TA505 が使うペイロードの一つで、ServHelper と併用される[s1][s3]。配布は、マクロ付き文書の添付やショートカット(.url)ファイル経由の JavaScript から Quant Loader を介する方法、.ISO 添付などで行われた[s5][s1]。C&C 通信は 443 番ポートの HTTP 上で行われ、感染端末は OS、権限、ユーザー名、コンピューター名、ウイルス対策製品名などを送信する[s5]。守る側は、メール添付ファイルのマクロの利用禁止と有効化しない周知、侵入を前提にした EDR による端末の不審挙動の監視が要点とされる[s3]。

使用するグループ

FlawedAmmyyの出典

FlawedGrace

別名: GraceWire、BARBWIRE

リモートアクセス

FlawedGrace は、Proofpoint が命名した多機能のリモートアクセス型トロイの木馬(RAT)である。C++ で書かれ、2017 年後半に主に開発されたとみられ、Proofpoint が 2017 年 11 月に初めて確認した[s3][s4]。GraceWire、BARBWIRE の別名があり、TA505 との関連が報告されているが同グループに限られないとされる[s5]。Mandiant は FIN11 が少なくとも 2018 年から BARBWIRE を使い、同グループ専用と考えているとされる[s5]。攻撃では Truebot が読み込み、レジストリと印刷スプーラの操作で権限昇格と永続化を行う。暗号化したペイロードをレジストリに保存し、msiexec.exe と svchost.exe に注入する[s1][s5]。一時的な管理者ユーザーを作って RDP 接続を試みた例や、Cobalt Strike でのラテラルムーブメント後に各ホストへ読み込まれた例がある[s5]。守る側は、レジストリや印刷スプーラの不審な変更、一時ユーザーの作成、既知の C2 通信先を監視すべきである[s1][s5]。

使用するグループ

FlawedGraceの出典

gh0st RAT

別名: Gh0st、Gh0stRAT、Gh0st remote access Trojan

リモートアクセス

gh0st RATは、キー入力の記録、スクリーンショットの取得、リモートシェル、ファイルのダウンロードなどを備えたリモートアクセス型トロイの木馬である[s2][s4]。ソースコードがオンラインで公開されており、一部を流用した亜種が多く、研究者の間でも何をGh0stと呼ぶかは一致していない[s2]。攻撃では最終ペイロードとして使われ、正規ソフトを装ったインストーラ経由で配信された事例がある[s4]。レジストリのRunキーやWindowsサービスによる永続化、イベントログやファイルの削除、DLLサイドローディング、RC4やXORによるC2通信の暗号化も確認されている[s5]。2025年の事例ではスケジュールタスクで永続化し、powershell.exeでWindows Defenderの除外を追加して、ポート8080の暗号化TCPでC2と通信した[s4]。守る側は、MSIのカスタムアクションの精査、Defender除外設定の変更、スケジュールタスクの作成、暗号化されたTCP通信の監視に注目すべきである[s4][s5]。

使用するグループ

JQRAXY_HVNC

別名: JQRAXY HVNC

リモートアクセス

JQRAXY_HVNC は、FunkSec が自身のサイトで提供する C++ 製の HVNC(Hidden Virtual Network Computing)プログラムであり、サーバーとクライアントから成る[s2][s4]。FunkSec は暗号化ツールのほか、DDoS ツールの FDDOS やパスワード生成・収集ツールの funkgenerate なども配布しており、これらの多くは無料で、ハクティビズムに結び付くとされる[s2][s4]。本来の用途は、リモートデスクトップの管理、自動化、データのやり取りである[s2]。攻撃では、被害者の端末を利用者に気付かれずに遠隔操作するために使われる[s4]。FunkSec がハクティビスト活動に関与している可能性を示す根拠の一つとして、このツールの使用が挙げられている[s3]。守る側は、リモート操作ツールの不審な通信や常駐に加え、ランサムウェアの実行前後の挙動を含む実行の流れ全体を、静的な指標ではなく挙動で検知することが対策として示されている[s3]。

使用するグループ

JQRAXY_HVNCの出典

MagicRAT

リモートアクセス

MagicRAT は、Cisco Talos が 2022 年 9 月に報告したリモートアクセス型トロイの木馬(RAT)であり、Lazarus が開発・運用するとされる [s3]。Talos は中〜高い確度で Lazarus の仕業と評価している [s3]。公開された VMware Horizon の脆弱性を突いて侵入した環境に展開されていた [s3]。Qt Framework で作られており、人手による解析や機械学習・ヒューリスティックによる自動検知を難しくする狙いがあるとされる [s3]。感染後はスケジュールタスクとスタートアップのリンクで常駐し、whoami、systeminfo、ipconfig /all で環境を調べる。攻撃者にはリモートシェルとファイル操作の機能が与えられる [s3]。カスタムのポートスキャナなど追加のペイロードも起動し、C2 は TigerRAT の新しい亜種の配布にも使われていた [s3]。守る側は、公開された VMware Horizon の脆弱性対策に加え、ProgramData\WindowsSoftwareToolkit の設定ファイルや OS 標準を装った名前のスケジュールタスクを確認する必要がある [s3]。

使用するグループ

MagicRATの出典

NanHaiShu

リモートアクセス

NanHaiShuは、F-Secureが2016年7月のホワイトペーパーで解析した不正プログラムであり、技術的にはリモートアクセス型トロイの木馬(RAT)である[s3]。フィリピン司法省、APEC首脳会議の主催者、国際法律事務所など、南シナ海の領有権紛争に関わる政府・民間組織が標的とされた[s3][s4]。配布にはスピアフィッシングメールが使われ、添付ファイルのVBAマクロが埋め込みのJScriptを実行する[s3]。この攻撃はOfficeの既定のセキュリティ設定がマクロ実行を許可するよう変更されている場合にのみ成立する[s3]。感染後は端末の情報を遠隔のC&Cサーバへ送信する[s3]。作成者は中国由来とされる[s3]。守る側は、Officeのマクロ実行を既定の無効設定のまま維持すること、業界用語で作り込まれた標的型メールの添付ファイルに警戒すること、C&Cサーバへの不審な通信を監視することが要点となる[s3]。

使用するグループ

PyXie RAT

別名: PyXie、PyXie Lite

リモートアクセス

PyXie RAT は Python で書かれたリモートアクセス型トロイの木馬(RAT)であり、BlackBerry Cylance が報告した[s4]。2018年に初めて確認されたが過小評価されていたとされる[s5]。Unit 42 は、同じ金銭目的の攻撃グループが Vatet ローダー、PyXie、Defray777 ランサムウェアを使うと分析し、偵察と機密ファイルの持ち出し用に改変した PyXie Lite を挙げている[s3]。多段階の攻撃連鎖の最終段で動き、キーロギング、認証情報の収集、ネットワークスキャン、Cookie や証明書の窃取、画面や映像の取得、VNC、Socks5 プロキシ、Sharphound によるドメイン列挙などを備える[s4][s5]。通信は HTTP/HTTPS で、予備として GitHub Gists のコメントも使う[s5]。初期段階では LogMeIn や Google の正規バイナリで DLL をサイドロードし、Cobalt Strike と併用され、Tetris ゲームを改変したローダーも使われた[s4][s5]。守る側は、正規署名の実行ファイルによるサイドロード、一時サービス作成による SYSTEM 権限への昇格、GitHub Gists への通信を監視する点が手がかりになる[s4][s5]。

使用するグループ

PyXie RATの出典

認証情報の窃取 3 件

ECCENTRICBANDWAGON

認証情報の窃取

ECCENTRICBANDWAGON は、北朝鮮の偵察総局に属する派閥で米国政府が BeagleBoyz と呼ぶ集団が使うとされるマルウェアである [s4]。この集団は金融機関に侵入して金銭を盗む活動に関わり、ATM からの現金引き出しを可能にする作戦は 2018 年に「FASTCash」と呼ばれた [s4]。ECCENTRICBANDWAGON は、キー入力の記録と画面の取得によって認証情報を得るために使われる [s4]。侵入後、同集団は活動の過程で置いたマルウェアや非標準のファイルを削除して痕跡を減らし、通信も暗号化して検知を難しくする [s4]。守る側は、OS のパッチを最新に保つこと、金融機関では ATM や POS 端末を含む固有の対策を取ることが勧告されている [s4]。また、侵入後に残る非標準のファイルや暗号化された通信に注意する必要がある [s4]。

使用するグループ

ECCENTRICBANDWAGONの出典

funkgenerate

別名: FunkGenerator、funkgenerate.zip

認証情報の窃取

funkgenerate は、ランサムウェアグループ FunkSec が使うツールである。FunkGenerator あるいは funkgenerate.zip の名でも呼ばれ、過去に同グループが使ったツールとして、DDoS を実行する Python スクリプト ddos1.py と並べて挙げられている[s4]。FunkSec の活動に関する報告では、リモート管理ツール JQRAXY_HVNC と並び、パスワード生成を行うツールとして記されている[s3]。Vectra は、キーロガーとともに funkgenerate のようなパスワード収集ツールを展開し、侵害したシステムや Web サイトから認証情報を集めるとしている[s5]。ツールの性質についてはパスワード生成とする説明と認証情報収集とする説明があり、文書間で食い違う[s3][s5]。守る側は、侵害端末での認証情報の収集やキーロガーの挙動を監視し、funkgenerate.zip などのファイル名を手掛かりにするのが有効とされる[s4][s5]。

使用するグループ

funkgenerateの出典

HOMEFRY

別名: win.homefry

認証情報の窃取

HOMEFRYは、攻撃グループAPT40が使用するとされる64ビットのWindows向けパスワードダンプ/クラッキングツールである[s2]。Malpediaでも同グループの関連マルウェアとして win[.]homefry が挙げられている[s4]。APT40は侵入後の後半段階で、権限昇格とパスワードハッシュの抽出のために、HOMEFRYやWindows Credential Editor(WCE)、Sysinternals ProcDumpといった独自製または公開の認証情報収集ツールを使うとされる[s2]。HOMEFRYはAirBreakやBadFlickのバックドアと組み合わせて使われた実績がある[s2]。窃取したハッシュはPass the Hash攻撃などでネットワーク内の横展開に悪用されうる[s1]。守る側は、メモリからのハッシュ収集を前提に、異常なログイン試行や認証情報の不正使用を振る舞い分析で監視し、最小特権の徹底とマイクロセグメンテーションで横展開を抑えることが勘所となる[s1]。

使用するグループ

HOMEFRYの出典

内部調査・スキャン 2 件

Grixba

別名: Infostealer.Grixba

内部調査・スキャン

Grixba は Play ランサムウェアグループが開発したとされる .NET 製のカスタムツールで、Symantec は Infostealer[.]Grixba として検知している [s5]。CISA は情報窃取型と位置づけ [s1]、Trend Micro は署名ベースの検知を回避するための独自ツールとする [s2]。攻撃では侵入後の偵察段階で使われ、WMI、WinRM、リモートレジストリ、リモートサービスでドメイン内の全ユーザーとコンピューターを列挙し、セキュリティ製品、バックアップ製品、リモート管理ツールの有無を調べる [s5]。結果は CSV にまとめ、WinRAR で ZIP に圧縮され、攻撃者が手動で持ち出す [s5]。ログ削除モードも持つ [s5]。実際の侵害では GT_NET.exe として実行され、ホスト一覧が data.zip に保存された [s2]。守る側は署名検知に頼らず、振る舞い検知で不審なネットワーク列挙や ZIP 作成を監視する必要がある [s2]。

使用するグループ

Grixbaの出典

MURKYTOP

内部調査・スキャン

MURKYTOP は APT40 が使うとされるコマンドライン型の偵察ツールである。MITRE ATT&CK ではソフトウェア S0233 として整理されている[s3]。別の解説では、公開されているツールの一つで、別のユーザーとしてファイルを実行する偵察ツールと説明されている[s4]。侵入後の内部偵察で、ネイティブな Windows 機能や自作スクリプトと併用される[s4]。リモートホストのユーザー、グループ、共有、OS 情報の取得、接続先ネットワーク上のホストの識別、開いているポートのスキャンができる[s3]。ローカルファイルの削除や、リモートでの AT ジョブの予約もできる[s3]。守る側は、net.exe や at.exe など Windows 標準のコマンドが横展開に使われる点を踏まえ[s4]、リモートホストへの列挙やポートスキャン、AT ジョブの作成を監視するとよい。

使用するグループ

データ持ち出し 5 件

Salesforce Data Loader(不正版)

別名: trojanized Salesforce Data Loader、malicious Data Loader、偽のデータローダー

データ持ち出し

Salesforce が開発した正規のデータローダーを改変・模倣した不正な接続アプリケーションである。Salesforce の承認を受けていない[s1]。正規版はデータの一括インポート・エクスポート用クライアントで、OAuth に対応する[s1][s4]。攻撃者は IT ヘルプデスクを装った電話(ビッシング)で被害者に接続アプリ設定ページを開かせ、8 桁の接続コードを入力させて不正版を環境に連携させる[s1][s3]。承認後は API 経由の一括クエリで顧客データを大量に抜き取り、恐喝に使うとされる[s3]。一部事例では正規アプリのクライアント ID を流用したともされ、新規アプリが現れない[s2]。守る側は、接続アプリへのアクセス管理、最小権限、IP 制限、MFA、Salesforce Shield の監視を行う[s1]。ユーザー単位で認可できる者を絞ることも有効とされる[s2]。Event Monitoring で短時間の大量クエリや Tor/VPN 由来の IP を探す[s3]。

使用するグループ

Salesforce Data Loader(不正版)の出典

Salesforce Data Loader模倣のPythonスクリプト

別名: Salesforce Data Loader改変版、偽Salesforce Data Loader、trojanized Salesforce Data Loader

データ持ち出し

Salesforceが開発した正規のデータローダーを装う、攻撃者製の改変版アプリである。文書では「Pythonスクリプト」との記述は確認できず、改変版アプリとして説明されている[s2]。本物はOAuthに対応し、接続アプリケーション機能でSalesforceに直接連携する[s2]。攻撃では、ヘルプデスクを装うビッシングで被害者に接続アプリケーションの設定ページを開かせ、8桁の接続コードを入力させて承認させる[s2][s4]。承認後は永続的なAPIアクセスを得て、SOQLクエリで顧客データを大量に抜き出す[s4]。正規アプリのクライアントIDを流用し同意画面を省く手口もあるとされる[s5]。対策は、接続アプリケーションへのアクセス管理、最小権限、IP制限、MFA、Event Monitoringでのクエリ急増や不審な接続アプリIDの監視である[s2][s4]。承認できるユーザーを限定する対策も挙げられている[s5]。

使用するグループ

Salesforce Data Loader模倣のPythonスクリプトの出典

StealTENGU

データ持ち出し

StealTENGUは、ランサムウェアRaaSグループ Tengu(のちにShisaへ改称)が開発したファイルアップロード用の独自ツールである。SOCRadarは2026年2月22日にこのサービスが告知されたとしている[s2]。theravenfile[.]comもファイル管理サービスの確認中に、グループが新ツールとして開発したことを確認している[s3]。攻撃での役割は、暗号化の前に行う窃取データの持ち出し(外部転送)である。Tenguは二重脅迫型で、データを盗んでから暗号化する[s2]。アフィリエイトはRcloneやWinSCPも併用し、保存先はMEGAが主で、SFTP、PixelDrain、StorJも使う[s2]。窃取データは後にリークサイトで公開される[s2]。外部転送は暗号化に先立つ段階であり、一般にサーバ全体のデータがまるごと持ち出されるとされる[s5]。守る側は、暗号化前の大量の外部転送を検知の要点とし、MEGAなどのストレージ宛て通信やRclone、WinSCPの利用を監視する必要がある[s2][s5]。

使用するグループ

StealTG

データ持ち出し

StealTGは、ランサムウェア運営グループTengu(後にShisaへ改称)が提供するデータ窃取用のツールである。WindowsとLinuxの両方で動作し、2026年2月28日に告知されたとされる[s2]。TenguはRaaS(ランサムウェアの提供型サービス)として運営され、暗号化の前に情報を盗む二重恐喝を採る[s2]。StealTGはその窃取段階で使われる。同グループは自作のファイルアップロード用サービスStealTENGUも2月22日に告知しており、アフィリエイトはRcloneやWinSCPも併用し、保管先にMEGA、SFTP、PixelDrain、StorJを使う[s2][s3]。盗んだデータは後に同グループのリークサイトで公開される[s2]。守る側は、外部ストレージや未承認のファイル転送先への大量送信を監視し、RcloneやWinSCPの不審な利用と合わせて確認する必要がある。なお、StealTGの内部動作を詳しく述べた文書は与えられた資料にない。

使用するグループ

Storage Software

別名: Storage Software(独自の窃取ツール)

データ持ち出し

Storage Software は、ランサムウェア運営グループ Hunters International が提供するとされる独自のツールである[s3]。流出させたファイルのメタデータを収集してグループのサーバーへ送信し、攻撃者が管理するデータ保管ホストとグループのパネルとの間の橋渡しを担う[s3]。被害者はグループの被害者用パネルから、攻撃者が保管したファイルのダウンロードと削除ができる[s3]。ネットワーク接続は SOCKSv5 プロキシ経由で確立され、Windows と Linux の双方で動作する[s3]。攻撃では、窃取したデータの管理と二重脅迫を支える段階で使われる。同グループは World Leaks への改称と恐喝専用への移行を計画しているとされる[s3]。守る側は、SOCKSv5 プロキシ経由の外向き通信と、大量ファイルのメタデータ送信に注目すべきである。

使用するグループ
関連する分析

Storage Softwareの出典

トンネル・プロキシ 3 件

BADCALL

トンネル・プロキシ

BADCALL は米国政府が北朝鮮政府による不正なサイバー活動(HIDDEN COBRA)で使われたとするトロイの木馬である [s1]。CISA の解析では Windows 32 ビット実行ファイル 3 件がプロキシサーバーとして動作し、1 件は Android 向けの遠隔操作ツール(RAT)であった [s1]。攻撃では被害端末を中継点(ホップポイント)にして通信を転送し、ネットワーク内の足場維持と侵害拡大に使われるとされる [s1]。Windows 版は 8000 番ポートで待ち受け、事前にファイアウォールのレジストリを変更して無効化を図り、通信を XOR/ADD の簡易暗号で保護する。C2 通信では FakeTLS を使い、443 番と 8000 番ポートを用いる [s1][s3]。端末名やネットワークアダプタ情報も収集する [s3]。守る側は、8000 番など非標準ポートでの待ち受け、ファイアウォール関連レジストリの改変、TLS を装った不審な通信を監視すべきである。CISA は YARA ルールと IOC も公開している [s1]。

使用するグループ

BADCALLの出典

SystemBC

別名: SystemBC (socks.out)、socks.out、Coroxy

トンネル・プロキシ

SystemBC は 2019 年に初めて確認されたプロキシ兼リモート管理ツール(RAT)型のマルウェアで、別名 Coroxy とされる [s2][s3][s4]。感染端末を SOCKS5 プロキシに変え、TCP 上の独自プロトコルで C2 サーバと通信する [s4]。ランサムウェアの攻撃者は、別のマルウェアにドロップさせたうえで常駐させ、Windows コマンド、スクリプト、EXE や DLL、シェルコードを実行させる [s2]。新しい検体は Tor で C2 通信を隠蔽する [s2]。Ryuk や Egregor の攻撃では Cobalt Strike と併用され、管理者の認証情報を得た後にサーバへ展開された例がある [s2]。守る側は、ProgramData 配下のランダム名ファイルとスケジュールタスク、PowerShell の「-WindowStyle Hidden -ep bypass」、不審なプロキシ設定、未知の宛先への暗号化通信を確認する [s2][s5]。一貫した対策の導入と、無効化に使われる正規認証情報の管理も要る [s3]。

使用するグループ

wg-obfuscator

トンネル・プロキシ

wg-obfuscator は WireGuard の通信を偽装・難読化するツールである。Sophos は「custom WireGuard traffic obfuscator」と記し、cybersecuritynews[.]com も同様に呼ぶ[s2][s3]。別の週刊まとめには、ISP や政府による遮断を回避する WireGuard 難読化ツールとして GitHub 上の公開物が挙がっている[s5]。ただし両者が同一物かは文書から断定できない。Sophos が PayoutsKing ランサムウェアに関連するとする STAC4713 では、攻撃者がスケジュールタスク「TPMProfiler」で QEMU 仮想マシンを SYSTEM 権限で起動した[s2]。その Alpine 3.22.0 のディスクイメージに、AdaptixC2、BusyBox、Chisel、Rclone とともにこのツールが入っていた[s2][s3]。VM 内の活動は端末のセキュリティ製品から見えにくいとされる[s2]。守る側は、未承認の QEMU やシステム権限のスケジュールタスク、.db や .dll など珍しい拡張子の仮想ディスク、非標準ポートからの SSH トンネルを点検すべきである[s3]。

使用するグループ

wg-obfuscatorの出典

検知回避・無効化 9 件

EDR-killer

別名: EDRキラー、EDR killer、AVキラー、EDRKillShifter

検知回避・無効化

EDR-killerは、侵害した端末のEDRやアンチウイルスを無効化するよう攻撃者が作った不正プログラムの総称である。2022年以降、この種のマルウェアは巧妙化しているとされる[s4]。ランサムウェアグループが自作する例も、地下マーケットで購入する例もある[s4]。RansomHubが使うEDRKillShifterは、脆弱な正規ドライバを悪用するBYOVD型のローダーで、正しいパスワードを渡して実行すると埋め込みのGo製ペイロードをメモリ上で動かす[s3]。QilinではDLLサイドロードで起動する多段のチェーンが300超のEDRドライバを停止できるとされ[s2]、Akiraでは脆弱なThrottleStopドライバと終了用ドライバが使われた[s5]。いずれもランサムウェアの暗号化の前段で使われる[s3][s5]。防御側は、不審なカーネルドライバのサービス登録や、署名が失効した証明書のドライバのロードを監視すべきである[s4]。

使用するグループ

EDR-killerの出典

GentleKiller

検知回避・無効化

GentleKiller は、RaaS 集団 Gentlemen の運営者が自前で開発・保守する EDR キラー(セキュリティ製品を妨害するツール)の枠組みである。ESET が命名した [s3]。運営者が検証済みの提携者(アフィリエイト)に提供しており [s4]、少なくとも 8 つの亜種が存在し、亜種ごとに異なる脆弱または悪意あるドライバーを悪用する [s2]。BYOVD 手法でカーネル権限を得て、EDR を含む 400 以上のプロセス(48 製品)を約 2 秒ごとに探して終了させるとされる [s4]。各亜種は偽のバージョン情報や複製した署名・アイコンで正規のセキュリティ製品を装い、Enigma や Themida で保護される [s4]。暗号化の前に EDR を止め、検知を避ける狙いがある [s5]。守る側は、ユーザー空間の EDR 監視だけに頼らず、HVCI と WDAC で脆弱ドライバーの読み込みを制限することが優先事項とされる [s4]。偽装により署名ベースの検知は信頼しにくい [s4]。

使用するグループ

KillAV

別名: Trojan.Win64.KILLAV.C、Trojan.Win32.KILLAV.WLDG、Trojan:Win32/Killav.DR、Trojan:Win32/Killav.DK

検知回避・無効化

KillAV は、セキュリティ製品の停止や無効化を目的とする不正プログラム群の検出名である。Trend Micro と Microsoft の文書では、他のマルウェアに投下されるか、悪質なサイト閲覧時に意図せずダウンロードされる形で端末に入るとされる [s1][s2][s4]。Win64[.]KILLAV.C は指定されたプロセス ID のプロセスを終了させる [s1]。Win32.KILLAV[.]WLDG は、ウイルス対策関連のレジストリキー削除、サービス停止、taskkill による製品プロセスの終了を行い、Image File Execution Options に Debugger を登録して多数のセキュリティ製品の実行も妨げ、実行後に自己削除する [s2]。Killav[.]DR は、セキュリティソフトとファイアウォールのアンインストールを試みる [s4]。Killav[.]DK は、正規のシステムファイルを上書きする DLL として届く場合があり、他のマルウェアを投下・ダウンロードする [s5]。守る側は、セキュリティ製品のサービスやプロセスの突然の停止、関連レジストリキーの削除、IFEO の Debugger 設定の追加を監視すべきである [s2]。akira が使うとされる点は、参考情報にとどまる。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

KILLLAV (vmtools.exe)

別名: vmtools.exe、Trojan.Win64.KILLLAV.I、Trojan.BAT.KILLLAV.H

検知回避・無効化

KILLLAV は、Warlock ランサムウェアの攻撃でセキュリティ製品のプロセスを止めるために使われたトロイの木馬で、vmtools.exe の名で展開される。Trend Micro 製品では Trojan.Win64[.]KILLLAV.I などとして検出される [s2]。攻撃者は共有フォルダ上のバッチファイルから vmtools.exe と log.bat(log.txt に改名)を公開フォルダへコピーして実行し、続けて tm_netagent.exe などの終了コマンドを発行する [s2]。vmtools.exe は log.txt に列挙された主にセキュリティ製品のプロセス名を読み込み、暗号化されたドライバを C:\programdata に googleApiUtil64[.]sy として書き出してサービス登録し、一致するプロセスを 2 秒ごとに 10 分間強制終了する [s2]。守る側は、公開フォルダでの vmtools.exe の実行、不審なドライバのサービス登録、セキュリティ製品プロセスの停止の試みを監視する点が要となる。Trend Micro はエージェントのセルフプロテクションが終了の試みを阻止し、管理コンソールへ報告するとしている [s2]。

使用するグループ

NSecKrnl.sys

別名: NSecKrnl.sys / NSec-Killer、NSec-Killer、NSecKrnl

検知回避・無効化

NSecKrnl.sys は、NSecSoft 社のセキュリティ製品に組み込まれた署名付きカーネルドライバーである [s5]。IOCTL コード 0x2248E0 に PID を指定して送ると、任意のプロセスを停止できる問題が 2025 年 9 月に報告された [s5]。攻撃者は管理者権限を奪取した端末にこのドライバーを持ち込んでインストールし、セキュリティ監視製品のプロセスを止めて検知を回避する。これは脆弱なドライバーを持ち込む BYOVD の手口である [s5][s2]。BYOVD に使われるドライバーは正規用途のものも多く、従来のパターンマッチングでは検出されにくい [s2]。warlock の攻撃では BYOVD やセキュリティ製品の回避の手口が知られているとされる [s1]。守る側は、記載のハッシュ値(MD5・SHA1・SHA256)をドライバー読み込み防止ルールに追加し、LOLDrivers[.]io の情報も参照する [s5]。ドライバーのインストールや管理者権限の取得、認証情報の窃取といった前段の挙動を監視することも有効とされる [s2]。

使用するグループ

RealBlindingEDR(カスタム版)

別名: RealBlindingEDR、RealBlindingEDR customized version、AVB.exe、AVMon.exe

検知回避・無効化

Crypto24 が独自に改造して使うセキュリティ製品の無効化ツールである。元は GitHub 上で公開されたオープンソースの RealBlindingEDR で、署名付きドライバを使いカーネルのコールバックを削除して AV/EDR を無力化する[s5]。Trend Micro は、この改造版が未知の脆弱なドライバを悪用していると考えられるとする[s2]。攻撃では権限昇格の段階で配備され、複数のエンドポイントから AVB.exe、AVMon.exe、avb.exe が見つかった[s2]。Trend Micro 製品を含む多数のベンダー製品からコールバック機能を除去し、検知を妨げる[s2]。元ツールの効果は永続的で、再起動後も続く[s4]。守る側は、Temp\Low や %PROGRAMDATA%\update 配下のこれらのファイル、不審なドライバの読み込み、管理者権限の取得経緯を監視するべきである[s2]。最小権限の徹底とアクセス管理が対策とされる[s1]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

TDSSベースのEDR killer

別名: EDRKillShifter、HeartCrypt packed EDR killer、msimg32.dll EDR killer、Shanya

検知回避・無効化

ランサムウェア攻撃者がEDRやAVを無力化するために使う不正なツールの総称であり、本件ではRansomHubが関わるものとして扱われる。Sophosによれば、RansomHubはEDRKillShifterを作成したが後に新しいツールに置き換えられ、一部のEDRキラーは地下市場で購入されHeartCryptでパックされる[s3]。実行すると署名付きドライバーを読み込み、標的製品のプロセスやサービスを終了させる[s3]。Talosが解析したQilin攻撃のmsimg32.dllは、正規アプリへのDLLサイドロードで起動し、2つのドライバーで300超のEDRドライバーを停止できるとされる[s2]。監視すべき点は、ランダムな5文字名のドライバーやサービスの新規作成、失効した証明書で署名されたドライバー、正規アプリによる不審なDLL読み込みである[s2][s3]。

使用するグループ

TDSSベースのEDR killerの出典

Xkpsm-Killer

別名: Xkpsm Killer

検知回避・無効化

Xkpsm-Killer は、BYOVD(脆弱なドライバーの持ち込み)技法で AV/EDR を無効化する PoC 集 BlackSnufkin/BYOVD に含まれる Rust 製の EDR キラーである。JiranJikyosoft の X-Keeper が持つ xkpsm ドライバーを対象とする [s2]。同リポジトリは脆弱なドライバーを悪用してセキュリティ製品を止める手法の教育・研究目的の PoC 集とされ、各キラーは対応する .sys ファイルを実行時に読み込む [s2]。Sophos は、The Gentlemen ランサムウェアの侵入で C:\PerfLogs に EDR キラーとその脆弱なドライバーが置かれたと報告している [s1]。ただし文書は、この事案で Xkpsm-Killer が使われたとは明記していない。守る側は、C:\PerfLogs のような管理者の目が届きにくい正規ディレクトリへの実行ファイルやドライバーの配置を監視するとよい [s1]。また LOLDrivers や Microsoft 推奨のドライバーブロックルールを参照した、脆弱ドライバーの読み込み制限も勘所となる [s2]。

使用するグループ

ポリモーフィック型マルウェア

別名: カスタム情報窃取コンポーネント、ポリモーフィックマルウェア、多形性マルウェア

検知回避・無効化

ポリモーフィック型マルウェアは、コードや外観を変化させて検出を逃れる悪意あるソフトウェアの総称であり、特定の単一製品ではない[s1]。暗号化キーを用いて外観を変え、復号ルーチンは変化しないとされる[s1]。ランサムウェアの攻撃では、初期アクセスでの検知回避、正規プロセスへの偽装、横展開、ペイロードの難読化、データ窃取に使われるとされる[s3]。ailock と devman2 が使うとされる点は、アクター解説の参考情報による。守る側は、シグネチャ検知が効きにくいため[s1]、行動ベースの検知と EDR、機械学習による検知を用いるべきである[s1][s2]。あわせて、不審なメールのブロック、多要素認証、既知の脆弱性の修正、感染時のシステム隔離が挙げられている[s1]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

その他 7 件

data.bin

その他

data.bin は、攻撃グループ cephalus が使うとされるファイル名である。文書 s2 の ANY[.]RUN 解析レポートには同名の PE32 実行ファイルが「Malicious activity」と判定され、トロイの木馬を示す trojan と nymaim のタグが付いている [s2]。2018年7月の解析では、WMPSideShowGadget.exe(PID 2500)が C2 サーバーに接続し、プログラムのディレクトリ内にファイルを作成した [s2]。ただし、文書にはこのファイルと cephalus との関係や、攻撃の中での使われ方は書かれていない。守る側は、正規のプロセス名に見える実行ファイルが外部の C2 へ通信しないか、プログラムのディレクトリに不審なファイルが作られないかを見るべきである [s2]。なお、文書 s3 では bin が「汎用バイナリデータ」の拡張子として扱われており [s3]、同名のファイルが必ずしも同一の不正プログラムとは限らない。

使用するグループ

data.binの出典

FDDOS (Scorpion DDoS Tool)

別名: FDDOS、Scorpion DDoS Tool

その他

FDDOS(Scorpion DDoS Tool)は、FunkSec が配布する補助ツールの一つで、Python 製のネットワーク負荷試験ツールとされ、DDoS 攻撃の実行を目的に設計され、HTTP フラッドと UDP フラッドの手法に対応する[s3]。FunkSec はランサムウェア本体のほか、複数のツールを無償で配布することが多く、ハクティビストの手口に沿うとされる[s3]。DDoS 攻撃は、大量の通信でサービス提供を妨げる攻撃であり、抗議活動や金銭目的の脅迫にも使われる[s1]。また実際の侵入を隠す陽動として働くことがあるため、攻撃中は端末やワークロードのテレメトリで便乗侵入の兆候を監視すべきとされる[s2]。守る側は、レート制限、WAF、CDN、クラウドのスクラビングサービスなどで対処する[s2][s4]。HTTP フラッドは正規の利用者の挙動に似るため、通常時のトラフィックを基準にした異常検知が有効とされる[s2]。

使用するグループ

HARDRAIN

その他

HARDRAIN は北朝鮮政府が使用したとされる Windows 向けのトロイの木馬型マルウェアである[s2]。2018年2月に FBI と国土安全保障省(DHS)が共同の解析報告 MAR-10135536-F で公表し、同報告では BADCALL とともに Hidden Cobra(Lazarus Group)の作とされる[s3][s4]。報告が扱った 32 ビット Windows 実行ファイルはプロキシサーバーとして働き、「Fake TLS」方式で通信する。感染端末を中継点にして C2 通信を隠し、攻撃者が侵入先に居座りネットワーク侵害を広げるのを助けるとされる[s4]。cmd.exe 経由で netsh を実行し、Windows ファイアウォールに TCP 443 の受信許可を追加して 443 番ポートで待ち受ける[s2]。守る側は、端末が 443 番で待ち受けていないか、netsh によるファイアウォール設定変更がないかを確認する。報告は、ウイルス対策の定義更新、個人用ファイアウォールの有効化、不要サービスの無効化、不審な添付ファイルの検査を挙げ、関連活動は NCCIC か FBI CyWatch へ報告するよう求めている[s4]。

使用するグループ

HARDRAINの出典

LockBit 3.0 builder

別名: LockBit Black builder、LockBit 3.0 ransomware builder、builder.exe

その他

LockBit 3.0 builder は、ランサムウェア LockBit 3.0(別名 LockBit Black)の暗号化プログラムと復号プログラムを生成するビルダー一式である。2022年9月に開発者の一人が漏えいさせたとされ [s5]、GitHub からも入手できると報じられた [s4]。builder.exe、鍵生成用の keygen.exe、設定ファイル config.json などで構成される [s4][s5]。Build.bat を実行すると、ビルドごとに固有の鍵と、EXE・DLL 形式の暗号化プログラム、復号プログラムが出力される [s4]。config.json では暗号化対象フォルダ、除外対象、停止するプロセスやサービス、C2 などを指定できる [s4]。漏えい後は、このビルダー由来の LockBit 3.0 を使う新しい攻撃グループが現れたとされる [s4]。守る側は、-pass 引数や LocalServiceNetworkRestricted 権限での実行 [s2]、シャドウコピーの削除 [s2]、GPO や PsExec による拡散 [s2] などの挙動を監視対象とするとよい。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

LockBit 3.0 builderの出典

MrAgent

その他

MrAgent は RansomHouse が使うランサムウェア展開の管理ツールである。大規模環境での配信の自動化や、複数のハイパーバイザーへの同時展開を行えるとされる[s2]。ESXi 版と Windows 版があり、流れはほぼ同じである[s4]。攻撃者は侵入後、被害組織の ESXi に MrAgent を設置し、攻撃者の C2 サーバーとの持続的な接続を確立させる[s3]。起動時にホスト識別子を作り、ESXi のファイアウォールを無効化したうえで JSON 形式の指示を待つ[s4]。指示には、root パスワードの変更、vCenter の遠隔管理の停止、仮想マシンの順次停止、暗号化の実行などがある[s4]。暗号化には Mario エンクリプターが使われる[s3]。守る側は、ESXi でのファイアウォール設定変更や vCenter エージェント停止、仮想マシンの連続停止を監視し、ハイパーバイザーから見知らぬ外部への JSON ハートビート通信を検知する必要がある[s4]。ESXi は専用セグメントに隔離し、パッチ適用と最小権限を徹底する[s5]。

使用するグループ

MrAgentの出典

ROAMINGHOUSE

その他

ROAMINGHOUSE は、MITRE ATT&CK に Software ID S9026 で登録されているマルウェアである [s5]。Trend Micro の 2024 年 11 月の調査報告(Earth Kasha のスピアフィッシング活動)が出典として挙げられている [s5]。攻撃での使われ方として、特定のマウス操作やユーザーの活動を確認してから不正な動作を開始できるとされる [s5]。これは仮想環境やサンドボックスでの解析を避けるための手法で、ユーザー活動に基づく確認(T1497.002)に分類されている [s5]。守る側は、ユーザーのログオンやロック解除の直後に、デスクトップのファイルやレジストリ履歴などユーザー活動の痕跡を調べるプロセスがないか、Sysmon のプロセス作成(EventCode=1)・プロセスアクセス(EventCode=10)と Security ログ(EventCode=4800、4801)で確認する点が検知の手掛かりとされる [s5]。

使用するグループ

ROAMINGHOUSEの出典

wraithnet_bot.exe

別名: WraithNet

その他

wraithnet_bot.exe は、ランサムウェア運営グループ Tengu の侵入で C:\Windows\System32\ に置かれるファイルの一つである。controller_gui.exe、controller_console.exe、wraithnet.log と同時に確認されている [s5]。Tengu は 2025年10月に現れた RaaS 運営で、二重脅迫を行う [s3][s5]。このファイルの機能は文書に記載がなく、WraithNet 関連の成果物が攻撃者の操作用ツールか、暗号化処理の一部か、別個の部品かは不明とされる [s5]。レジストリ Run キーの値名 WraithNet が永続化に使われ、実行ファイルはユーザーの一時ディレクトリを指す [s5]。守る側は、System32 配下の上記ファイル名、Run キー WraithNet・SystemSecurityMonitor・WindowsSecurityUpdate、ユーザー一時ディレクトリからの実行を検知の軸にするとよい。ホスト上の痕跡が最も確実な手掛かりとされる [s5]。

使用するグループ

正規ツール(攻撃に悪用)

ローダー・ドロッパー 3 件

OneDriveStandaloneUpdater.exe

別名: OneDriveStandaloneUpdater

ローダー・ドロッパー

OneDriveの更新を担うMicrosoft製の正規実行ファイルである[s1]。攻撃者はこれをDLLサイドローディングに悪用し、悪意あるDLLを読み込ませて内部ネットワークへのアクセスを得た[s1]。Black Bastaの事例では、cabから展開したwinhttp.dllなどと共にOneDriveフォルダ内へ配置され、cmd.exe経由で「-Embedding」付きで非対話的に実行された[s2]。サイドロードされたwinhttp.dllはローダ型マルウェアで、settingsbackup.datからバックドア型マルウェアを復号するとされる[s2]。Sophosは、常駐化と認証情報の窃取、ネットワーク資源の探索を可能にするサイドローディングDLLを備えた正規のMicrosoftアップデータが展開されたと報告している[s3]。守る側は、OneDriveフォルダ内に置かれた不審なDLLの有無と、同ファイルがコマンドラインから起動される挙動に注目すべきである[s2]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

SentinelBrowserNativeHost.exe

別名: SentinelBrowserNativeHost

ローダー・ドロッパー

SentinelOne 製品に含まれる正規の実行ファイルである[s3]。Cephalus ランサムウェアの攻撃では、これをユーザーの Downloads フォルダから起動し、DLL サイドローディングによって SentinelAgentCore.dll を読み込ませ、さらに data.bin(ランサムウェア本体のコードを含む)を実行させる手口に使われた[s3][s5]。正規バイナリを使うため検知されにくくなるとされる[s5]。起動後は vssadmin によるシャドウコピー削除などが子プロセスとして続く[s3]。守る側は、MFA のない RDP の遮断に加え、セキュリティ製品の正規実行ファイルが想定外の場所で動く挙動を監視する必要がある[s4]。Huntress の調査では、通常環境で SentinelOne 製品は広く使われている一方、Downloads フォルダ内の同名ファイルは検索で見つからなかった[s3]。

使用するグループ

SentinelBrowserNativeHost.exeの出典

wget

別名: GNU Wget

ローダー・ドロッパー

wget は curl、chmod、ssh などと並び、Linux ディストリビューションに標準で同梱されるユーティリティである[s2]。トレンドマイクロは、攻撃者がこれらの同梱ツールを悪用していることを自社のハニーポットとテレメトリで確認している[s2]。Linux への攻撃は、脆弱性を悪用した初期侵入の後、環境の探索、情報の窃取、コインマイナーのダウンロードなどへ進むとされる[s2]。同じ報告で、curl は GitHub から XMRig の実行ファイルを取得する用途に使われており[s3]、wget も同種の取得手段として挙げられている[s2]。守る側は、コンテナ環境にこうしたユーティリティが存在すること自体が攻撃者に別の手段を与えると考え、備えを検討すべきである[s3]。また、悪用の検知は静的な指標やツールの遮断だけに頼らず、実行の文脈や通信先など振る舞いの相関で行う必要がある[s4]。

使用するグループ

wgetの出典

C2 フレームワーク 8 件

AdaptixC2

別名: Adaptix C2、Adaptix Framework

C2 フレームワーク

AdaptixC2は、侵入テスト担当者向けに作られたオープンソースのポストエクスプロイト/攻撃者エミュレーション用フレームワークである。GitHubで無償公開され、サーバーはGolang、GUIクライアントはC++とQtで書かれている [s3][s5]。開発に最も多くコミットしているのは「RalfHacker」を名乗る人物とされる [s5]。2025年5月、Unit 42は複数の感染で使われたことを確認した。攻撃者はコマンド実行、ファイル転送、データ窃取、足場の維持、横方向移動に用い、SOCKS4/5やポート転送でも通信を維持する [s3]。偽ヘルプデスクを装ったTeams経由でクイックアシストを使わせ、PowerShellローダーでメモリ上にシェルコードを展開して導入した例がある [s4]。Akiraランサムウェアのアフィリエイトによる利用も報告されている [s5]。守る側は、RC4で暗号化された設定を抽出して通信先を割り出すこと、HTTP・SMB名前付きパイプ・TCPの各ビーコン通信を監視すること、クイックアシスト等のRMMツールの利用を制限することが勘所となる [s3][s4]。

使用するグループ

Brute Ratel

別名: Brute Ratel C4、BRc4、Badger

C2 フレームワーク

Brute Ratel は開発者 Chetan Nayak 氏による有償のレッドチーム向け攻撃シミュレーション用 C2 フレームワークである。2020年12月に登場し、Badger と呼ばれるリモートアクセスエージェント、サーバー、commander と呼ばれる操作画面から成る [s5][s3]。本来は侵入テストで組織の検知・対応能力を高めるために使われる [s1]。black-suit 関連の解説では、Black Basta 関連の攻撃で QAKBOT が第二段階として投下し、DLL を rundll32.exe 経由で実行して C2 へ HTTPS でチェックインし、SharpHound による Active Directory 情報の収集にも使われた [s1]。EDR 回避を謳い、Cobalt Strike より検出範囲が狭いため攻撃者に好まれるとされる [s1][s3]。ただし Sophos の観測では実攻撃での検出は稀であった [s3]。守る側は、QAKBOT 由来の wermgr.exe や rundll32.exe の不審な子プロセス、svchost.exe 等へのコード注入、HTTPS での不審な外部通信を監視すべきである [s1][s4]。

使用するグループ

Brute Ratel C4

別名: Brute Ratel、BRc4、Badger

C2 フレームワーク

Brute Ratel C4 はインド在住のChetan Nayak氏が2020年12月に公開した有償のレッドチーム向け攻撃シミュレーション・C2フレームワークである[s4]。Badgerと呼ばれるリモートアクセスエージェント、サーバー、commanderというUIで構成される[s3]。本来は侵入テストの専門家が検知・対応力を高めるために使う[s1]。攻撃では、QAKBOT感染後の第二段階ペイロードとしてDLLが投下され、HTTPSでC2にチェックインして偵察を進めた事例がある[s1]。EDRやAVの回避を売りとし[s4]、ISOに同梱したDLLをOneDriveのUpdaterに読み込ませる手口でも配布された[s4]。検出数はCobalt Strikeより少ないが、標的を絞る攻撃者による悪用が確認されている[s3]。守る側はスクリプトやISO経由の展開、rundll32.exeによるDLL実行、notepad.exeなどへのBadger注入、C2通信を挙動ベースで検知することが要点となる[s1][s3]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Havoc

別名: Havoc Framework、Havoc Demon、Demon

C2 フレームワーク

Havoc は C5pider が開発し 2022 年に公開したオープンソースのポストエクスプロイト用 C2 フレームワークである。GitHub で公開され、C、C++、Go など複数言語で書かれている[s1][s4]。サーバーはチームサーバー、操作画面はクライアント、被害端末で動く実行体は Demon と呼ばれ、HTTP、HTTPS、SMB で通信する[s1]。攻撃では侵入後の遠隔操作に使われる。Fortinet の事例では、偽の conhost.exe がタスクスケジューラから起動され、暗号化された Havoc を cmd.exe に注入して実行した[s1]。Huntress の事例では、偽のIT サポート電話から DLL サイドローディングで改変 Demon が配置され、間接システムコールで EDR を回避した[s3]。Zscaler の事例では、ローダーが ETW を無効化してシェルコードを実行した[s4]。守る側は、タスクスケジューラへの不審な登録、偽装した conhost.exe、cmd.exe へのコード注入、ETW の改ざん、レジストリに保存された C2 設定を確認するべきである[s1][s3][s4]。

使用するグループ

Havocの出典

Havoc C2

別名: Havoc、Havoc Framework、Havoc Demon

C2 フレームワーク

Havoc は C5pider が開発し 2022 年に公開した、GitHub 上のオープンソースのポストエクスプロイト C2 フレームワークである [s2]。サーバーはチームサーバー、操作画面はクライアント、侵害端末で動くエージェントはデーモンと呼ばれる [s2]。本来はセキュリティ評価向けのツールであるが、攻撃者が侵害後の遠隔操作に使う。デーモンは HTTP、HTTPS、SMB で通信し [s2]、プロセス列挙、ファイルの取得・送り込み、cmd.exe や PowerShell の実行、DLL やシェルコードのインジェクションを行える [s5]。実際の侵入では、タスクスケジューラ登録の偽 conhost.exe が cmd.exe へ復号したペイロードを注入した例 [s2]、偽のIT サポート電話から DLL サイドローディングで配布された改変版の例 [s3] がある。守る側は、正規名を装う実行ファイルとタスク登録、cmd.exe への不審な注入、既定パターンを外した改変版を前提にした挙動検知、レジストリ内の C2 設定を見るべきである [s2][s3]。

使用するグループ
関連する分析

Havoc C2の出典

Mythic

C2 フレームワーク

Mythic は、侵入後の操作に使われるポストエクスプロイト用のフレームワークである。文書では、Cobalt Strike と並ぶ「新しいフレームワーク」の一つとして AdaptixC2 とともに挙げられている[s5]。本来はレッドチーム演習などペネトレーションテストで使う種類のツールであり、攻撃者が実際の攻撃に転用する例がある[s1]。Google Threat Intelligence Group の分析では、ランサムウェア攻撃で権限昇格や横展開に使うポストエクスプロイトツールとして、Cobalt Strike が2021年の約60%から2025年の2%に減り、攻撃グループが MYTHIC などへ移行しているとされる[s5]。守る側は、ツールの存在だけで判断せず、業務上の利用か、利用時間帯が不審でないか、近い時間帯や環境に別の不審なテレメトリがないかという観点でログを分析する必要がある[s1]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Sliver

別名: Sliver C2

C2 フレームワーク

Sliver は Bishop Fox が構築したオープンソースのクロスプラットフォーム型の攻撃者エミュレーション/レッドチーム向け C2 フレームワークであり、2019年末に公開され GitHub で入手できる [s3][s4]。本来はセキュリティ専門家が評価でハッキングした端末を遠隔操作するために使う [s4]。攻撃では侵入後の第2段階ペイロードとして使われ、Cobalt Strike と併用または代替される [s3][s4]。BumbleBee ローダーの感染後に導入される例や、APT29 / SVR による使用が報告されている [s3][s4]。インプラントは Go 言語製で mTLS、HTTP(S)、DNS などで通信する [s3][s4]。守る側は JARM ハッシュや HTTP ヘッダーの組合せといったインフラ上の特徴を調べるほか、難読化された設定がメモリ上で復号される点を突いたメモリスキャンを行うとよいとされる [s3]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

The Open Network (TON)

別名: TON、Telegram Open Network

C2 フレームワーク

The Open Network(TON)は、Telegram が Telegram Open Network の名称で開発を始め、現在は TON Foundation を中心に開発・運営されているブロックチェーンプラットフォームである[s2]。SafePay は Tor 秘匿サービスと TON ネットワークの両方に C2 インフラを置き、ランサムウェアの身代金要求文書にも Tor/TON の通信リンクを記載し、リークサイトも両ネットワークに設けるとされる[s3][s4]。別のキャンペーンでは、マルウェア TONResolver が C2 ドメインを TON スマートコントラクトに保持する「デッドドロップリゾルバー」として悪用しており、攻撃者は稼働中のサーバがブロックや停止をされても接続先を差し替えられる[s1][s2]。これは静的解析だけでは通信先を特定しにくい手法とされる[s2]。守る側は、感染端末が攻撃者の命令を待つ Keepalive 状態に入り続ける点に注意し[s1]、メールの経路に加え、スクリプトが TON を解決先に使う通信を調べる必要がある。SPF・DKIM・DMARC だけでは受信を防げなかった事例がある[s2]。

使用するグループ

The Open Network (TON)の出典

侵入テスト用フレームワーク 8 件

Certipy

侵入テスト用フレームワーク

Certipy は Oliver Lyak(ly4k)が GitHub で公開している、Active Directory Certificate Services(AD CS)向けの列挙・悪用ツールである [s4]。AD CS は AD 環境で公開鍵基盤を構成するサーバーロールで、証明書の発行は通常の管理機能として正常な通信に紛れやすい [s2][s3]。Certipy は ESC1 のような脆弱な証明書テンプレートの特定と、ユーザーになりすました証明書の要求に使われる [s1]。取得した証明書で特権ユーザーとして認証し、さらなる攻撃に進める [s1]。侵害後は certipy ca -backup で CA の秘密鍵を持ち出し、偽造証明書(Golden Certificate)による永続化に使える [s4]。この操作では CA サーバー上に一時的な Windows サービスが作られ、certutil.exe が実行され、SMB で鍵ファイルが取得される [s4]。守る側は、CA での証明書要求・発行イベント(4886、4887)や DC のチケット要求イベント(4768)を確認する [s2]。CA 上の想定外のサービス作成や CA への異常な SMB 通信も兆候となる [s4]。証明書テンプレートと登録権限の見直しも必要である [s1]。

使用するグループ

Certipyの出典

Cobalt Strike

別名: CobaltStrike、コバルトストライク、Cobalt Strike Beacon

侵入テスト用フレームワーク

Cobalt Strike は Strategic Cyber LLC が開発・ライセンス供与する商用のペネトレーションテスト用エクスプロイトプラットフォームである [s5]。2012年に発表され、2015年の 3.0 でスタンドアロンの攻撃者エミュレーション基盤となった [s3]。本来はレッドチームやペンテスターが攻撃者の活動を再現するために使う [s3]。攻撃では「ビーコン」が侵害端末と C2 の持続的な通信を担い、コマンド実行、認証情報の収集、権限昇格、ラテラルムーブメント、データ窃取、ランサムウェアの展開に使われる [s4]。初期ペイロードとしても、ローダーが読み込む第2段階としても配布される [s3]。ISO 内の DLL ローダーと LNK で実行された例もある [s1]。守る側は、既定の TLS 証明書、チームサーバーの既定ポート 50050/TCP、NanoHTTPD 由来の応答などを手掛かりにサーバーを特定できる [s5]。ただしカスタムビルドには独自のシグネチャが要る [s3]。

Cursor Agent

別名: Cursor、Cursor AI

侵入テスト用フレームワーク

Cursor Agent は、ソフトウェア開発者が複雑なコーディング作業の自律実行、端末コマンドの実行、コード編集に使う AI コーディングエージェントである[s2]。Cursor は Anysphere が提供し、SpaceX による買収が報じられている[s3][s5]。Aurora ランサムウェアの運用者は、侵入後の段階で本ツールに Claude Sonnet(claude-4.5-sonnet-thinking)を動かさせ、認証情報か既存の侵入経路を与えて作業させた[s4]。作業には VPN クライアントや proxychains の設定、Nmap・NetExec による内部サブネットの走査、BloodHound コレクタによる権限列挙、PetitPotam などによる NTLM リレー、Certipy による証明書攻撃が含まれる[s4]。多くのコマンドは初回で失敗し、修正を重ねたとされる[s4]。守る側は、コーディングエージェントのセッションを監視対象かつ権限を絞る対象とし[s3]、許可アプリの制限や常時管理者権限の排除など、AI の外側で制御するべきとされる[s1]。

使用するグループ

Cursor Agentの出典

GodPotato

別名: GodPotato.exe

侵入テスト用フレームワーク

GodPotato は、Windows の権限昇格手法「Potato」系統に属する、比較的新しい広範な亜種である[s5]。JuicyPotato、RoguePotato、PrintSpoofer などと並べて紹介されている[s5]。サービスアカウントが持つ SeImpersonatePrivilege を悪用し、SYSTEM 権限の取得を狙う[s5]。高権限プロセスに攻撃者の用意した待ち受けへ認証させ、そのトークンを偽装して NT AUTHORITY\SYSTEM のシェルを起動する[s5]。IIS や SQL のサービスアカウントとして侵入した後の昇格手段とされる[s5]。守る側は、パッチ適用、不要なアカウントからの SeImpersonatePrivilege の除去、最小権限のマネージドサービスアカウントの利用、ネットワーク分離を行う[s5]。名前付きパイプとトークン偽装のパターンの検知も有効とされる[s5]。

使用するグループ

GodPotatoの出典

Metasploit

別名: Metasploit Framework、msfconsole、Meterpreter

侵入テスト用フレームワーク

Metasploit は H.D. Moore が 2003 年に始め、2009 年に Rapid7 が取得したオープンソースのペネトレーションテスト用フレームワークである。Ruby ベースで、2025 年時点でエクスプロイト 2,300 以上、補助モジュール 1,200 以上、ポストエクスプロイト 400 以上を含む [s4][s5]。本来は脆弱性が実際に悪用可能かを管理された環境で検証し、防御側を訓練する用途に使われる [s2][s4]。攻撃では、脆弱性を突いた侵入や、Meterpreter などのペイロード配送、侵入後の資格情報の収集・横展開・永続化に使われうる [s4]。MITRE ATT&CK は CopyKittens や Magic Hound による入手・利用を記録している [s4]。守る側は、承認された試験と実攻撃の双方で Metasploit 由来の挙動を検知対象とし、Meterpreter など既知ペイロードの挙動を検知ルールや脅威ハンティングに反映するとよい [s4]。

使用するグループ

Metasploitの出典

Meterpreter

別名: Metasploit Meterpreter

侵入テスト用フレームワーク

Meterpreter はペネトレーションテスト用フレームワーク Metasploit の主力ペイロードである[s1]。Metasploit はオープンソースで、脆弱性の検証やエクスプロイトの開発・実行に使われ、攻撃者と防御側の双方が利用する[s5]。本来は侵入テストで対象機を遠隔操作するための道具である。攻撃では、被害端末で目に見えないシェルを動かし攻撃側へ通信経路を確立して操作する[s1]。コマンドシェル、ファイル送受信、ネットワーク調査、画面取得、キーロギング、ポートフォワード、権限昇格が可能で、Mimikatz をメモリ上に読み込んでハッシュや平文パスワードを取得できる[s1]。ディスクへ書き込まず、侵害したプロセスへ自身を注入して別プロセスへ移ることもできる[s1]。ウクライナ政府機関への攻撃では、ISO 内の LNK から PowerShell を実行する感染連鎖で配布されたとされる[s5]。防御側は、HTTP の C2 通信とビーコン、メモリ上の痕跡、侵入後のモジュール動作を手掛かりにできる[s3]。振る舞いの検知も有効とされる[s1]。

使用するグループ

Meterpreterの出典

PowerShell Empire

別名: Empire

侵入テスト用フレームワーク

PowerShell Empire は、2015年の BSides Las Vegas で初めて示された、レッドチーム要員向けのポストエクスプロイト(侵入後の操作)フレームワークである。ペネトレーションテスターが攻撃者の挙動を模擬するために用いる。元のプロジェクトは2019年に開発を終えたが、BC-SECURITY が派生版を保守しているとされる [s3]。実際の攻撃者も悪用しており、CISA は侵害後に横展開を行うフレームワークとして挙げ、ランサムウェア事案との関連も指摘される [s1][s3]。PowerShell 攻撃用のペイロードを素早く作る用途でも悪用される [s4]。通信は Web ベースで、Malleable C2 プロファイルにより特性を自在に変えられるため、シグネチャ方式の検知は十分に効かない [s3]。守る側は、C2 通信の機械学習による検知に加え、PowerShell の実行やリモート呼び出しの挙動を監視することが勘所となる [s3][s4]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

PowerSploit

別名: Invoke-Shellcode.ps1

侵入テスト用フレームワーク

PowerSploit は、GitHub で公開されているオープンソースのツールである[s1]。リモートのコンピュータ上でファイルやコマンドを実行するためのツールで、ペネトレーションテストなどに利用される[s1]。攻撃ではマルウェア感染の段階で悪用される。JPCERT/CC が確認した ChChes の事例では、ショートカットファイルから取得される PowerShell スクリプトが PowerSploit の Invoke-Shellcode.ps1 の一部を流用しており、ChChes のコードを powershell.exe にインジェクションして、ファイルを残さずメモリ上のみで動作させる[s1]。EmpireとともにPowerShell攻撃のペイロードを素早く作成できる攻撃的フレームワークとしても挙げられる[s4]。守る側は、PowerShell v5.0 環境ではリモートから取得したスクリプトがイベントログに記録されるため確認し、v4.0 ではスクリプトブロックのログ記録をグループポリシーで有効にする[s1]。PowerShell を使わない環境では AppLocker などで実行を制限する[s1]。

使用するグループ

リモートアクセス 22 件

AnyDesk

別名: AnyDesk.exe、ANYDESK.exe

リモートアクセス

AnyDeskは、Windows、macOS、Linuxなど異なるOS間で双方向のリモート操作ができる正規のリモートデスクトップソフトである。ファイル転送、クライアント間チャット、セッション記録の機能も持つ[s2]。本来はIT部門が社内環境を遠隔で管理するために使われる[s4]。攻撃では、侵入後にTeamViewerやngrokなどと並べて導入され、予備の遠隔接続経路として使われた例がある。PowerShellスクリプトで導入された例も報告されている[s3]。Mad Liberatorは接続要求を社内IT部門の保守と思い込ませて承認させ、ファイル窃取に使った。入力無効化機能も悪用された[s4]。守る側は、公式サイト以外から入手したバイナリがないか、v8.0.8より前の古い版がないかを確認する[s5]。接続元を限定するアクセスコントロールリストを導入する。connection_trace.txtやad_svc.traceなどのログも調査対象となる[s4]。

AnyDeskの出典

Atera

リモートアクセス

Atera は Atera Networks が開発した遠隔監視・管理(RMM)ツールである[s1]。本来は遠隔でのデスクトップ操作など、ネットワーク上の PC を管理する用途で使われる[s1]。攻撃では、正規の遠隔操作ツールとして悪用され、PC の遠隔操作に使われる[s1]。Medusa ランサムウェアの攻撃でも、検知を避けるために悪用された遠隔アクセスツールの一つに挙げられている[s3]。Huntress の報告では、不審な Atera RMM の活動に続く事例の 50% 超がランサムウェア攻撃に直接関連するとされる[s5]。守る側は、ツールの存在自体ではなく、自社の業務で使っている正規のツールか、利用時間帯が不審でないか、近い時間帯や環境に不審なテレメトリがないかを確認する必要がある[s1]。Huntress は、通常時の活動の基準を定めて異常を監視し、未許可の遠隔アクセスを素早く見つけることを挙げている[s5]。

使用するグループ

Ateraの出典

Chrome Remote Desktop

別名: Google Remote Desktop、Chrome Remote Desktop Host、remoting_start_host.exe

リモートアクセス

Chrome Remote Desktop は Google が提供する正規のリモートデスクトップソフトであり、Google アカウントがあれば無料で使え、独自プロトコルで HTTPS と WebRTC を使って通信するとされる[s2]。本来は遠隔操作用だが、Kimsuky は侵害した端末の GUI 操作のためにこれを導入した[s4]。導入スクリプトは fodhelper.exe で UAC を回避し、管理者権限でバッチから MSI を実行する[s4]。レッドチーム解説では、未文書化の --pin 引数で PIN を指定し GUI 操作なしで登録できるとされる[s2]。Red Canary は 2025 年に悪用された RMM の一つに挙げている[s3]。守る側は AppLocker などの許可リストで無許可の導入を防ぎ、「Chrome Remote Desktop Host」の存在を確認する[s2]。承認済み RMM を把握して基準とし、それ以外の実行を制限する[s3]。

使用するグループ

ConnectWise ScreenConnect

別名: ConnectWise、ScreenConnect

リモートアクセス

ConnectWise ScreenConnect は ConnectWise 社が提供するリモート監視・管理(RMM)ソフトウェアである[s3]。多くの企業やマネージドサービスプロバイダーで使われている[s4]。2024年2月19日に認証回避(CVE-2024-1709)とパストラバーサル(CVE-2024-1708)の脆弱性が公表され、バージョン23.9.7以前が影響を受ける[s1]。この脆弱性を悪用してランサムウェアが展開されており、Black Basta 関連の Cobalt Strike ビーコンの配備や LockBit ビルダー由来のランサムウェアの配布が確認された[s1][s4]。攻撃者はサーバーだけでなくクライアント導入端末にもマルウェアを展開している[s4]。守る側は23.9.8以降へ更新し、更新前に置かれたウェブシェルは残るため調査する。users.xml の新規アカウントや Extensions 配下の .ps1/.bat/.cmd も確認する[s3]。

使用するグループ

Datto RMM

別名: CentraStage、CagService

リモートアクセス

Datto RMM は、マネージドサービスプロバイダー(MSP)が顧客のネットワークやエンドポイントを遠隔から監視・管理するための RMM 製品である[s1]。開発元の Datto の親会社は Kaseya とされる[s4]。本来は管理対象端末の監視、パッチ適用、ソフトウェア更新、リモートサポートに使われる[s5]。攻撃では、署名付きの正規エージェントが Zoom や Teams を装うフィッシングで「更新プログラム」として配られ、端末の管理者権限での遠隔操作に使われた[s3]。偽の Adobe インストーラーや請求書を装う例もあり、CentraStage 配下への導入、CagService の登録、Run キーの変更で永続化し、画面操作、ファイル転送、コマンド実行を HTTPS 443 で行う C2 経路になった[s4]。正規の通信に紛れるため通常の監視では検知されにくい[s4]。守る側は、Datto RMM を使わない組織での 03cc.centrastage[.]net への送信遮断、承認外端末での CagService の探索、Run キーの確認が要点とされる[s4]。利用組織ではデバイス承認機能の有効化や、ログイン元 IP の制限が推奨される[s5]。

使用するグループ

Datto RMMの出典

LogMeIn

別名: LogMeIn Resolve、GoTo Resolve、GoToResolve

リモートアクセス

LogMeIn(現行製品名 LogMeIn Resolve、旧称 GoTo Resolve)は、IT部門向けの遠隔監視・管理(RMM)基盤であり、遠隔デスクトップ操作、端末管理、パッチ配布、スクリプト実行を提供する正規ツールである[s2]。トレンドマイクロは、ネットワーク上のPCの遠隔操作に悪用される例として挙げている[s1]。攻撃者は初期侵入後、自身の CompanyId を設定した正規インストーラーをサイレントインストールし、端末を攻撃者のテナントへ自動登録させる[s2][s3]。専用のマルウェアやC2サーバーが不要になり、横展開や偵察、ランサムウェア展開準備に使われる。Royal/BlackSuit や Akira が使用したとされる[s2]。フィッシング経由の配布も確認されている[s3][s5]。守る側は、承認済みRMMの許可リストで未承認ツールの実行を制限し、導入済みツールを棚卸しして基準を把握すること、不審な登録アカウントや、権限を拡大されたサービス、再起動用の隠しタスクを監視することが勘所である[s4][s2][s5]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

関連する分析

LogMeInの出典

N-able N-central

別名: N-Able、N-central、N-able N-central RMM

リモートアクセス

N-able社が提供するリモート監視・管理(RMM)プラットフォームである。マネージドサービスプロバイダや社内IT部門が、コンピュータネットワークの管理、パッチ適用、サーバやエンドポイントへの遠隔アクセスに用いる[s5][s4]。認証バイパスの脆弱性 CVE-2026-18577 が2026年7月31日からゼロデイとして悪用され、攻撃者は管理者権限を得た後、組み込みの Take Control 機能で管理下の端末に入り込み、Cloudflare トンネルを設置して永続化した[s1][s3][s4]。バックアップサーバやドメインコントローラへのアクセス、AnyDesk や TacticalRMM などの追加RMMの展開にも使われ、ランサムウェア展開に至った事例がある[s1][s5]。Microsoft は Storm-1175 による悪用を指摘している[s4]。守る側はホットフィクスを適用し、管理・サービスアカウントの認証情報を更新し、不正なリモート操作セッション、未知のアカウントやサービス、Cloudflare トンネルを調べるべきである[s5]。

使用するグループ

NinjaOne

別名: NinjaOne RMM、NinjaOne Agent

リモートアクセス

NinjaOneは、エンドポイント管理・可視化・セキュリティ機能を提供するITプラットフォームであり、RMM(遠隔監視・管理)やパッチ管理を含む[s1]。本来はITチームが端末の監視、リモートシェル、ファイル転送、ソフトウェア配布、パッチ適用、自動化を行うための製品である[s5]。攻撃ではMedusaランサムウェアの攻撃者が、検知回避のために悪用する正規リモートアクセスツールの一つとして挙げられている[s2]。ブラジル組織を狙うフィッシングでは、「Documento Fiscal」などを装ったページから、攻撃者の管理先に接続するよう設定された署名付きインストーラーが配布され、偵察や持続的な遠隔操作、ツール展開、横展開に使われうるとされる[s4][s5]。守る側は、未承認のRMMのインストールを厳格に制限し、予期しないソフトウェア展開を監視する。感染端末は直ちに隔離し、導入経緯と監査ログを確認する[s4]。RMMのインストールは許可リスト方式で管理する[s5]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Pulseway

リモートアクセス

Pulsewayは、システムの遠隔監視・管理(RMM)を行う正規のツールである[s1]。CISAの助言文書は、Scattered Spiderが悪用した正規ツールの一覧にこれを挙げ、本来の用途を「システムの遠隔監視と管理」としている[s1]。同グループは社内IT・ヘルプデスクを装い、従業員に市販のリモートアクセスツールを実行させて初期侵入を得るとされ、ネットワーク侵入後も公開されている正規のリモートアクセス/トンネリングツールを使うことがFBIにより確認されている[s1]。守る側は、正規ツールの利用そのものは悪意の証拠にならないため、IOCやTTPと照らして侵害の有無を判断する必要がある[s1]。対策として、ソフトウェアの実行を管理するアプリケーション制御の導入が挙げられている[s1]。

使用するグループ

PuTTY

別名: putty.exe、plink.exe、pscp.exe、PuTTY Portable、puttyportable.exe

リモートアクセス

PuTTYはWindows向けの無料のオープンソースSSH/Telnet端末エミュレータであり、plink.exe、pscp.exeなどの付属ツールを含む[s3]。本来はリモートサーバーや機器への接続、ファイル転送、トンネリングに使われ、IT管理者が日常的に用いる[s2][s3]。攻撃では二通りの使われ方がある。BlackSuit(Royal)はC2通信とトラフィックのトンネリングに用い、plink.exeで侵害済みWindowsからESXiへSSH接続し、pscp.exeでペイロード送付やデータ持ち出しも行うとされる[s3]。またRhysidaやBlackCat系は、偽サイトやSEO汚染・マルバタイジングでトロイ化した偽インストーラーを配り、IT管理者を狙って初期侵入に使った[s1][s2][s3]。守る側は、レジストリ HKCU\Software\SimonTatham\PuTTY\SshHostKeys に接続先の履歴が残る点を調べ[s3]、ソフトの入手を検証済みの配布元や社内リポジトリに限定し、広告経由のダウンロードを遮断すべきである[s5]。

使用するグループ

PuTTYの出典

Quick Assist

別名: クイック アシスト、クイックアシスト、Microsoft Quick Assist

リモートアクセス

Quick Assist は Microsoft 製の Windows 標準のリモート支援アプリであり、macOS 向けも提供される [s2]。Windows 11 には既定で導入され、Windows 10 1607 以降にも入っている [s1][s4]。本来は家族や信頼できる相手の PC を画面共有し、許可を得て操作するトラブル解決用である。6 桁のコードで接続する [s3]。攻撃者は電話や Teams で IT 担当者などになりすまし、メール爆撃の後にコードを入力させ、初期侵入の足がかりとして使う [s1][s2]。Microsoft は Storm-1811 の Black Basta 関連の攻撃で確認し、3AM ランサムウェア関連の攻撃でも悪用されたと Sophos が報告している [s1][s2]。接続後はマルウェアや RMM ツールが導入される [s2]。守る側は、未使用の環境ではブロックまたはアンインストールし、Defender for Endpoint などで Quick Assist 起点の挙動を監視する。自分から連絡した場合以外は接続を許可しないよう周知する [s2][s4]。

使用するグループ

RDP

別名: Remote Desktop Protocol、リモートデスクトッププロトコル、リモートデスクトップ接続

リモートアクセス

RDPはマイクロソフトが開発した通信接続プロトコルで、ユーザーがWindows搭載デバイスを遠隔から操作できるようにする[s1]。本来の用途はITサポート担当者による利用者端末の遠隔操作で、近年はクラウド上の仮想マシンへのアクセスや資産管理にも使われる[s2]。攻撃では初期侵入の経路となり、Unit 42の調査ではランサムウェア展開事例の50%でRDPが初期の攻撃経路であった[s2]。攻撃者は既定のTCP 3389番ポートをスキャンし、盗んだ認証情報、ブルートフォース、BlueKeepなどの既知の脆弱性で侵入する[s2]。侵入後は横方向へ移動し、権限昇格や機密データの取得に進む[s1]。守る側は不要なRDPの無効化、VPN配下への配置、多要素認証、ログイン試行の制限、許可リストの設定を行う[s2]。RDPログの失敗や不明なIPからのログイン、3389番ポートの通信急増も確認すべき点である[s1]。

使用するグループ

RDPの出典

RMM software

別名: Remote Monitoring and Management、リモート監視および管理、RMMツール

リモートアクセス

RMM(リモート監視および管理)ソフトウェアは、ITチームやMSPが分散したエンドポイントを遠隔から監視・保守・管理するための製品群である。主な機能はリモートアクセス、システム監視、自律的なパッチ適用、特権スクリプト実行である[s1]。エージェントはSYSTEMまたはroot権限で動作し、正規ソフトとしてアプリケーション制御に許可されている可能性がある[s1][s2]。攻撃では、認証情報の窃取、脆弱性の悪用、不正導入などで入手したRMMが、永続的なアクセスの維持やコマンド実行、ファイル転送による情報窃取、ランサムウェア展開前の準備に使われる[s1][s2]。ScreenConnectやAnyDeskなど複数のRMMを併用する例も報告されている[s5]。守る側は、承認されていないRMMの導入、時間外や異常な長さのセッション、RMM経由のbase64化PowerShellや列挙コマンドを監視し、承認済みツールの一覧を維持して逸脱を侵害の兆候として扱う[s2][s4]。

使用するグループ
関連する分析

RMM tools

別名: Remote Monitoring and Management tools、リモート監視・管理ツール、RMM software

リモートアクセス

RMM tools は、IT チームやマネージドサービスプロバイダーが分散したエンドポイントを遠隔で監視・保守・管理するためのソフトウェアの総称である。主な機能はリモートアクセス、システム監視、自動パッチ適用、特権スクリプト実行である[s1]。攻撃者は正規ソフトの ScreenConnect、AnyDesk、TeamViewer、NetSupport Manager などを悪用し、侵入後の永続的なアクセスや C2 通信、ファイル転送による情報窃取、ランサムウェア展開に使う[s2]。エージェントは SYSTEM や root 権限で動き、通信も正規の管理通信に紛れる[s1]。守る側は、承認済み RMM の一覧を維持して許可・拒否リストとアプリケーション制御で未承認のものを止めること、複数の RMM の同時導入や時間外セッションを監視することが要点とされる[s2][s4]。

使用するグループ
関連する分析

RMM toolsの出典

RustDesk

別名: rustdesk.exe

リモートアクセス

RustDesk はオープンソースのリモートアクセスソフトである[s1]。ファイル転送やリモートデスクトップなどの機能を持ち、AnyDesk に似たツールとされる[s2]。本来はリモート操作・サポート用途の正規ソフトである[s1]。攻撃では、Akira ランサムウェアの攻撃者が運用中に使ったと報告されている[s2]。マルウェアの代わりに導入すると、ファイアウォールや検知を回避しやすい[s2]。表示される ID とパスワードで感染端末を操作できる[s2]。無人アクセスを有効にするため、rustdesk.exe --service install --password を実行する例が示され、config[.]toml の改変も挙げられている[s3][s5]。守る側は、アプリケーションの許可リストで導入を制限し、全リモートアクセスに多要素認証を課す[s5]。レジストリの Run キー、隠しスケジュールタスク、サイレントインストール用コマンドも監視対象になる[s5]。AhnLab EDR は RustDesk の実行を Execution/DETECT[.]RustDesk.M12042 として検知する[s2]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

ScreenConnect

別名: ConnectWise ScreenConnect、ConnectWise Control

リモートアクセス

ScreenConnect は ConnectWise 社が提供するリモート監視・管理(RMM)ソフトウェアである[s3]。リモートデスクトップ用の正規製品で、多くの企業やマネージドサービスプロバイダーが使う[s4][s5]。2024年2月に認証回避(CVE-2024-1709)とパストラバーサル(CVE-2024-1708)の脆弱性が公表され、両者の組み合わせで完全なリモートコード実行が可能になるとされる[s2]。悪用では Black Basta 関連の Cobalt Strike ビーコンの配備や、流出した LockBit 3 ビルダー製のランサムウェア配布が確認された[s2][s4]。守る側は、23.9.8 以降へ更新し、更新後も users.xml の不審なアカウントや Web シェル、Extensions 配下の .ps1・.bat・.cmd を点検する[s3][s4]。ホスト不明のサーバーに接続するクライアントは Application Control でブロックする手もある[s3]。

関連する分析

SimpleHelp

別名: SimpleHelp RMM、SimpleHelp Remote Support

リモートアクセス

SimpleHelp は、遠隔から端末の操作や保守を行うリモートサポート製品であり、IT部門や外部保守事業者による端末管理に使われる正規のRMM基盤である[s3][s4]。攻撃では、未修正のSimpleHelpの脆弱性を突いてユーティリティ請求ソフト事業者の顧客が侵害され、2025年1月以降ランサムウェア攻撃者による同種の悪用が続くとされる[s1]。DragonForceはMSPのSimpleHelpから顧客端末の情報収集やデータ窃取、暗号化ツールの展開を試みた[s5]。Crazyランサムウェアの事例では、PowerShellで取得した改名済みエージェント(vhost.exe)が冗長な永続化手段として使われた[s4][s5]。守る側は、SimpleHelpのパッチ適用と、不審な設置や実行元、同ツールからのnetコマンド等の監視に注力すべきである[s1][s4]。2026年にはOIDC認証のバイパス脆弱性CVE-2026-48558がKEVに追加された[s3]。

使用するグループ
関連する分析

Splashtop

別名: Splashtop Remote、Splashtop Streamer

リモートアクセス

Splashtop は、企業・MSP・教育機関向けのリモートアクセス/サポート製品で、スプラッシュトップ社が提供する正規ソフトウェアである [s5][s3]。本来は IT 担当者が遠隔で端末を管理・保守するために使う [s4]。攻撃では、Atera Agent とともに Splashtop Streamer をフィッシングの MSI 経由で密かに導入させ、持続的な遠隔操作、ファイル移動、コマンド実行に使われた [s4]。Agenda(Qilin)の事案では、WinSCP で転送した Linux 版ランサムウェアを Windows 上で実行する最終段階に悪用された [s1]。CACTUS、BianLian、ALPHV、LockBit も悪用したとされる [s5]。守る側は、承認された管理者以外のインストールを制限し、不要な RMM をアプリケーション制御で遮断し、EDR で不審な RMM の動きを監視する [s5][s4]。Splashtop 側は MFA、SSO、デバイス認証、セッション記録、Streamer の導入制限を挙げている [s4]。

使用するグループ

Syncro

リモートアクセス

Syncro は IT 管理者が遠隔監視・管理(RMM)に用いる正規のソフトウェアである。ブルーチップの IT ソフトと同列に扱われ、LogMeIn Resolve や ScreenConnect と並ぶ RMM の一つとされる[s5]。攻撃者は無料トライアルに使い捨てのメールアドレスで登録し、Syncro などを足がかりにして、より永続的な遠隔操作ツール(NetSupport Manager の不正版や特別に設定した ScreenConnect)を送り込む[s5]。RMM は署名付きで OS に信頼され、ファイル転送、リモート端末操作、スクリプト実行、永続化の機能を備えるため、通常のサポート作業に紛れやすい[s5]。守る側は、RMM が別の RMM を導入する動きや、同一端末への複数 RMM の同時導入に注意し、署名ベースの検知だけに頼らず挙動を確認することが求められる[s5]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

TeamViewer

別名: TeamViewer.exe、TeamViewer_Service.exe、TeamViewer Quick Support、TeamViewer Host

リモートアクセス

TeamViewer は TeamViewer Germany GmbH が提供する商用のリモートデスクトップ・遠隔サポート用アプリケーションである [s5]。永続的な数値の端末 ID で遠隔操作を行う [s2]。攻撃者は既存の導入環境を悪用するか、侵入後に自ら導入して対象端末を遠隔操作する [s5]。2023年12月の事例では、TeamViewer 経由で入った攻撃者が PP.bat と rundll32.exe で LockBit 3.0 ビルダー由来の DLL を実行し、ランサムウェアを展開しようとした [s1][s2]。BianLian、Medusa、Black Basta も侵入中に使用した [s2]。守る側は、利用の正当性を IT 部門や MSP に確認し、connections_incoming.txt で接続元の端末名・時刻・接続時間を照合する [s2][s5]。ポータブル実行はインストール制限を回避しうる [s2]。ベンダーは強力なパスワード、二要素認証、許可リスト、最新版への更新を推奨している [s4]。

使用するグループ

TeamViewerの出典

TightVNC

別名: Tight VNC、TightNVC

リモートアクセス

TightVNC は、リモートのデスクトップ画面を表示・操作するための正規のリモートアクセスツールである[s1]。VNC パッケージとして遠隔の GUI を提供する[s4]。攻撃では、Exchange サーバへの ProxyShell 悪用後に第二のリモート操作手段として設置され、顧客の依頼でアンインストールされても、リバースシェルの PowerShell スクリプトが公式サイトから MSI を取得し、msiexec の quiet オプションで再導入した[s1]。MostereRAT の攻撃でも AnyDesk とともに配備された[s5]。守る側は、環境に想定外の TightVNC が存在しないかを確認し、Exchange サーバのような設置が不自然な場所での存在を疑う必要がある[s1][s2]。EPP だけでは見抜けない可能性があるため、複数レイヤーの相関分析で判断するとされる[s2]。除去後の再インストールも監視すべきである[s1]。

使用するグループ
関連する分析

Velociraptor

別名: velociraptor.exe

リモートアクセス

Velociraptor は、インシデント対応チームがネットワーク全体から証拠となるアーティファクトを迅速に収集・調査するためのオープンソースのDFIRツールである[s1][s3]。Rapid7 が関与するオープンソースの取り組みでもある[s5]。調査担当者はエージェントを操作し、不審な活動の探索や対象を絞った収集、ファイル分析を行い、独自クエリ言語 VQL で調査を調整できる[s1]。攻撃では侵入後に旧版 0.73.4[.]0 を複数サーバーへ msiexec で導入し、永続化に使われた。Warlock、LockBit、Babuk のランサムウェア展開と同時期の事例である[s2]。別の事例では攻撃者が自前のC2に接続させ、Visual Studio Code のトンネル作成にも使った[s3][s5]。守る側は正規の導入か確認し、未署名バイナリや標準外ディレクトリからの実行、ポート 8000・8001・8889 への通信、新規サービスやスケジュールタスクを監視する[s5]。EDR の導入も有効で、この手口はランサムウェアの前兆として扱うべきとされる[s3]。

使用するグループ

Velociraptorの出典

認証情報の窃取 17 件

Certify

認証情報の窃取

Certify は GhostPack の公開リポジトリで配布されているツールである [s1]。Active Directory 証明書サービス(AD CS)の設定不備を攻撃者が突く際に使うツールとして、Mimikatz や Rubeus と並べて挙げられている [s1]。AD CS の設定不備の悪用は、権限昇格や高度なアイデンティティベース攻撃につながるとされる [s1]。CrowdStrike は、脆弱な証明書テンプレートの悪用により、低権限のドメインアカウントから高権限アカウントへの昇格経路が生じうると述べている [s3]。守る側は、CA サーバーのイベント 4886・4887 や、ドメインコントローラーのイベント 4768 を確認するとよい [s3]。また、証明書テンプレートの危険なアクセス権を見直して不要な権限を外す対策が示されている [s1]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Certifyの出典

ESENTUTL.EXE

別名: esentutl

認証情報の窃取

ESENTUTL.EXE は Windows に標準で備わるコマンドラインのユーティリティである。攻撃では Black Basta に関連する Qakbot 感染の調査事例で使われた。Cobalt Strike の活動の後、認証情報の収集の段階で、被害者のインターネット履歴データの取得に用いられた[s4]。複数のログ、データベース、システムファイルを結合してまとまった履歴を作るもので、履歴を格納するファイルは WebCacheV01.dat と記されている[s4]。守る側は、esentutl.exe が /r や /s、/d の指定で WebCache フォルダを対象に実行されていないかを見るとよい[s4]。提示文書には、このツールの本来の用途や開発元の説明、公式 URL の記載はない。

使用するグループ

Hashcat

認証情報の窃取

Hashcat はオープンソースで開発されているパスワードリカバリーツールである。GPU の並列処理で CPU のみの場合より高速に解析でき、MD5、SHA1、NTLM、bcrypt など多様なハッシュに対応する [s5]。元はパスワードを忘れた際の復旧を目的に作られ、ペネトレーションテストでも使われる [s5]。攻撃では、盗んだパスワードハッシュに辞書攻撃やルール攻撃などを行い、平文のパスワードを復元するために用いられる [s2][s4]。攻撃者は盗んだハッシュを自分の環境でオフラインで解析するため、ログイン試行もアカウントロックも発生せず、速度はハードウェア次第となる [s2]。解析で得た正規の認証情報で侵入されると、端末側の対策では検知されにくいとされる [s1]。守る側は、長さを重視したパスワードポリシー、パスワードマネージャー、FIDO2 によるパスワードレス認証、安全なハッシュアルゴリズムの採用、漏えい認証情報のデータベース検索が有効とされる [s1]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Impacket secretsdump.py

別名: Impacket (secretsdump.py)、secretsdump.py、impacket-secretsdump

認証情報の窃取

Python製のネットワークプロトコル用ツール群「Impacket」に含まれる、認証情報を取り出すスクリプトである。Impacketは侵入テストで使われるオープンソースのツールキットで、開発会社はSecureAuthとされる[s1][s4]。攻撃者は別マシンからsecretsdump.pyをリモート実行して認証情報を窃取する。Red Canaryは、顧客環境で最も多く見たImpacketのスクリプトだと述べている[s3]。Inc Ransomの事案では、複数ホストから認証情報を集める目的で使おうとした様子が確認されている[s5]。2024年にはWMIでボリュームシャドウコピーを遠隔作成する機能が追加され、EDRが見逃す可能性があるとされる[s3]。守る側は、svchost.exeがregsvc.dllを読み込み、8文字のTMPファイルへ出力する挙動を監視する[s3]。シャドウコピー作成とログオンタイプ3の不審な認証の突き合わせも有効である[s3]。ワークステーション間のSMB/RPC(135・445・139)の遮断も有効である[s3]。

使用するグループ

Impacket secretsdump.pyの出典

LaZagne

別名: lazagne.exe

認証情報の窃取

LaZagne は、さまざまなソフトウェアに保存されたパスワードを取得するためのオープンソースのパスワード回復ツールである[s2][s3]。GitHub 上のプロジェクト AlessandroZ/LaZagne として公開され[s3]、Windows や Linux など複数の OS で使える[s3][s5]。攻撃者はランサムウェア攻撃で Mimikatz と同様に認証情報のダンプに悪用し、RansomExx、Nefilim、NetWalker などの事案で確認されている[s2]。RansomEXX につながる攻撃の背後にいる Prying Libra は、2020年以降、標的ホストからの認証情報の抽出に使っているとされる[s3][s4]。Linux では Pidgin の D-Bus API に接続してアカウント情報を取得し、KWallet のパスワードも取り出せる[s3]。守る側は D-Bus API 呼び出しの監視が有効で、eBPF 系のトレースで dbus_message_get_args() を監視すれば呼び出したプロセスを特定できる[s3]。Windows では lazagne.exe に関連するファイル・アプリの動作や、認証情報を保管するレジストリキーへの想定外のアクセスが見るべき兆候とされる[s5]。

使用するグループ

LaZagneの出典

Mimikatz

別名: mimikatz.exe、Invoke-Mimikatz

認証情報の窃取

Mimikatzは2007年にBenjamin Delpyが開発したWindows向けの認証情報抽出ツールであり、公式ビルドはGitHubで公開・保守されている[s2]。元は「Windowsのセキュリティで遊ぶためのちょっとしたツール」とされ、Microsoft認証プロトコルの脆弱性を示す概念実証として作られた[s1]。攻撃ではlsass.exeやSAMのメモリからパスワード、ハッシュ、PIN、Kerberosチケットを取り出し、権限昇格や横展開、Pass-the-Hash、ゴールデンチケット作成に使う[s1][s3]。PowerShellのInvoke-MimikatzやCobalt Strikeからメモリ上だけで実行される例があり、NetWalkerでは窃取した認証情報でPsExecを実行している[s1][s2]。実行には管理者またはSYSTEM権限が必要とされる[s2]。難読化した改変版やDLLハイジャッキング経由の実行もあり、ファイル署名よりプロセスの振る舞いとメモリ内の挙動の監視が要点とされる[s2][s3]。

Mimikatzの出典

Nanodump

認証情報の窃取

Nanodump は Windows の LSASS プロセスのメモリをダンプする資格情報取得用ツールであり、Cobalt Strike のモジュールとしても言及される [s4]。LSASS のミニダンプをメモリ内だけで作成し、ダンプファイルをディスクに書き込まないことで検知を避けるとされる [s4]。攻撃では侵入後に管理者または SYSTEM 権限を得た段階で使われ、パスワードハッシュや Kerberos チケットを集めて横展開に用いる [s4]。ALPHV/BlackCat のアフィリエイト UNC4466 は、権限昇格のため Mimikatz、LaZagne とともに Nanodump で有効なユーザー資格情報を窃取したと報告されている [s5]。守る側は Credential Guard と LSA Protection(RunAsPPL)で LSASS を保護し、EDR で LSASS メモリへの不審なプロセスアクセスを監視すべきである [s4]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Nirsoft password recovery tools

別名: NirSoft tools、Hacktool.Nirsoft、netpass.exe、webbrowserpassview.exe、mailpv.exe、lsasecretsview.exe、WirelessKeyView.exe

認証情報の窃取

Nir Sofer らが作成した、無料・軽量・ポータブルな Windows 用ユーティリティ群である [s1]。本来はパスワード回復、ネットワーク監視、システムのトラブルシューティング、デジタルフォレンジックなどに使われる [s1]。ランサムウェア運用者が、パスワード、ブラウザー履歴、Cookie などの取得に悪用しており、ランサムウェア展開前の段階で確認されている [s1]。取得した情報は、ランサムウェアの展開、データ窃取、二次的なマルウェア展開につながる [s1]。Symantec は Akira、LockBit、Play、Qilin、RansomHub、Royal、Trigona などでの悪用を挙げ、netpass.exe、webbrowserpassview.exe、lsasecretsview.exe など多数のファイル名を例示している [s1]。守る側は、これらのファイル名の実行を監視し、検知やブロックの対象にするべきである [s1]。正規ツールの悪用に対しては、アクセス制御リストで PUA の利用を厳格に制限する対策も提案されている [s2]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Nirsoft password recovery toolsの出典

ntdsutil

別名: ntdsutil.exe

認証情報の窃取

ntdsutil は Windows Server に標準で備わるコマンドラインの管理ツールである。本来は Active Directory のデータベース(NTDS[.]dit)を扱う管理用途に使われる。NTDS[.]dit には全ユーザーの認証情報やパスワードハッシュが格納される [s5]。攻撃者はドメイン管理者権限や DC 上の SYSTEM 権限を得た後、vssadmin などと並ぶスナップショット/バックアップの仕組みとして ntdsutil を悪用し、稼働中のサービスを止めずに NTDS[.]dit と SYSTEM ハイブの写しを得る [s5]。写しは外部で secretsdump.py や DSInternals により解析され、ハッシュの解読や Pass the Hash に使われる [s5]。標準ツールのため、利用が通常の管理操作に紛れて見逃されやすい [s5]。守る側は DC 上でのシャドウコピーや NTDS[.]dit へのアクセスを監視し、特権アカウントの管理を厳しくする [s5]。

使用するグループ

ntdsutilの出典

PetitPotam

別名: CVE-2021-36942

認証情報の窃取

PetitPotam は、セキュリティ研究者 Topotam が 2021 年 7 月に概念実証コードを GitHub で公開した NTLM リレー攻撃の手法・ツールである [s5]。暗号化ファイルシステムのリモートプロトコル(MS-EFSRPC)を悪用し、ある Windows ホストに別のホストへ認証させる [s5]。Microsoft は従来型の NTLM リレー攻撃であると説明している [s2]。攻撃では、認証なしでもドメインコントローラーに攻撃者のサーバーへ NTLM 認証を行わせ、認証情報を窃取したりリレーしたりする。AD CS が保護されていないと、ドメイン全体の掌握につながるとされる [s5]。実際の攻撃での使用も確認されている [s4]。守る側は、AD CS で EPA を有効にして HTTP を無効化すること、可能なら NTLM 認証を無効にすること、CVE-2021-36942 のパッチを適用することが勘所である [s2][s5]。

使用するグループ

PrinterBug

別名: SpoolSample、PrintNightmare (MS-RPRN)

認証情報の窃取

PrinterBug は、Print System Remote Protocol(MS-RPRN)を悪用する強制認証攻撃ツールである。Unit 42 は一般的な強制認証ツールの一つとして、PetitPotam などと並べて表1に整理している [s4]。本来は印刷に関わる RPC 機能であり、Windows が共有フォルダやプリンターへ接続する際に自動で認証を行う動作を、攻撃者は悪用する [s3][s4]。攻撃者が管理するサーバーへ標的マシンを接続させ、ハッシュ化された認証情報を送らせる。特別な権限は不要で、ドメインコントローラーも対象になり、成功するとドメイン全体の侵害につながるとされる [s3]。守る側は、印刷スプーラーのイベントログ(Operational/Admin)を有効にして悪用の試みを監視し [s1]、不審な RPC パケットや通常と異なる RPC 利用を検知対象とするべきである [s3][s4]。

使用するグループ

PrinterBugの出典

ProcDump

別名: procdump.exe

認証情報の窃取

ProcDump は Microsoft の Sysinternals に含まれるコマンドラインユーティリティであり、Mark Russinovich と Andrew Richards が作成した[s4]。本来は CPU スパイクなどを監視してクラッシュダンプを生成し、管理者や開発者が原因を調べるために使う[s4]。攻撃では、侵入後の認証情報収集の段階で、-ma オプションにより LSASS プロセスの完全なメモリダンプを取得するために悪用される[s3][s5]。ダンプにはパスワード、NTLM ハッシュ、Kerberos チケットが含まれ、攻撃者は持ち出したファイルを自分の環境で Mimikatz により解析するとされる[s5]。CISA の勧告では、LockBit 3.0 の関係者が ProcDump を改名してシステムディレクトリに置いたと記されている[s5]。守る側は、procdump.exe の -ma と lsass の組み合わせを監視する必要がある。署名済みで改名や PID 指定も行われるため、ファイル名だけに頼る検知は避ける[s5]。LSASS の保護には Defender for Endpoint の攻撃面の縮小(ASR)ルールや PPL が有効である[s3]。

使用するグループ

ProcDumpの出典

RDP Recognizer

認証情報の窃取

RDP Recognizer は、内部システムに対して RDP のパスワードを総当たりで試行するために作られたツールである[s4]。BianLian の侵入では、攻撃者がこれをダウンロードして使うとされる[s4]。RDP は Windows 標準のリモートデスクトップ機能であり、有効なアカウント情報があれば利用できる[s4]。BianLian は RDP を侵入口と内部移動の両方に使う[s4]。同グループは追加ホストの準備として、アカウントを Remote Desktop Users グループへ追加し、Windows ファイアウォールの規則を変更して RDP の受信を許可する[s4]。守る側は RDP の公開を厳しく制限し[s1]、ログイン失敗の多発や見覚えのない IP アドレスからのログインをログで確認する[s2]。失敗回数を制限するアカウントロックアウトや多要素認証も有効である[s2][s3]。イベント ID 4624、4625、1149 は正規の管理作業と同じ記録を残すため、ログオンの時刻と接続元で見分ける必要がある[s4]。

使用するグループ

RDP Recognizerの出典

Responder

認証情報の窃取

Responder は LLMNR・NBT-NS・mDNS を悪用する Python 製のオープンソースツールであり、Windows 環境の乗っ取り検証や内部侵入テストに広く使われる [s2][s4]。名前解決の問い合わせに偽の応答を返して被害者を自機へ誘導し、接続してきた相手から認証情報などを窃取する [s4]。MITRE ATT&CK では攻撃者の主な目的はネームサービスを侵害してハッシュや認証情報を盗むことと説明され、ビルトインの HTTP・SMB・MSSQL・FTP の認証サーバが NTLMv1、NTLMv2 などに対応する [s2]。Trend Micro は、Impacket とともに侵入や認証情報の窃取に悪用される事例を確認した [s2]。守る側は LLMNR と NBT-NS の無効化、SMB 署名の有効化、ホスト型ファイアウォールでのマルチキャスト名前解決の遮断、名前解決トラフィックの監視を行うとよい [s4]。

使用するグループ

Responderの出典

Rubeus

別名: GhostPack Rubeus

認証情報の窃取

RubeusはGhostPackが公開するツールである[s3]。Kerberos認証プロトコルを扱うツールで、攻撃者がKerberoastingに使うものとして文書に挙がっている[s3]。Kerberoastingでは、有効なドメインユーザーの認証情報を持つ攻撃者が、SPNを持つADアカウントのサービスチケット(TGS)を要求する際にRubeusやGetUserSPNs.pyを用いるとされる[s3]。取得したチケットはサービスアカウントのパスワードから得たハッシュで暗号化されており、攻撃者はこれをオフラインに持ち出し、HashcatやJohnTheRipperなどで解読を試みる[s3]。解読に成功すると、そのサービスアカウントとして認証し、アカウントに許可された範囲のシステムへ入り込める[s3]。この手法はマルウェアを使わないため従来型のアンチウイルスでは検知しにくいが、アイデンティティベースの脅威検知やEDRは通常と異なるチケット要求や解読の試みの把握に役立つ[s3]。対策として、SPNを持つサービスアカウントには長く複雑で定期的に更新するパスワードを設定し、AES 128/256ビット暗号化を有効にすることが挙げられている[s3]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Rubeusの出典

SessionGopher

認証情報の窃取

SessionGopher は GitHub で公開されているオープンソースの PowerShell スクリプトである[s5]。Windows Management Instrumentation(WMI)を利用し、RDP や Putty など遠隔接続セッションに関するユーザーデータを収集する[s5]。収集対象には秘密鍵やパスワードが含まれる[s5]。Vice Society は、ネットワーク偵察の中で関心を持った端末に対し、このスクリプトとブラウザ関連情報収集用のスクリプトを実行した[s5]。得た情報は有力なアカウントや遠隔サーバーの把握に使われ、それらへのアクセス取得が試みられた[s5]。BianLian の解説では、同グループがオープンソースのツールとコマンドラインのスクリプトを探索と認証情報の収集に使うとされる[s1]。守る側は PowerShell の利用を制限し、コマンドラインやスクリプトの実行権限を無効化することが推奨されている[s1]。また、同じファイル名で内容を変えて繰り返し保存される点が Vice Society の事例で確認されている[s5]。

使用するグループ

Windows Credential Editor

別名: WCE

認証情報の窃取

Windows Credential Editor(WCE)は、LSASS のメモリからパスワードハッシュを取り出す、古い Windows 用ツールである[s5]。攻撃者が使う資格情報窃取ツールとして、Mimikatz や LaZagne と並べて挙げられる[s4]。Mimikatz が使えない場面で攻撃者が用いることが多いとされる[s5]。攻撃では、侵入した端末で資格情報を取り出し、その認証情報を使って同一ネットワーク内の他の端末へ横展開する足がかりにする。FIN6 と FIN8 が侵害端末でこれを実行する例も挙げられている[s5]。取得したハッシュは pass-the-hash などの攻撃に悪用され、平文パスワードがなくても認証できてしまう[s4]。守る側は、lsass.exe への不審なアクセスを監視する。Sysmon のイベント ID 10(プロセスアクセス)で、想定外のプロセスが lsass.exe に触れていないかを見る[s5]。資格情報窃取の痕跡が見つかった場合は、PsExec による横展開の形跡も併せて調べる[s3]。対策として Credential Guard は、仮想化ベースのセキュリティで NTLM ハッシュや Kerberos TGT を分離し、多くの標的型攻撃で使われる窃取手法とツールを阻止する[s2]。

使用するグループ

Windows Credential Editorの出典

内部調査・スキャン 25 件

AdFind

別名: AdFind.exe

内部調査・スキャン

AdFind は Active Directory(AD)の情報を収集するコマンドライン型の問い合わせツールである [s2]。本来は AD 検索のための正規ツールとされる [s3]。攻撃では侵入後の探索段階で AD の構成を調べるために使われ、Play ランサムウェアの攻撃者が AD クエリの実行に用いている [s1]。Trend Micro は、Play が探索手段として AdFind を使う点を Hive や Nokoyawa との違いとして挙げている [s2]。DFIR Report の事例では、侵入の 4 時間後に AdFind による AD 探索が始まり、11 日間に 3 回の列挙が行われた [s4]。別の事例では Cobalt Strike の展開後に AdFind で AD 構造を調べている [s4]。守る側は、AD の列挙が早い段階で繰り返されないかを監視し、侵害後の初期段階で検知することが肝心とされる [s4]。MITRE ATT&CK の Software ID は S0552 である [s1]。

使用するグループ

AdFindの出典

ADRecon.ps1

別名: ADRecon、obfs.ps1、recon.ps1

内部調査・スキャン

ADRecon.ps1 は Active Directory の情報を収集する PowerShell スクリプトであり、Microsoft の資料では sense-of-security の GitHub で公開されているものとして示されている [s3]。攻撃では侵入後の偵察段階で使われる。SCATTERED SPIDER は、オンプレミス環境の AD 偵察に ADExplorer や Get-ADUser コマンドレットとともにこのスクリプトを用いたと CrowdStrike が報告している [s2]。Storm-0501 も、難読化版を obfs.ps1 や recon.ps1 の名前で実行した例が確認されている [s3]。守る側は、これらの名前や難読化された PowerShell の実行、ドメインコントローラーからのログ収集と異常な問い合わせパターンの確認に注目するとよい [s1]。

使用するグループ

ADRecon.ps1の出典

Advanced IP Scanner

別名: advanced_ip_scanner.exe

内部調査・スキャン

Advanced IP Scanner は、Windows 向けの無償のネットワークスキャナーである[s3][s4]。IT 管理者が主に使い、LAN を解析して接続機器の情報を集め、共有フォルダーへのアクセスや PC の遠隔操作・電源断も行える[s3][s4]。攻撃者は侵入直後の偵察に悪用し、The Gentlemen は初期侵入後にこれでネットワーク構成と標的を把握した[s1]。Blackpoint の事例では、攻撃者が attrib.exe で隠したうえポータブル版を「1644.exe」に改名して実行した[s3]。検索広告やタイポスクワッティングの偽サイトから、CobaltStrike を仕込んだ偽インストーラーが配られた例もある[s4][s5]。守る側は、公式サイト以外から入手しないこと、想定外の場所や別名での実行を監視すること、アプリケーションの許可・拒否リストで制限することが勘所である[s3][s4]。

Advanced IP Scannerの出典

Advanced Port Scanner

別名: advanced_port_scanner.exe

内部調査・スキャン

Advanced Port Scanner はネットワーク上の機器やポートを調べるスキャナーであり、Sophos は「広く悪用されている正規ツール」と位置づけている[s2]。ポートスキャナーは本来、開放・閉鎖・フィルタ状態を確認してネットワークや接続の不具合を診断するために使われる[s4]。攻撃では侵入後の探索段階で使われ、Sophos が調べた事案では同ツールで内部ドメインのホスト名一覧(ip.txt)が作られ、ランサムウェア展開前の準備に使われた[s2]。MITRE ATT&CK は、2025年のポーランドでのワイパー攻撃で、攻撃者が Ping や Advanced IP Scanner とともに同ツールでネットワーク機器を列挙したと記している[s5]。守る側は、通常その操作をしない利用者や時間帯でのスキャナーの導入・実行を監視し、アプリケーション制御や最小権限で導入を制限することが勘所となる[s3]。

使用するグループ

Advanced Port Scannerの出典

Angry IP Scanner

別名: AngryIPScan、Hacktool.AngryIPScan

内部調査・スキャン

Angry IP Scanner はオープンソースのネットワークスキャンツールである[s5]。本来は組織が自網の脆弱性やセキュリティ上の隙を見つけて対処するために使われる[s3]。攻撃者は侵入後の偵察・探索に使い、脆弱な機器、開いているポート、保護の弱いサービスを探して、総当たり認証、脆弱性悪用、横展開につなげるとされる[s5]。インストール不要で動作するため、一部の防御を回避できる点も好まれるとされる[s5]。Blackpoint のSOC事例では、AnyDesk と併せて偵察・永続化・探索に使われた疑いが挙げられている[s1]。守る側は、ソフトウェア台帳を整えて不要なツールを削除し、利用は期限付きで承認する運用とし、通常の作業基準から外れたスキャンの出現を検知対象とすべきである[s3]。製品側にも不正利用を示す検知名が存在する[s5]。

使用するグループ

Angry IP Scannerの出典

esxi_finder.py

別名: esxi_finder.py(NetExec LDAP モジュール)、esxi_finder、NetExec esxi_finder LDAP module

内部調査・スキャン

esxi_finder.py は、ネットワークサービス評価の自動化を目的とするオープンソースのツール NetExec の LDAP プロトコル向けモジュールとして示される名称である。NetExec は CrackMapExec を基にした後継ツールで、Active Directory 環境での列挙、横展開、認証テストに使われる [s4]。ただし、与えられた文書には esxi_finder.py 自体の説明も、攻撃グループ aurora による使用の記述も無い。文書から言えるのは、NetExec の LDAP 機能がユーザー、グループ、ユーザー説明欄などの列挙に使えること [s3]、LDAP モジュールを nxc ldap で -M 指定して呼び出すこと [s2]、匿名バインドが許可されていれば認証情報なしでも列挙できること [s5] である。守る側は、匿名 LDAP バインドの許可範囲と ACL の設定を見直し、不審な LDAP 列挙クエリを監視するべきである [s5]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

esxi_finder.pyの出典

Everything

別名: Everything.exe、Everything32.dll、Everything64.dll

内部調査・スキャン

Everything は Voidtools が開発したWindows用のファイル名検索エンジンであり、最小限のリソースで迅速な検索とリアルタイム更新を行う[s1]。本来は端末内のファイルを素早く探すための正規ツールである[s1]。攻撃では、ランサムウェア「Mimic」が Everything の API(Everything_SetSearchW 関数)を不正利用し、特定の拡張子やファイル名を検索して暗号化対象のファイルパスを抽出する[s1]。また、ロシア語話者の攻撃者が侵入ツール群を置いた転送用サーバーに Everything.exe が含まれていた[s4]。守る側は、Everything32.dll や Everything64.dll を名乗る不審なファイルや、Everything を呼び出す未知の実行ファイルを確認するとよい。Everything の正規のインストールパスは C:\Program Files\Everything\Everything.exe であり、これを除外条件に入れた検知ルールの例もある[s5]。

使用するグループ

gpresult

別名: gpresult.exe、gprslt.exe

内部調査・スキャン

Windows 標準のコマンドラインツールで、システムに適用されているグループポリシーオブジェクト(GPO)を照会・表示する Microsoft 製のユーティリティである[s4]。グループポリシーは Active Directory 環境で、ユーザーやコンピューターの設定を管理者が一括管理するための機能である[s4]。攻撃者は端末を侵害した後の偵察段階で本ツールを使い、AD 環境の構成や権限昇格・横展開の手がかりを把握するとされる[s4]。Elastic の検知ルールは、gpresult.exe(元ファイル名 gprslt.exe)が引数 /z、/v、/r、/x 付きで起動された事象を捉える(MITRE ATT&CK T1615 Group Policy Discovery)[s4]。守る側は実行したアカウント、親プロセスの系列、同じ端末やユーザーの他のアラートを確認する。単発の探索行為は必ずしも悪意とは限らず、管理者の正当な作業との切り分けも要る[s4]。

使用するグループ

Impacket smbclient.py

別名: smbclient.py、Impacket smbclient

内部調査・スキャン

Impacket smbclient.py は、Python のネットワークプロトコル用クラス群 Impacket のサンプルスクリプトの一つであり、SMB 向けのクライアントとして働く [s2]。Impacket は SecureAuth(現 Fortra の GitHub で公開)が開発したオープンソースである [s1][s2]。本来は侵入テストで共有フォルダを調べ、ファイルを探す用途に使われる [s2]。攻撃では、SMB の共有を列挙し、ファイルを閲覧・取得する段階での使用が想定され、深い AD 列挙では secretsdump.py などと併用するとされる [s4]。なお、gunra による具体的な使用手順を記した文書は与えられていない。守る側は、Linux 上の攻撃端末など想定外のホストから TCP 445 へ接続がないか、共有への大量のファイル読み取りがないかを確認するとよい [s2]。同じ Impacket の smbexec.py は、services.exe が cmd.exe を '/Q' '/c' 'echo' などの文字列付きで起動する挙動で検知できる [s5]。

使用するグループ

Impacket smbclient.pyの出典

Interactsh

別名: interactsh-client、interact.sh、oast.pro、oast.live

内部調査・スキャン

Interactshは、ProjectDiscoveryが公開するオープンソースの帯域外(OOB)通信収集ツールであり、サーバーとクライアントから成る[s5]。Go言語で書かれ、固有のURLを生成してDNS、HTTP(S)、SMTP(S)、LDAPの通信を記録する[s4]。本来はペネトレーションテスターや研究者が、ブラインドSQLiやSSRFなど外部通信を引き起こす脆弱性を検出するために使う[s4][s5]。攻撃者は、生成したドメインへの通信有無を監視してエクスプロイトの成否を確認する目的で悪用する[s1][s2]。Ivanti Connect Secure/Policy Secureの脆弱性攻撃でも、oast[.]liveやoast[.]proなどのサブドメインへのcURLによるGETが検証用に確認された[s3]。このためテスト通信の後にエクスプロイトが続く可能性がある[s2]。守る側は、これらのドメインへの外向き通信を監視する必要があるが、サービスやIPに基づく遮断は容易ではないとされる[s2]。

使用するグループ

ipconfig

別名: ipconfig.exe、ipconfig /all

内部調査・スキャン

ipconfig は Windows に標準で入っているコマンドであり、端末のネットワーク設定を表示する[s1]。攻撃者は侵入直後の初期調査で、tasklist、ver、systeminfo などと併せて使い、ネットワーク情報や OS 情報を集めて、感染した端末の種類を調べる[s1]。JPCERT/CC が集計した 3 つの攻撃グループの C&C 入力では 76 回実行され、初期調査のコマンドで 3 位だった。多くは /all 付きで実行されている[s1]。Rapid7 の事例でも、Microsoft Teams 経由の画面共有中に、攻撃者が ipconfig /all、nslookup、net start、whoami、ping を実行していた[s5]。調査用の端末かどうかの確認が狙いとされる[s1]。守る側は、AppLocker で実行を制限するか、監査のみにしてイベントログを残す方法がある。「プロセス作成の監査」でも記録できる[s1]。ただし利用者自身も使うため、監査のみが向く場合がある[s1]。

使用するグループ

MASSCAN

別名: Masscan.exe

内部調査・スキャン

MASSCAN はネットワークのポートを走査するスキャナーで、インターネット全体でも6分未満で脆弱なマシンを探せるとされる[s2]。ALPHA SPIDER の関係者は侵害した CSA サーバーに masscan を導入し、追加のネットワーク偵察を行った[s1]。PARINACOTA は侵害したマシンから Masscan.exe で RDP のポート3389を待ち受ける機器を探し、NLbrute などによる総当たりに進んだ[s2]。Makop の攻撃でも NetScan や Advanced IP Scanner などと併用され、ホストとポート、サービスの列挙や重要ホストの特定に使われ、正規の管理作業に紛れやすい[s3][s5]。守る側は、ユーザー端末や管理外の基盤からのポートスキャン、RDP の外部公開と MFA の欠如を見るべきである[s5]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

MASSCANの出典

nbtstat

別名: nbtstat.exe

内部調査・スキャン

nbtstat は Windows に標準で搭載されるコマンドの一つである[s2]。JPCERT/CC の調査では、攻撃者は侵入後に Windows コマンドを使って情報を集め、感染を広げており[s2]、攻撃グループ A は探索活動の段階で nbtstat を「-a」オプション付きで 5 回実行していた[s2]。探索活動は、感染端末内の情報やネットワーク内のリモート端末を探す段階とされる[s2]。守る側は、AppLocker やソフトウェア制限ポリシーで、利用者に不要なコマンドの実行を制限できる[s2]。制限せず監査のみとする設定や、ローカルセキュリティポリシーの「プロセス作成の監査」でも実行履歴を残せる[s2]。まずは実行プロセスのログ取得から始めることが勧められている[s2]。

使用するグループ

nbtstatの出典

NetScan

別名: netscan.exe、NETSCAN.EXE、SoftPerfect Network Scanner

内部調査・スキャン

NetScan は SoftPerfect Network Scanner(netscan.exe)で、一般に公開されているネットワーク探索ツールである[s5]。本来はホスト名やネットワークサービスを調べるために使われる[s5]。攻撃では、Inc Ransom が netscan.exe を使い、横展開や暗号化の対象となる他のホストや資源を探したとされる[s4]。Huntress が調べた 2026年9月の事案では、攻撃者は AnyDesk を導入したうえで netscan.exe と脆弱なドライバーを展開した[s3]。守る側は、管理端末以外での実行や、AnyDesk など遠隔操作ソフトの導入と前後した実行に注目し、アカウント・親プロセス・時刻・通信先を承認済みの作業と突き合わせる必要がある[s3]。

NetScanの出典

Nmap

別名: Network Mapper、nmap.exe

内部調査・スキャン

Nmap(Network Mapper)は、Gordon Lyon(通称 Fyodor)が開発し1997年に初版を公開したオープンソースのコマンドライン用ネットワークスキャナである[s3]。本来はホスト検出、ポートスキャン、OS 識別、サービス列挙、NSE スクリプトによる脆弱性検出などに使われ、セキュリティ監査や資産管理にも用いられる[s3]。攻撃では侵入後の内部偵察に悪用される。ALPHV の関連攻撃者は Nmap と追加スクリプトをダウンロードし、システムとサービスの探索や標的を絞った脆弱性スキャンを行った[s4]。Medusa の事例では、内部端末間の接続試行に加え、URI「/nice ports, /Trinity.txt[.]bak」から Nmap の使用が検知された[s5]。守る側は、内部ネットワークでの異常なスキャン通信や、通常ない端末からの大量の接続試行、Nmap 特有の URI 痕跡を監視するべきである[s5]。

使用するグループ

Nmapの出典

PingCastle

内部調査・スキャン

PingCastle は Active Directory 環境のセキュリティを監査し、脆弱性を洗い出して改善策を示すツールである[s5]。ルールごとに ID・説明・推奨対処・点数が定義され、各ルールは MITRE ATT&CK の技術にも対応づけられている[s3]。本来はゲストアカウントの有効化やサービスアカウントのパスワード方針といった設定不備の確認に使う[s3]。BianLian がこのツールを使うとされるが、CISA の勧告の抜粋には使用の具体的な段階や目的の記載がない[s1]。守る側は、PingCastle が指摘する Kerberoast 可能な管理者アカウントや委任可能な管理者アカウントなどの設定不備を事前に解消しておくことが要点である[s5]。同じ手の監査ツールが攻撃側に使われる場合に備え、AD の構成を点検しておく必要がある。

使用するグループ

PingCastleの出典

PowerView

別名: PowerView.ps1

内部調査・スキャン

PowerView は、ペネトレーションテスト担当者向けのツールキットに含まれる PowerShell スクリプト(PowerView.ps1)である[s3]。本来はペンテスト用の道具であり、攻撃者が転用する。BlackCat ランサムウェアの事案では、侵入後にネットワーク上の機器を列挙する目的で、DirLister などと並んで使われた[s3]。これはデータ収集・窃取の前段の調査にあたる。同事案では、攻撃者が LaZagne で保存済みパスワードの抽出も行っていた[s3]。守る側は、PowerShell の実行ログを監視し、ツール名やスクリプトの持ち込みを見るべきである。ツールの存在だけで不正とは断定できないため、自社の業務で使うものか、利用時間帯が不審でないか、近い時間帯に別の不審な挙動がないかを併せて確認する必要がある[s2]。

使用するグループ

PowerViewの出典

RustScan

内部調査・スキャン

RustScan はオープンソースのポートスキャナーであり、速度と汎用性を重視して設計されている[s5]。本来はネットワーク上の開いているポートを調べる用途のツールである。UAC-0247 による AgingFly の攻撃を扱う報告では、偵察と横展開の段階で RustScan、Ligolo-ng、Chisel が使われた痕跡が確認されたとされる[s4]。認証情報の窃取に加えて、侵害環境内でさらに深く入り込む準備をしているとみられる[s4]。守る側は、端末内でのポートスキャン様の通信の発生と、あわせて使われるトンネリングツールの有無を監視するとよい。感染経路となる LNK、HTA、JS ファイルの実行を制限し、攻撃の連鎖を早い段階で断つことも CERT-UA の助言として示されている[s4]。

使用するグループ

ShareFinder.ps1

別名: Invoke-ShareFinder.ps1、Invoke-ShareFinder

内部調査・スキャン

ShareFinder.ps1 は、オープンソースプロジェクト Veil-PowerView の Invoke-ShareFinder.ps1 に由来する PowerShell スクリプトであり、ローカルドメイン上のホストにあるネットワーク共有を探し出す[s4]。SafePay ランサムウェアの攻撃では、データ窃取の前に実行され、利用可能なネットワーク共有をすべて洗い出していた[s4]。Huntress の事例では RDP で侵入した攻撃者が Windows Defender を無効化した後に実行し、約40分後に WinRAR でファイルを圧縮、2日後に特定済みの共有へ暗号化を展開した[s5]。LockBit 関連の侵害でも、ドメイン共有の情報収集に使われた[s2]。Emotet の攻撃や Conti 展開に使われた C0015 キャンペーンでも確認されている[s4]。守る側は、Defender が実行を検知・遮断した事例がある点[s5]と、Defender 無効化の操作および RDP ログインを併せて監視すべきである。

使用するグループ

SharpHound

別名: BloodHound、SharpHound.exe、SharpHound3

内部調査・スキャン

SharpHound は BloodHound が Active Directory の情報を集めるために使うデータ収集ツール(コレクター)であり、名称は C# で書かれていることに由来する [s2]。Microsoft は、ドメインの権限や関係を監査する正規のセキュリティツールとして説明し、HackTool に分類している [s4]。侵入後の偵察で悪用され、ローカル管理者、グループ所属、セッション、ACL、信頼関係などを列挙する。結果は BloodHound で可視化され、特権昇格や横移動の経路の計画に使われる [s3][s4]。Ryuk などの人手によるランサムウェア攻撃でも使われるとされる [s3]。公式にはファイル型の実行形式と、メモリ上で動く PowerShell 版が公開されている [s3]。守る側は、統制された監査以外での実行を悪意ある偵察の兆候として扱う [s4]。実行端末のログに加え、ドメインコントローラーへの大量の LDAP 通信や DNS 照会、SMB 通信を見る。PowerShell 版は AMSI 連携の検知が有効とされる [s2][s3]。検知時は端末を隔離し、使われた資格情報を再設定する [s4]。

使用するグループ

SharpShares

内部調査・スキャン

SharpShares は、侵入先のネットワーク上でアクセス可能な共有フォルダーを列挙するために使われるツールである。文書では SafePay の事案で Advanced IP Scanner、ShareFinder、Netscan、Snaffler と並ぶオープンソースの探索ツールとして挙げられている[s5]。Red Canary は、ランサムウェアのアフィリエイトが SoftPerfect Network Scanner や Advanced Port Scanner などと併せて、ネットワーク共有の列挙に使ったと報告している[s4]。攻撃では侵入直後の探索段階で、横展開や持ち出しの対象となるデータの所在を特定する目的で使われる。守る側は、ipconfig、whoami、net、nltest といった標準コマンドと組み合わせた探索が短時間に連続していないかを見るとよい[s4]。あわせて、業務上使わない列挙ツールの実行を確認することが勘所となる[s5]。

使用するグループ

SharpSharesの出典

SoftPerfect Network Scanner

別名: SoftPerfect、NetScan、netscan.exe

内部調査・スキャン

SoftPerfect Network Scanner は、一般に公開されているネットワーク管理者向けのスキャナーであり、ホスト名やネットワークサービスの探索に使われる[s4]。本来は管理者が機器や開いているポートを把握するための道具である[s2]。ランサムウェア攻撃では、侵入後の探索段階でネットワーク上の機器情報を得るために悪用され[s5]、Kaspersky の 2019 年の対応事例では悪用された正規ツールの 3 番目(14.3%)に多かった[s3]。Sophos の統計でも、ランサムウェア関連を含む事案で最も多い二用途ツールとされる[s2]。守る側は、通常の管理業務と区別しにくいため[s3]、netscan.exe の実行や想定外の端末からのネットワーク探索を、ロギングと EDR で監視することが勘所となる[s3][s4]。

使用するグループ

Tasklist

別名: tasklist.exe

内部調査・スキャン

Tasklistは、Windowsに標準で入っているコマンドであり、実行中のプロセスを一覧表示する[s2]。通常の利用者が使うコマンドはごく一部に限られる一方、侵入したネットワーク内の攻撃者も情報収集のために標準のWindowsコマンドを使うとJPCERT/CCは報告している[s2]。感染直後の初期調査では、tasklistが3つの攻撃グループのC&Cサーバー上の実行コマンドで最多の155回を占め、ネットワーク、プロセス、OSの情報を集めてサンドボックスでないかを確認するためとされる[s2]。別の事例では、認証情報の窃取に備え、「tasklist /v /fo csv | findstr /i "lsass"」でLSASSのプロセスIDを取得していた[s5]。守る側は、AppLockerやソフトウェア制限ポリシーで不要なコマンドの実行を制限するか、実行履歴をイベントログに記録するのがよい。「プロセス作成の監査」でも実行を監視でき、まずはログ収集から始めることが推奨されている[s2]。

使用するグループ

Tasklistの出典

WizTree

内部調査・スキャン

WizTree は第三者が無償で提供するディスク使用状況の解析ツールである。公式サイトとして diskanalyzer[.]com が挙げられている[s3]。文書はこのツールの本来の用途を説明していない。STAC4713 キャンペーンでは、Microsoft Paint、メモ帳、Microsoft Edge などの OS 標準ツールとともに、ネットワーク共有の探索とファイルアクセスに悪用された[s3]。このキャンペーンは PayoutsKing ランサムウェアに関連する可能性が極めて高いとされる[s3]。攻撃者は QEMU の仮想マシンを隠れたリバース SSH バックドアとして使い、ドメイン資格情報の窃取と Rclone によるデータ持ち出しも行った[s3]。別の報道でも、WizTree はファイル探索と操作に使われた正規ユーティリティとして挙がっている[s5]。守る側は、業務で使う承認済みツールかを確認し、不審なスケジュールタスクや QEMU の無許可インストールなど他の兆候と合わせて分析する必要がある[s1][s5]。

使用するグループ

WizTreeの出典

wmic

別名: wmic.exe、Windows Management Instrumentation Command-line

内部調査・スキャン

wmicはWindows標準のWMI(Windows Management Instrumentation)用コマンドラインツールである[s4]。WMIは管理者がメトリックの問い合わせやコード実行に使う仕組みで、wmicはそのクライアントにあたる[s2][s5]。攻撃者は初期侵入後の内部偵察で端末のOS情報やIPアドレスなどを調べるほか[s4]、「wmic.exe /node: process call create」でリモート端末にプロセスを起動して横展開に使う[s5]。ランサムウェア攻撃ではシャドウコピー削除にも使われ、vssadmin.exeの警告を避けられる[s5]。守る側は、横展開時に対象側でwmiprvse.exeの子プロセスが現れる点やネットワークログオン(タイプ3)を確認する[s5]。短時間に複数の問い合わせが走る、IT部門以外の利用者が使うといった通常と異なる利用も手掛かりになる[s4]。Winmgmtサービスの無効化は正規の処理に影響するため推奨されない[s5]。Microsoftは廃止手続きを進めており、Windows 11 25H2には含まれない[s5]。

横展開 13 件

BigFix

横展開

BigFix は、ソフトウェア配布などに使われる正規のソフトウェア展開ツールである。文書では、Medusa ランサムウェアの攻撃者が PDQ Deploy や Sysinternals PsExec と並べて BigFix を使い、暗号化プログラムをネットワーク内に展開したと説明されている[s5]。攻撃の段階としては、侵入後の横展開と実行にあたる[s5]。この展開手段は MITRE ATT&CK の T1072(ソフトウェア展開ツール)に分類されている[s5]。文書には BigFix の開発元や公式サイトの記載がなく、検知方法の具体的な記述もない。守る側は、管理者の通常運用と無関係な時間帯や端末からの一斉配布が、暗号化プログラムの展開に使われていないかを確認すべきである。

使用するグループ

Empire

別名: PowerShell Empire

横展開

Empire は、CISA などの共同報告で「PowerShell Empire」の名で、公開されているツールのうち横展開(ラテラルムーブメント)用フレームワークとして挙げられているものである [s1]。同報告は、JBiFrost、China Chopper、Mimikatz、HUC Packet Transmitter と並ぶ5つの公開ツールの一つとして扱っている [s1]。これらのツールは、攻撃者が初期侵害を果たした後に、被害環境内で目的を進めるために使われるとされる [s1]。技能の高い攻撃グループも、広く公開されたツールを使って目的を達成する [s1]。守る側は、ネットワーク内での検知と効果の抑制を狙った対策を取る必要がある [s1]。なお、文書は Empire の個別の機能、開発元、具体的な検知方法を示していない。

使用するグループ
関連する分析

Empireの出典

Evil-WinRM

横展開

Evil-WinRM は、Windows リモート管理(WinRM)を使って対象の Windows 機に対話型の PowerShell セッションを開くコマンドラインのツールである。ペネトレーションテストの担当者と攻撃者の双方に使われ、Ruby gem として配布されるオープンソースのツールである[s3]。テスト担当者が、回収した資格情報の到達範囲を示すために使う[s4]。攻撃では、パスワード、NTLM ハッシュ、Kerberos チケットなどの有効な資格情報を得た後に、横展開、データ窃取、長期的なアクセスの維持に用いる[s3][s4]。Storm-0501 は横展開に Evil-WinRM を使い、Defender for Endpoint の有無を確認するコマンドや quser.exe、net.exe による探索をそのセッション上で実行した[s1]。脆弱性は突かず、正規の管理機能を悪用するため通常の管理操作に紛れる[s4]。守る側は、通常は遠隔接続を受けないサーバーでの WinRM ログオン(イベント ID 4624、ログオンタイプ 3)とその後の PowerShell 動作、端末から複数サーバーへの WinRM 接続を見る。PowerShell のスクリプトブロックログの取得、WinRM を管理用ホストとアカウントに限る制限、最小権限、LAPS や Credential Guard による資格情報の保護が要点とされる[s4]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Impacket

別名: Impacket toolkit、wmiexec.py、smbexec.py、secretsdump.py、atexec.py

横展開

Impacketは、ネットワークプロトコルを扱うオープンソースのPythonクラス群・ツールキットである。もとはSecureAuthが開発し、現在はFortraのCore Securityが保守するとされる[s5]。SMB、MSRPC、DCOM/WMI、Kerberosなどを実装し、侵入テストに使われる[s2][s5]。攻撃者は盗んだ認証情報でwmiexec.pyやsmbexec.pyなどを使い、リモートでコマンドを実行して横展開する[s1][s5]。secretsdump.pyは認証情報の窃取に使われる[s4]。対象側にマルウェアを置かないため署名検知では捉えにくく、挙動で見る必要がある[s5]。守る側は、WMIPrvSE.exeからのcmd.exe起動、イベントID 4698・7045・5145を確認する[s4][s5]。端末間のSMB/RPCの遮断やADMIN$共有の無効化も有効とされる[s4]。

使用するグループ

Impacket ntlmrelayx

別名: ntlmrelayx.py、ntlmrelayx.exe、impacket-ntlmrelayx、NTLMRelayx

横展開

Impacket スイートに含まれる NTLM リレー用ツールである。Praetorian は GitHub の Impacket 本流に LAPS パスワード取得機能を追加したと述べている[s5]。傍受した NTLM 認証を別の標的サーバーへ中継し、パスワードを知らずにその利用者として認証できる[s3]。攻撃では、PetitPotam で AD に強制認証させ、中継で AD CS から AD のマシンアカウント証明書を得て、secretsdump で全アカウントの NTLM を取得する流れが示されている[s2]。署名未強制の SMB や LDAP も中継先になる[s4][s5]。守る側は EPA・LDAP チャネルバインディング・SMB 署名の強制・LDAP 署名の要求を有効にし[s1][s4][s5]、Sysmon の Event 1 で ntlmrelayx や Impacket 系のプロセスを監視する[s3]。

使用するグループ

Impacket ntlmrelayxの出典

Impacket psexec.py

別名: psexec.py、Impacket PsExec

横展開

Impacket は SecureAuth が作り、現在は Fortra の Core Security が維持する、Windows のネットワークプロトコル(SMB、MSRPC、DCOM など)を実装したオープンソースの Python ライブラリである[s3]。psexec.py はその遠隔実行ツールの一つで、サービス制御マネージャーとファイルコピーを使い、ADMIN$ に補助バイナリを置いて命令を実行する[s3]。侵入テストなどに使われる一方、gunra の関与者は侵入後の横展開に smbclient.py と並べて用い、SMB 経由で端末間を移動した[s4][s5]。盗んだ認証情報で正規の管理プロトコルを使うため、マルウェアを置かずに動く[s3]。守る側は、サービス作成のイベント ID 7045 と共有アクセスのイベント ID 5145 を確認する。ただし正規の遠隔管理と区別しにくく、検知難度は高いとされる[s3]。また、ワークステーション間の SMB/RPC(445、135、139)を遮断し、ADMIN$ などの管理共有を無効にする対策がある[s2]。ネットワークの分割も拡散防止に有効とされる[s5]。

使用するグループ

NetExec

別名: nxc

横展開

NetExec(nxc)は、レッドチームで広く使われるツールである[s3]。Settra ランサムウェアの事案では、被害ネットワークの把握と、どの資格情報がどこで通用するかの確認(探索)に使われ、PAExec と併せて窃取した資格情報による横展開にも用いられた[s3]。Aurora の事案では、攻撃者が AI の Cursor Agent に NetExec の BloodHound コレクターの利用や内部サブネットのスキャンを指示しており、独自の LDAP モジュール esxi_finder.py で ESXi ホストと vCenter サーバーを探索した[s5]。守る側は、NetExec、PAExec、Mesh Agent などの正規の管理ツール・レッドチームツールを監視し、承認外のツールは EDR ルールやウェブフィルタリングの「デフォルト拒否」リストで警告または遮断することが示されている[s3]。

使用するグループ

NetExecの出典

PDQ Deploy

別名: PDQDeploy、PDQ Deploy Runner、PDQDeploySetup.exe、PDQRunner.exe

横展開

PDQ Deploy は、複数の端末へのソフトウェア配布やパッチ管理、カスタムスクリプトの展開を行う Windows 向けの管理者ツールである [s3][s4]。Medusa ランサムウェアの攻撃では、この正規ツールが悪用される特徴的な手口とされる。攻撃者は他のツールやファイルの配布、ネットワーク内の横展開に用い [s4]、PDQ Inventory で端末一覧を得たうえで、セキュリティ製品を止める AVKiller のバイナリとドライバーを全端末へ配って実行し、続いてランサムウェア本体も転送・実行した [s5]。Symantec は、過去 1 年に調べた Medusa 攻撃の約3分の2で、Medusa の展開に同じファイルパスが使われたと報告している [s4]。Darktrace の事例では、ADMIN$ 共有経由の PDQ Deploy 実行ファイルに対して防御回避の警告が出ていた [s2]。守る側は、PDQ Inventory や PDQ Deploy の実行ファイル名や製品名(PDQ[.]com)でプロセス作成を検知し、自組織で使う場合は除外設定を整えるべきである [s5]。また「Deploy User」モードでは資格情報が一時保存され、Mimikatz 等で窃取されるおそれが指摘されており、CERT/CC は Windows の LAPS の使用や開発元のベストプラクティスの実践を勧めている [s3]。

使用するグループ

PsExec

別名: PsExec.exe、PSEXESVC.exe

横展開

PsExec は Sysinternals が提供するリモート管理ツールであり、元はサードパーティ製だったが現在は Microsoft の正規ツールである [s2][s4]。リモートシステム上でプロセスを実行でき、通常権限にも SYSTEM 権限にもコマンドを走らせられる [s2][s4]。実行時は管理者資格情報で SMB 接続し、ADMIN$ 共有へ PSEXESVC.EXE を送り込んで起動する [s5]。攻撃では横展開や任意のコマンドシェル実行、ランサムウェアの転送・遠隔実行に悪用される [s2][s3]。Crypto24 は横展開に PSExec を使った [s1]。守る側は、PSEXESVC.EXE の別名実行を元のファイル名で検出する規則を使える [s4]。名前付きパイプ psexesvc、内部名 PsExec Service Host、レジストリの EulaAccepted は改名後も残るが、攻撃者に削除されうる [s5]。利用が管理ポリシーに沿うか、実行ユーザーと対象ホストを確認する [s4]。

SMB

別名: Server Message Block、SMB protocol

横展開

SMB(Server Message Block)はWindowsで標準的に使われるファイル共有用のネットワークプロトコルである。組織はユーザー間のファイル共有やActive Directory Domain Servicesなどの支えとして用いており、広く導入されているため攻撃者の標的になりやすいとされる[s5]。攻撃では、インターネットに公開されたSMBに対する総当たりで認証を破り、認証済みセッション経由でファイルを外部へ持ち出したうえ、リモートで暗号化して書き戻した例がある[s2]。盗んだ認証情報でネットワーク共有に入り、横展開や暗号化、バックアップ削除を行う手口も報告されている[s3]。いずれも標的端末上で不正コードを動かさないため、プロセス単位の検知をすり抜けやすい[s2][s3]。守る側は、SMBポート(TCP 139・445)を公開しないこと、弱い認証を避けること[s2]、外部への送信SMBを遮断すること、SMB 1.0を無効化すること、署名や暗号化を要求することが要点である[s5]。ファイルアクセスの挙動を監視して大量の暗号化を止める機能も使われる[s3]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

SMBの出典

SMBEXEC

別名: smbexec.py、Impacket smbexec

横展開

SMBEXEC は、Python 製ネットワークプロトコル用クラス群 Impacket に含まれるスクリプト smbexec.py である[s4][s5]。Impacket は SecureAuth が開発した侵入テスト用ツールで、smbexec.py は書き込み可能な共有がない対象へのリモート実行に使われる[s2]。攻撃者は認証情報を得た上で、対象に Windows サービスを作成してコマンドを実行させ、出力を C$ 共有上のファイルから取得する。出力後にサービスとファイルは削除される[s4][s5]。このためマルウェアのダウンロードを要さず検知しにくいとされる[s5]。CISA の事例では、wmiexec.py とともに侵害済み認証情報で高権限のサービスアカウントを得る際に使われた[s1]。守る側は、ランダムな 8 文字のサービス名(旧版の既定は BTOBTO)や cmd.exe 経由の bat 実行、__output ファイルを確認する[s4][s5]。対策として、Windows ファイアウォールでファイル共有を許可 IP に限定し、ローカル管理者によるリモートアクセスを禁止する[s5]。

使用するグループ

WinRM

別名: Windows Remote Management、winrm.cmd

横展開

WinRMはWindowsに標準で備わるリモート管理機能であり、WS-Managementプロトコルのマイクロソフト実装である[s2]。本来はPowerShellリモート処理を支え、リモートのコンピューターでコマンドを実行する用途に使われ、既定ではHTTP 5985番とHTTPS 5986番で待ち受ける[s2]。攻撃では、窃取した認証情報を使って複数の端末でプロセスを起動する水平移動に使われる[s5]。WinRMを介してPowerShellをリモート実行すると、攻撃者はWindows Firewallを通過して端末を制御できるとされ、無効でもWMI経由で有効化できる[s3]。守る側は、wmiprvse.exeから起動される子プロセスと、svchostによる不審なネットワーク接続を監視する。ただしWMI由来の監視は誤検知が多く、管理者の通常動作を基準にする必要がある[s5]。対策として、管理専用の踏み台を設け、TrustedHostsを踏み台に限定する方法がある[s5]。

使用するグループ

WMI

別名: Windows Management Instrumentation、Windows Management Infrastructure、WMIC、wmic.exe

横展開

WMIはWindowsに標準で組み込まれた管理基盤であり、WBEM標準とCIM標準の実装である[s3]。管理者はこれでシステム情報の照会やプロセス管理、リモート操作を行う[s4]。攻撃者は侵入後、DCOMやWinRM経由でリモートマシン上のWMIクラスを操作し、他のWindows端末でプロセスを実行して横展開に使う[s3][s4]。起動時やイベント発生時にプログラムを自動実行させる常駐の仕組みにも悪用される[s3]。ランサムウェアがwmic.exeでシャドウコピーを削除する例もある[s5]。OS標準機能のため許可リストに入りやすく、検知が難しい[s1]。WMIはアンインストールできず、無効化すると複数台の一括更新など管理機能が制限される[s3]。守る側は、起動元プロセス、実行ユーザー、子プロセス、想定外の通信といった文脈で見るべきである[s4]。シグネチャより、実行された動作の順序に注目するIOAや振る舞い検知が有効とされる[s1][s2]。

使用するグループ

WMIの出典

データ持ち出し 15 件

AzCopy

別名: azcopy.exe、AzCopy v10

データ持ち出し

AzCopyはMicrosoftが提供するコマンドラインツールで、Azure Storageとの間で大規模なデータ転送を行う。インストール不要の単体実行ファイルとして無償で入手できる[s4]。本来はAzure Storageへのデータ移行や運用に使われる[s3][s4]。攻撃ではデータ窃取の段階で悪用され、RhysidaやBianLianなどのランサムウェア集団が侵害先のデータをAzure Blobコンテナへ送る[s3]。SASトークン付きURLで認証し、更新日時指定による対象絞り込みや帯域制限で通信を目立たなくする例がある[s4]。窃取後に.azcopyログのディレクトリを削除する例も確認されている[s4]。守る側は、azcopy.exeの実行、*.blob.core.windows[.]netなどAzure Blobエンドポイントへの外向き通信、重要サーバでの異常なファイルコピーを監視する[s3]。既定のログ%USERPROFILE%\.azcopyにはUPLOADSUCCESSFULなどが残り、流出データの特定に役立つ[s3]。Microsoft署名のバイナリでも正当とは限らず、不審なパスからの実行や親プロセスの確認が必要とされる[s5]。

使用するグループ

AzCopyの出典

Azure Storage Explorer

別名: Microsoft Azure Storage Explorer、StorageExplorer.exe、Storage Explorer

データ持ち出し

Microsoft が提供する GUI の管理ツールで、Windows・macOS・Linux 上で Azure Storage のデータを操作できる[s2][s4]。BLOB やファイル共有の管理が本来の用途である[s3]。Rhysida や BianLian などのランサムウェアグループは、侵害したネットワークから窃取したデータを Azure Blob コンテナーへ送る目的で悪用しており、コマンドラインツール AzCopy も併用される[s3][s4]。Azure は企業で広く使われるためファイアウォールで遮断されにくく、検知を免れやすいとされる[s4]。守る側は、AzCopy の実行、.blob.core.windows[.]net など Azure Blob 宛ての外向き通信、重要サーバーでの異常なファイルコピーを監視する[s4]。%USERPROFILE%\.azcopy のログには UPLOADSUCCESSFUL などが残り、流出データの特定に使える[s4]。StorageExplorer.exe の初回起動を検知するルールもあり、Microsoft 署名があっても正常とは見なさない[s5]。

使用するグループ

cURL

別名: curl.exe

データ持ち出し

cURL は HTTP、HTTPS、FTP などの異なるプロトコル間でデータを転送するために使われる、Linux ディストリビューションに同梱のユーティリティである[s2]。攻撃では、OS のバージョンなどのシステム情報を攻撃者のインフラへ POST で送出したり[s2]、GitHub から XMRig のバイナリを取得したりするのに使われる[s2]。Quick Assist を悪用した Storm-1811 の事例では、scripted な cURL コマンドでバッチファイルや ZIP ファイルを取得し、Qakbot、ScreenConnect、NetSupport Manager、Cobalt Strike の導入につなげていた[s4]。守る側は、コンテナ内にこの種のユーティリティが存在すること自体が攻撃者に手段を与える点に注意し[s2]、ツールの有無ではなく実行の文脈や通信先、転送量といった挙動を見て検知する必要がある[s3]。

使用するグループ

Cyberduck

データ持ち出し

Cyberduck は、リモートサーバーやクラウドストレージに接続してファイルのアップロード・ダウンロード・管理を行うオープンソースのファイル転送クライアントである[s3]。Qilin ランサムウェアの攻撃では、窃取したデータをクラウドサーバーへ送る持ち出しの段階で悪用され、最近の Qilin 事案で広く使われているとされる[s1]。Backblaze などの正規クラウドストレージへ送るため、許可された通信に紛れやすい[s2]。守る側は、Cyberduck の履歴ファイルに Backblaze などへの接続や大容量アーカイブのマルチパート転送設定が残っていないかを見る[s2]。実行ファイルのメタデータ(製品名 cyberduck)による検索や、cyberduck[.]io 関連ドメインの名前解決の監視も有効とされる[s3]。あわせて、クラウドストレージ向けの大量の送信通信や、通常と異なるアカウント・時間帯の接続を確認する[s2]。

使用するグループ

Cyberduckの出典

Gofile

別名: gofile[.]io、gofile.io

データ持ち出し

Gofile(gofile[.]io)は、利用者が匿名でファイルをアップロードして共有できるファイル共有型のプラットフォームである[s3]。攻撃での使われ方は、文書 s3 が解析したRust製の情報窃取型マルウェアの事例が該当する。このマルウェアは、ブラウザの認証情報、暗号資産ウォレット、Discordトークン、Steamの設定ファイルなどを diagnostics.zip に圧縮し、窃取した情報の送出に gofile[.]io を使う。まず api.gofile[.]io に問い合わせて利用可能なサーバを取得し、storeX.gofile[.]io の /uploadFile へ POST してアップロードする[s3]。文書には、gofile[.]io を direwolf が使うとする記述は見当たらない。守る側は、業務で使わない環境から gofile[.]io への通信やアップロードがないかを確認するとよい。また、%localappdata%\Microsoft 配下に作られる diagnostics.zip のような不審な圧縮ファイルの作成も見るべき点である[s3]。

使用するグループ

Gofileの出典

Mega

別名: megasync、Megasync、MEGAsync、megasync.exe、MegaCmd、Mega.io

データ持ち出し

Mega はエンドツーエンド暗号化、無料の基本ストレージ枠、遠隔でのファイル転送ツール群を提供するクラウドストレージサービスである[s5]。主クライアントの MegaSync は Google Drive や Dropbox と同様の同期ソフトで、コマンドライン版の MegaCmd もある[s5]。ランサムウェア攻撃では窃取データの外部送出に悪用され、Hades、LockBit、Nefilim で確認されている[s2]。Cephalus の事案では RDP での侵入後、ランサムウェア展開前にデータ窃取とみられる形で MEGA が使われた[s4]。守る側は、megasync.exe のプロセス名・パス・内部名の不一致や通常と異なるインストール先を見るとよい[s5]。ブラウザ以外のプロセスによる mega[.]io や mega.co[.]nz への通信も監視対象になる[s5]。環境によっては Mega 関連 IP への通信遮断も有効とされる[s5]。

Megaの出典

MEGA / MEGAcmd

別名: MEGA、MEGAcmd、MEGAsync、MegaSync、MEGAsync.exe、MEGAsyncSetup64.exe

データ持ち出し

MEGA は MEGA[.]io のクラウドストレージサービスであり、同期クライアントの MEGAsync と、MEGA アカウントをコマンドラインで操作する MEGAcmd が提供されている [s4][s5]。MEGAcmd はファイル転送のほか、フォルダーの同期やバックアップの設定もできる [s5]。攻撃では、ランサムウェアの運用者が暗号化前に窃取データを MEGA の攻撃者管理アカウントへ持ち出すために悪用する [s4]。WinRAR などでステージングした圧縮ファイルを自動同期でアップロードする流れが確認され、LockBit、Conti、Nefilim、BlackCat/ALPHV、INC の利用が報告されている [s2][s4]。バイナリ名を meg.exe、sync.exe、backup.exe に変えて検知を避けることがあるとされる [s4]。守る側は、メタデータから元のファイル名 MEGAsync.exe を確認すること、同期対象フォルダーや転送量に着目すること、userstorage.mega.co[.]nz 宛ての通信とログの「Upload complete:」を見ることが勘所となる [s4]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

MEGA client

別名: MEGAsync、MegaSync

データ持ち出し

MEGA client は、クラウドストレージ MEGA と同期するための正規クライアントである。MegaSync の名で呼ばれ、本来の用途はクラウドストレージとの同期である[s2]。ランサムウェア攻撃では、窃取したデータを外部へ送出する手段として悪用され、Hades、LockBit、Nefilim の攻撃での悪用が確認されている[s2]。LockBit の事例でも、FileZilla や Rclone と並び、情報流出に使われたとされる[s3]。Monti に関わる攻撃者についても、WinSCP とともに MEGA Client を使って被害ネットワークから機密データを持ち出すのが通例とされる[s4]。守る側は、業務で使わない端末での MEGA クライアントの導入や実行、クラウドストレージ宛ての大量の外向き通信を監視するべきである。なお、正規ツールそのものは不正とみなされないため、セキュリティ製品の検出を回避できる可能性がある[s2]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

MEGA clientの出典

MEGACmd

データ持ち出し

MEGACmd は、クラウドストレージ Mega が無償で提供するファイル転送ツールのコマンドライン版である。GUI 版の MegaSync と同等の機能をコマンドラインから使える対話型ツールとされる[s3]。本来はファイルのアップロードや同期に使われる。攻撃では、ランサムウェアの前段で窃取データを Mega へ送り出す手段として悪用され、Royal ランサムウェアは Cobalt Strike や rclone などとともに送出に用いたとされる[s5]。Mega は暗号化と無料枠を備え、暗号資産での支払いにも対応するため攻撃者に選ばれやすいとされる[s3]。守る側は、承認されたファイル共有ツールと通常のインストール先を把握することが要点である。攻撃者はツール名を変更して統制を回避しがちなため、内部名と実行ファイル名の不一致やパスのずれを監視する。ブラウザ以外のプロセスによる mega[.]io や mega.co[.]nz への通信も検知対象となる[s3]。

使用するグループ

MEGAsyncSetup64.EXE

別名: MEGAsync、MegaSync、MEGASync

データ持ち出し

MEGAsyncSetup64.EXEは、クラウドストレージ「MEGA」の同期クライアントMEGAsyncの64ビット版インストーラーである。MEGAsyncはクラウドストレージとの同期という正規用途のツールである[s1]。INC Ransomの攻撃では、ネットワーク偵察用のNETSCAN.EXE、リモート操作用のAnyDesk.exeなどと並んで使われ、ファイルの共有・同期を担うとされる[s4]。また、サーバーにMEGASyncを導入するのは、窃取データの転送を容易にするためとみられる[s4]。この種の悪用はHades、LockBit、Nefilimなど他のランサムウェア攻撃でも確認され、窃取データの外部送出に使われる[s1]。守る側は、業務で使わないサーバーへのMEGAsyncの導入や実行、およびクラウドストレージへの大量の外向き通信に注目すべきである[s4]。

使用するグループ

MEGAsyncSetup64.EXEの出典

MinIO Client

別名: mc、mc.exe

データ持ち出し

MinIO Client は、Amazon S3 互換のオープンソース・オブジェクトストレージ「MinIO」を操作するクライアントである[s3]。MinIO 自体は非構造化データやログ、バックアップなどを保存する用途で使われる[s3]。ランサムウェア「The Gentlemen」を運用する GOLD SHERWOOD の関係者は、暗号化の前にデータを持ち出す手段として Rclone、Restic とともにこのツールを使うとされる[s4]。同グループの侵入では、持ち出し用・バックアップ用のツールが C:\PerfLogs に置かれていた[s1]。このディレクトリは管理者やセキュリティ製品にあまり確認されない場所とされる[s1]。守る側は、外部へのデータ持ち出しツールの異常な利用と、PerfLogs のようなステージング用ディレクトリを監視すべきである[s1]。あわせて、VPN 認証への MFA 適用やリモートアクセス基盤の堅牢化が推奨されている[s1]。

使用するグループ

Rclone

別名: rclone.exe

データ持ち出し

Rcloneはクラウドなどのストレージ上の内容を管理・移行するための、オープンソースのマルチスレッド・コマンドラインプログラムである。同期、転送、暗号化、キャッシュ、結合、圧縮、マウントなどの機能を持ち、S3やGoogle Driveなどに対応する[s4]。本来はバックアップやデータ転送に使われるクラウドストレージ同期用ツールである[s2][s4]。攻撃では、ネットワークを掌握した後に展開され、窃取した機密データを外部のリモートサーバーへ送り出す手段として悪用される[s4]。Warlockの事案でもデータの持ち出しにRCloneが使われたとされる[s1]。守る側は、攻撃者がツール名を変えて検知を避けるため、ファイル名だけでなく内部名などのメタデータ、通常のインストールパス、ネットワーク接続の挙動を把握して照合する必要がある[s5]。自社業務で使う正規ツールか、使用時間帯が不審でないかも確認の基準になる[s2]。

Rcloneの出典

Restic

別名: restic.exe、winupdate.exe

データ持ち出し

Restic はオープンソースのコマンドラインバックアップツールであり、Windows、Linux、OSX で動作し、ローカルディレクトリ、SFTP、Amazon S3、Azure、Google Cloud Storage などを保存先にできる[s5]。本来は効率的で安全なバックアップのための正規ツールで、クライアント側暗号化と重複排除を標準で備える[s4]。攻撃では暗号化前の窃取段階で使われ、小規模・単純なネットワークでは INC のオペレーターが直接データ持ち出しに用いたとされる[s4]。Noberus を使う攻撃者が init や backup コマンドで利用した例もある[s5]。INC の事案では restic.exe が winupdate.exe に改名されて System32 に置かれ、PowerShell スクリプトが S3 互換バケットの認証情報を環境変数に設定して実行していた[s4]。守る側は、改名された実行ファイル、RESTIC_REPOSITORY など環境変数を使うスクリプト、バックアップ通信に似た大量の外向き転送を見る必要がある[s4]。リポジトリは通常のクラウドツールでは列挙できず、Restic なしでは中身が見えない[s4]。

使用するグループ

s5cmd

別名: s5cmd.exe

データ持ち出し

s5cmd はオープンソースのコマンドラインツールであり、GitHub では S3 互換オブジェクトストレージとローカルファイルシステムを扱う高性能ツールと説明されている [s3]。本来はファイルやオブジェクトを S3 バケットへ複製する用途に向く [s3]。攻撃者は窃取データの外部送信に悪用する。Huntress が観測した Qilin ランサムウェア攻撃では、露出した RDP から侵入した攻撃者が、暗号化の前に s5cmd.exe で文書・画像・zip などを S3 へ送り、その後 PsExec でランサムウェアを展開した [s3]。Microsoft は Storm-2570 が Rclone と並べて同ツールを情報送信に使うと報告し [s2]、Recorded Future もランサムウェア運用者による悪用例に挙げている [s5]。守る側は、s5cmd.exe の実行と --credentials-file、cp、s3:// を含むコマンドラインの監視に加え、Windows Defender のリアルタイム保護が無効化された直後の挙動に注目すべきである [s3]。

使用するグループ

WinSCP

別名: winscp.com、WinSCP.exe

データ持ち出し

WinSCP は Windows 向けの無料のオープンソースのファイル転送クライアントであり、SFTP、SCP、FTP、WebDAV を扱う[s5][s4]。本来は IT 管理者がファイルを転送するための道具である[s5]。ランサムウェア攻撃では、WinRAR などで圧縮したアーカイブを攻撃者管理の SFTP サーバーへ送り出すデータ窃取の段階で使われ、暗号化前の送信完了確認まで観測されている[s5]。Play は主要な窃取ツールとして使い、Akira は Rclone や Ngrok と組み合わせる[s5]。Black Basta と Cactus の侵入では BackConnect 導入後に WinSCP の利用が確認された[s2]。WinSCP の偽サイトや不正広告で配布される侵入経路も報告されている[s3][s4]。守る側は、正規の管理ツールとして存在するだけでは警告が出にくい点に注意し、winscp[.]com の /script や /loglevel=-1 などのコマンドライン、圧縮後の大容量転送、未承認の SFTP 接続先を見るとよい[s5]。ダウンロードは公式配布元に限る[s4]。

WinSCPの出典

トンネル・プロキシ 12 件

Chisel

別名: chisel.exe

トンネル・プロキシ

Chiselは、クライアントとサーバーの構成で動作するオープンソースのトンネリングユーティリティである(GitHub: jpillora/chisel)[s4]。攻撃では、アフリカの金融機関を狙うCL-CRI-1014の活動で使われた。標的マシンで動かすとクライアントが攻撃者側のサーバーに接続し、標的マシンがプロキシとして通信を他のリモートマシンへ転送する。これによりファイアウォールなどのネットワーク制御の迂回に成功したとされ、PoshC2のインプラントがChiselをSOCKSプロキシとして実行した例もある[s4]。実行ファイルはMicrosoft、Cortex、VMwareの製品に似せたアイコン・署名・プロセス名・パスで偽装されていた[s3][s4]。守る側は、正規製品を装うプロセスの署名や配置パスの確認、内部ホストから外部サーバーへの不審なトンネル通信、PsExecやPowerShellによる展開の監視が手がかりとなる[s3][s4]。

使用するグループ

Chiselの出典

Cloudflare Tunnel

別名: Cloudflared、TryCloudflare、cloudflared.exe

トンネル・プロキシ

Cloudflare が提供する正規のトンネリングサービスである。ローカルのサービスをファイアウォールのポートを開けずにインターネットへ公開でき、無料枠の TryCloudflare もある [s3]。攻撃では、Warlock グループが Velociraptor や VS Code とともに C&C 通信に使ったとされる [s1]。Rapid7 の事案では、Plink の接続が EDR に遮断された後に Cloudflared が使われ、外部通信を Cloudflare 経由にして C2 の実 IP やドメインを隠し、社内資産間では RDP・SSH の横展開やデータ転送の中継にも使われた [s2]。TryCloudflare のサブドメインは WebDAV 経由のマルウェア配布にも悪用される [s3][s4]。守る側は、cloudflared の実行と trycloudflare[.]com への通信、WebDAV(@SSL\DavWWWRoot)の利用を監視・制限すべきである。このドメインを明示的に遮断・監視していない組織が多いとされる [s4]。

使用するグループ
関連する分析

Cloudflared

別名: cloudflared.exe、Cloudflare Tunnel

トンネル・プロキシ

Cloudflare Tunnel の実行ファイル名でもある Cloudflared は、Cloudflare のエッジサーバーへ HTTPS(HTTP2/QUIC) で外向き接続を張る正規のトンネリングツールである。GitHub で公開され、主要 OS に対応する [s5]。本来は SSH、RDP、SMB などのサービスや社内ネットワークを Cloudflare 経由で外部から利用可能にするために使う [s5]。攻撃では、Warlock が C&C 通信に用いるとされ [s2]、The Gentlemen の事案では管理者アカウントで Windows サービスとして導入され、トークン付きの tunnel 実行で VPN から独立した常設の遠隔アクセス経路となった [s3]。Rapid7 の事案では、Plink が遮断された後に使われ、RDP や SSH による内部横展開の中継にも使われた [s4]。守る側は、cloudflared.exe の実行、サービス登録、tunnel run のトークン指定を監視し、Cloudflare 宛て通信やポート 7844 の QUIC を確認すべきである [s3][s4][s5]。

使用するグループ

Cloudflaredの出典

Ligolo-ng

別名: Ligolo

トンネル・プロキシ

Ligolo-ng は、リバース TCP/TLS 接続で内部ネットワークへ到達するためのオープンソースのトンネリング・ピボットツールである [s5]。SOCKS プロキシとは異なり TUN インターフェースで通信を中継し、gVisor によるユーザーランドのネットワークスタックで Nmap を proxychains なしに実行できる [s5]。本来はペネトレーションテストなどのセキュリティ評価向けである [s5]。攻撃では、侵害した端末から攻撃者のインフラへトンネルを張り、内部ネットワークへの侵入、偵察、追加の端末への攻撃に使われる [s5]。Y Combinator を装った攻撃では Sliver C2 と併用された例がある [s5]。TLS を使い通常に見える通信のため従来型製品では検知しにくく、異常検知や振る舞い分析、トンネリング通信の監視、エンドポイント保護製品による検知・遮断、定期的な脅威ハンティングが対策とされる [s5]。オープンソースゆえ改変版が存在し得る点にも注意が要る [s5]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Ligolo-ngの出典

Ngrok

別名: ngrok.exe

トンネル・プロキシ

Ngrok は、ローカルのネットワークポートをインターネットへ公開するクロスプラットフォームのトンネリングツールである。無償の限定版が ngrok[.]com で配布され、商用向けは有償で提供される [s3]。本来は、NAT やファイアウォールの内側にある開発中のサーバへ、一時的な公開 URL でアクセスさせる用途に使われる [s4]。攻撃では、内部マシンを外部から到達可能にする手段として悪用され、RDP(3389)や VNC の公開、C2 通信、ペイロード取得に使われる [s2][s3][s4]。MITRE ATT&CK は、横展開とデータ窃取での使用を挙げている [s5]。ngrok.exe を conhost.exe に改名して偽装した例もある [s4]。守る側は、ngrok.exe の実行と tcp 3389 などのコマンドライン引数、ngrok[.]io 宛ての DNS・HTTP 通信、PowerShell 履歴、ngrok.yml の存在を調べる。正規利用かどうかの確認が先に要る [s3]。EPP だけでは検出できない例があり、複数レイヤーの相関分析が有効とされる [s2]。

使用するグループ

Ngrokの出典

OpenSSH

別名: OpenSSH for Windows、sshd、ssh

トンネル・プロキシ

OpenSSH は SSH プロトコルに基づくセキュアなネットワークツール群である[s1]。正規の用途はリモート接続や、SSH 鍵を使ったサーバー間の自動アクセスである[s3]。攻撃では、Storm-1811 が Quick Assist 経由の侵入後に OpenSSH のトンネル機能で SSH トンネルを張り、永続化に使った[s2]。別の事例では、攻撃者が Tailscale とともに OpenSSH を入れ、C2 サーバー停止後も侵入経路を保った[s4]。窃取した SSH 鍵で他サーバーへ広がる恐れもある[s3]。守る側は、Windows 端末への想定外の OpenSSH 導入、未承認のリモートアクセスツール、昇格権限で動く不審なスケジュールタスクを監視すべきである[s4]。脆弱性 CVE-2024-6387 には 9.8 以降への更新が必要で、できない場合は LoginGraceTime の短縮が一時策とされる[s1]。

使用するグループ

proxychains

別名: proxychains4

トンネル・プロキシ

proxychains は、ネットワーク接続を中継用のプロキシ経由に振り向けるコマンドラインツールである。ペネトレーションテストやレッドチームなどの攻撃的な作業でトラフィックの転送に使われることが多いとされる[s2][s4]。配布元は hxxp://proxychains.sourceforge[.]net/ と文書に記載がある[s3]。攻撃では侵入後の段階で使われる。Vice Society の事案では impacket の wmiexec.py に proxychains を組み合わせ、他システムでコマンドを実行していた[s2]。侵害ホストに作った SOCKS プロキシ経由で、BloodHound の収集や impacket の各ツールを通す使い方も報告されている。これにより侵害ホストへ持ち込むツールを減らせる[s3]。送信元IPの隠蔽や検知回避にも悪用されうる[s4]。守る側は Linux で process[.]name が proxychains のプロセス起動を監視する。Elastic にはこの検知ルールがあり、待受ポートや開いたソケット、親プロセスの確認が調査手順に挙がる[s4]。通信側では送信元ホスト名「kali」のような痕跡の監視も有効とされる[s3]。

使用するグループ

proxychainsの出典

Rsocks

トンネル・プロキシ

Rsocks はオープンソースのリバースプロキシ系ユーティリティである。CISA などの共同勧告では、BianLian グループが Ngrok や改変版の Rsocks を使っている可能性があるとされる[s1]。攻撃では C2 通信の段階で、被害ネットワークから SOCKS5 のトンネルを張り、通信の宛先を隠すための外部プロキシとして使われたとされる[s1]。別の事例として、ASEC の調査では Dalbit グループの侵入先企業で、FRP や LCX に加えて ReGeorg、NPS とともに RSOCKS が見つかった例がある[s5]。守る側は、社内端末から外部へ張られる未知のプロキシやトンネル通信を確認し、RDP などのリモートデスクトップ利用を厳しく制限することが求められる[s1]。コマンドラインやスクリプト実行の権限を絞ることも勧告されている[s1]。

使用するグループ

SSH

別名: Secure Shell、OpenSSH、ssh.exe

トンネル・プロキシ

SSH は、サーバーへ鍵やパスワードで安全に接続するための遠隔接続の仕組みであり、Unix/Linux の管理者が日常的に使う。鍵は自動化された機器間の接続やファイル転送にも使われる[s3]。攻撃では、OS 標準の SSH バイナリや OpenSSH ベースのツールを使ったトンネリングに悪用される。Abyss Locker の事例では、Windows に OpenSSH 系ツールをサービスとして常駐させ、リモートポートフォワードで外部の C2 サーバーとの接続を維持した。ESXi ホストにも SSH トンネルが設定された[s4]。QEMU 内から逆方向の SSH トンネルを張り、隠れた仮想マシンへの経路にした例もある[s2]。盗まれた SSH 鍵は他サーバーへ侵害を広げるのにも使われる[s3]。守る側は、想定外のサービスやスケジュールタスク、外部への常時 SSH 接続、ポートフォワードの設定を確認する必要がある[s2][s4]。SSH 鍵は管理下に置く必要がある[s3]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

SSHの出典

Tor

別名: Tor経由の管理パネル(ビルドツール付き)、The Onion Router、Tor Browser、Tor Project

トンネル・プロキシ

Torは、Torプロジェクトが提供する匿名通信用のソフトウェアであり、名称は「The Onion Router」の略である。通信を入口・中継・出口の3つのノードで多重に暗号化して中継するオニオンルーティングにより、利用者の行動と身元を結びつけにくくする[s3]。政治活動家のような正当な利用者がいる一方、マルウェアの作者はサービス妨害、隠密偵察、エクスプロイト、C2通信、データ漏出に使うとされる[s3]。ランサムウェア攻撃では、攻撃者が通信元を隠す目的で用いる場面が想定される。守る側は、Torの出口ノードのIPアドレスを集めた外部ダイナミックリストで接続を遮断し、アプリケーション識別でTorの送受信を止め、EDRでTor関連の挙動を検知することが推奨される[s3]。なお文書では、1か月に204の顧客ネットワークでTorトラフィックが観測されたとされる[s3]。

使用するグループ

Torの出典

VS Code CLI

別名: Visual Studio Code CLI、code CLI、code.exe、VS Code Remote Tunnels、VS Code 開発トンネル、Microsoft dev tunnels

トンネル・プロキシ

Microsoft が開発・提供するコードエディタ Visual Studio Code のコマンドライン版である。開発トンネル機能は本来、開発者が遠隔地のコンピュータへ接続し、ソフトウェア開発やコマンド操作を行うために使われる[s1]。攻撃では、ANEL マルウェアが CLI 版をダウンロードし、トンネル機能のオプション付きで起動して VS Code Server を立ち上げ、攻撃者が外部から PowerShell でコマンドを実行したとみられる[s1]。warlock の攻撃では Velociraptor 経由で VS Code が取得され、C&C 通信に使われたとされる[s2]。守る側は .vscode や .vscode-server フォルダの作成、node.exe の起動、Security ログのイベント ID 5379 の記録を確認する[s1]。業務時間外や VS Code を使わない部門から devtunnels[.]ms などへの通信がないかも見る[s1]。ファイル名は変更され得る点にも注意する[s1]。

使用するグループ

VS Code CLIの出典

検知回避・無効化 17 件

BITSAdmin

別名: bitsadmin.exe

検知回避・無効化

BITSAdminはWindowsに標準で備わるコマンドラインツールである。Microsoftの文書では、ジョブの作成、ダウンロード、アップロードとその進行状況の監視に使えるとされる[s5]。攻撃では「LOLBin」、すなわち正規で信頼されたバイナリを悪意ある目的に使う手口の一つとして扱われ、外部からのファイルのダウンロードや実行、ADSへのデータの追加に使えるとされる[s5]。EgregorランサムウェアやAstarothマルウェア、Ramnitの攻撃で悪用された例が挙げられている[s5]。守る側は、実行を洗い出して正規の利用をコマンドラインや親プロセス、ユーザー名などで除外し、残りを調べるのがよいとされる[s5]。具体例は、「/transfer」「http」「/download」「/addfile」を含むコマンドラインの実行と、親プロセスがWscriptである実行である[s5]。

使用するグループ

BITSAdminの出典

certutil

別名: certutil.exe

検知回避・無効化

certutil は Windows に標準で含まれる管理者用のコマンドラインツールである。Microsoft が認証局(CA)のデータやコンポーネントの操作用に提供しており、証明書や証明書チェーンの検証、CA 構成情報の表示、証明書サービスの設定に使う [s2]。攻撃では、-urlcache によるファイルのダウンロードや、-decode・-decodehex による Base64・16進数文字列のデコードに悪用され、検知回避のため符号化したペイロードを取得して復元する [s2][s3]。REvil の Kaseya 攻撃では cert.exe へコピーされ、agent[.]crt を agent.exe にデコードするのに使われた。名前の変更は検知ルール回避が目的とされる [s4]。Trend Micro の報告でも certis.exe へのコピーが確認されている [s1]。守る側は -decode、-encode、-urlcache、-verifyctl、-encodehex、-decodehex、-exportPFX の引数付き実行を監視し、親プロセスや取得ファイルを調べるとよい [s5]。リネームされた実行も検知対象となり得る [s4]。

使用するグループ

GMER

別名: GMER.exe、Hacktool.GMER

検知回避・無効化

GMER は、隠しプロセス・サービス・ファイル・レジストリキーを検出・削除するために作られたアンチルートキット用ユーティリティである[s4]。本来はルートキット対策の正規ツールだが、複数のランサムウェア運用者が悪用しており、Play のほか Qilin、Hunters International、Phobos、Enmity などで確認されている[s4]。Play の攻撃では IOBit、PowerTool とともにウイルス対策ソフトの無効化とログ削除に使われるとされ[s1]、Hive/Nokoyawa との共通点として防御回避の段階に挙げられている[s2]。ESET は、攻撃者が正規のアンチルートキットを EDR キラーとして悪用すると指摘し、暗号化の直前に防御を無力化する手口とする[s5]。Broadcom は GMER のドロッパーとドライバーが良好な評判を持つため評判ベースの信頼で実行されてしまうと述べ、Hacktool[.]GMER として静的にブロックする[s4]。守る側は、暗号化前のセキュリティ製品の停止や GMER の持ち込みを監視すべきである。

使用するグループ

GMERの出典

gpscript.exe

別名: gpscript、Group Policy Script Utility

検知回避・無効化

gpscript.exe は Windows 標準のグループポリシー関連ユーティリティである[s1]。グループポリシーは、組織内のマシンに同じ設定を一括で適用したり、特定のプログラムを実行させたりできる仕組みである[s2]。Crypto24 は、これを悪用してネットワーク共有上の Trend Vision One 用アンインストーラ XBCUninstaller.exe を遠隔で実行し、エンドポイント保護を無効化したとされる[s1]。XBCUninstaller.exe は Trend Micro が障害対応用に提供する正規ツールであり、攻撃者は管理者権限の奪取後にしか使えなかった[s1]。ランサムウェアの初回実行は EDR に止められたが、数時間後に GPO 経由で EDR のアンインストーラを展開したのち、実行に成功したと報告されている[s5]。守る側は、グループポリシー経由での不審なアンインストーラ実行、最小権限の徹底、エージェントのセルフプロテクション有効化を確認すべきである[s1][s5]。

使用するグループ

IOBit

別名: IObit Unlocker

検知回避・無効化

IOBit は、Play ランサムウェアの攻撃者が使うとされる正規ツールである。CISA の勧告は、攻撃者が GMER、IOBit、PowerTool といったツールでウイルス対策ソフトを無効化し、ログファイルを削除すると記している[s1]。Trend Micro の一覧では IObit Unlocker(IObit Information Technology)が挙がり、本来はロックされたファイルやフォルダのロック解除・変更に使うものである。攻撃では暗号化の前にファイルやフォルダのロックを解除する用途で悪用される[s4]。守る側は、ツールの存在そのものが不正とは限らないため、自社の正規業務で使っているか、使用時間帯が不審でないか、近い時間帯・環境に他の不審なテレメトリがないかを確認するとよい[s4]。

使用するグループ

IOBitの出典

msiexec

別名: msiexec.exe、Windows Installer

検知回避・無効化

msiexec.exe は Windows Installer のコマンドラインユーティリティであり、MSI パッケージ(.msi)のインストールに使われる OS 標準のバイナリである。Microsoft の署名が付いている場合がある[s5]。本来は Windows アプリケーションの導入・展開に用いる[s4]。攻撃では、ローカルやネットワーク上の MSI ファイルを起動し、DLL も実行できるため、悪意あるペイロードの代理実行に悪用される[s5]。署名済みで標準搭載のため、アプリケーション制御を回避できる場合がある[s5]。LokiBot の拡散では、不正な MSI をダウンロードして不正コードを読み込むローダを導入する手口が確認された[s3]。AlwaysInstallElevated ポリシーが有効だと SYSTEM 権限で実行されうる[s5]。対策として、Windows Installer の無効化または制限により、管理者が許可したソフトウェアのみのインストールに絞れる[s3]。また、msiexec が外部の MSI や DLL を起動する挙動を監視対象とする必要がある[s5]。

使用するグループ

msiexecの出典

PowerTool

別名: Hacktool.PowerTool

検知回避・無効化

PowerToolは、ルートキットやブートキット、隠しプロセス、カーネルレベルのマルウェアを検出・解析するためのWindows用セキュリティユーティリティである[s5]。攻撃では、ランサムウェア展開やデータ持ち出しの前に、セキュリティ製品のサービスやプロセスを停止する目的で悪用される。Akira、Play、Hunter Internationalなど複数のランサムウェア運用者の利用が確認されている[s5]。Playの事例では、GMERやIOBitと並んでウイルス対策ソフトの無効化とログファイルの削除に使われたとされる[s1]。防御側の勘所として、PowerToolは評判が良好なため、評判ベースの信頼によって実行を許してしまう点がある[s5]。Broadcomは「Hacktool[.]PowerTool」のシグネチャで静的にブロックしており、業務で使う場合のみハッシュまたはシグネチャ単位の除外を設ける運用が示されている[s5]。

使用するグループ

PowerToolの出典

Process Hacker

別名: ProcessHacker、KProcessHacker

検知回避・無効化

Process Hacker はシステムリソースの監視、ソフトウェアのデバッグ、不正プログラムの検出に使われる正規ツールである[s2]。ランサムウェア攻撃では、実行中のプロセスの全体像を把握し、セキュリティ製品を含むプロセスやサービスを探して停止するために悪用される[s2][s4]。Crysis、Nefilim、Sodinokibi での悪用が確認されている[s2]。DoppelPaymer は Process Hacker の実行ファイルとドライバ KProcessHacker、細工した DLL を %APPDATA% 配下に置き、DLL サーチ順序ハイジャックで乗っ取って、PPL で保護されたものを含む AV や EDR のプロセスを終了させた[s3]。守る側は、%APPDATA% 配下の不審な実行ファイルとドライバの組、KProcessHacker3 というサービス名の登録、セキュリティ製品のプロセスが突然停止する事象を確認する必要がある[s3]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

QEMU

別名: qemu-system-x86_64.exe

検知回避・無効化

QEMU はオープンソースのマシンエミュレータ兼仮想化ソフトウェアである[s2]。本来は仮想マシン(VM)を動かすための正規ツールであり、公式サイトは qemu[.]org とされる[s2]。攻撃者は VM 内の活動がエンドポイントのセキュリティ製品から見えにくく、ホスト側に残る痕跡も少ない点を狙って悪用する[s2]。PayoutsKing に関わる STAC4713 では、スケジュールタスク「TPMProfiler」が SYSTEM 権限で VM を起動し、AdaptixC2 や OpenSSH によるリバース SSH トンネルで隠れた VM へ侵入経路を確保する。VM 内の Alpine には Chisel や Rclone などの攻撃ツールが置かれ、ドメイン認証情報の窃取に使われた[s2]。ディスクイメージは vault[.]db や bisrv.dll など珍しい拡張子に偽装される[s2][s5]。守る側は、未承認の QEMU のインストール、不審なスケジュールタスク、ポートフォワーディング、SSH トンネル、通常と異なる拡張子の仮想ディスク、仮想化プロセスからの外部通信を点検すべきである[s4][s5]。

使用するグループ

Restart Manager API (RstrtMgr)

別名: Windows Restart Manager、RstrtMgr.dll

検知回避・無効化

Windows Vista 以降に Microsoft が導入した OS 標準の API で、RstrtMgr.dll として提供される [s3][s5]。本来はインストールや更新時に、使用中のファイルを握るアプリやサービスを止めて再起動を減らすための仕組みである [s5]。攻撃では Conti が暗号化の効率化に悪用し、KillFileOwner() が各ファイルを登録して使用中のプロセスを調べ、許可リスト外のものを RmShutdown() で停止させる [s2]。JPCERT/CC によれば、Akira、LockBit3.0、HelloKitty なども同様のログを残す [s1]。守る側は、短時間に大量に記録されるイベントID 10000・10001 に注目する [s1]。通常運用でも記録されることがある点に留意する [s1]。

使用するグループ

Restart Manager API (RstrtMgr)の出典

taskkill

別名: taskkill.exe

検知回避・無効化

taskkill は Windows に標準搭載された、実行中のプロセスをコマンドラインから終了させる管理用コマンドである。ESET は、最も単純な EDR キラーが taskkill などの組み込み管理ツールでセキュリティ関連のプロセスやサービスに干渉するとし、主に技術力の低い攻撃者に結び付くとしている [s5]。Warlock ランサムウェアの攻撃では、バッチファイルが「taskkill /f /im tm_netagent.exe」などの形で /f(強制)と /im(イメージ名指定)を使い、トレンドマイクロ製品のプロセスを強制終了させようとした。この処理はランサムウェアのバイナリ実行と並行して行われた [s3]。同社の Agent セルフプロテクションは、こうした終了の試みを自動的に阻止してログに記録するとされる [s3]。守る側は、セキュリティ製品のプロセス名を対象にした taskkill の実行を監視し、製品の改ざん防止機能を有効にしておく必要がある。

使用するグループ

UPX

別名: Ultimate Packer for eXecutables

検知回避・無効化

UPXはオープンソースの実行ファイル圧縮ツール(パッカー)である[s5]。実行ファイルを圧縮して中身を読みにくくする用途のものであり、文書ではオープンソースのパッカーとして紹介されている[s5]。攻撃では、ランサムウェア本体の難読化に使われる。Hiveのペイロードは Go 言語製で UPX によりパックされており、展開後は2MB超になるとされる[s3]。Snatch の検体にも UPX によるパックが確認されている[s5]。守る側は、パックされた実行ファイルを展開したうえで解析・検知する運用が要る。なお、文書にはBianLian、Brain Cipher、Direwolfでの使用状況の記載はない。

使用するグループ

UPXの出典

vssadmin

別名: vssadmin.exe

検知回避・無効化

vssadmin.exe は Windows 標準のコマンドラインツールであり、ボリュームシャドウコピーサービス(VSS)を操作する[s3]。攻撃者は管理者向けの正規ツールを悪用してシャドウコピーを無効化・削除し、データの復旧を妨げる[s3]。LockBit 2.0 は「vssadmin delete shadows /all /quiet」を実行し、wmic や bcdedit と併用した[s3]。BlackSuit の事例では、b.exe の実行後にネットワークスキャンが行われ、vssadmin.exe でシャドウコピーが削除された[s5]。守る側はこのコマンドの実行を検知の手掛かりとできる。CrowdStrike はシャドウコピーの改ざんを振る舞いベースで防ぐ手法を紹介している[s3]。バックアップはオフラインで保管し、復旧性を定期的に試験することが推奨される[s1]。

wbadmin

別名: wbadmin.exe

検知回避・無効化

wbadmin は Windows に標準で備わるバックアップ管理用のコマンドラインユーティリティである。本来はバックアップの作成や管理に使われるが、文書では攻撃者が悪用する例が示されている。Microsoft の報告では、ランサムウェア攻撃で復旧や分析を難しくする典型的なコマンドの一つとして「wbadmin delete catalog -quiet」が実行されていた [s3]。暗号化の段階でバックアップカタログを消し、被害者がバックアップから復元できない状態にするのが狙いとされる。CISA のガイドは、多くのランサムウェアが到達可能なバックアップを探して削除または暗号化すると述べ、バックアップをオフラインで保管し復旧テストを行うよう勧めている [s1]。守る側は wbadmin によるカタログ削除コマンドの実行を監視し、wevtutil によるログ消去や bcdedit による回復機能の無効化と合わせて検知の手がかりとして扱う [s3]。

使用するグループ

wevtutil

別名: wevtutil.exe

検知回避・無効化

wevtutilはWindows標準のコマンドラインツールで、イベントログに関する情報を取得できるレガシーツールとされる[s5]。攻撃者が侵入後に使うWindowsコマンドの一つとして、JPCERT/CCの調査では攻撃グループAの探索活動で2回実行が確認されている[s1]。LockBitの事例では、ログイン/ログアウトの記録や監査ポリシー関連のセキュリティログを消去し、ホスト上のフォレンジックを避けて痕跡を隠すために使われた[s5]。Storm-2460のランサムウェア活動でも、復旧や解析を妨げるコマンドとして「wevtutil cl Application」が実行された[s4]。守る側は、AppLockerやプロセス作成の監査で実行を記録し、ログ消去の実行を他の不審な挙動と合わせて確認する必要がある[s1]。

Windows Restart Manager API

別名: Windows Restart Manager、Restart Manager、RstrtMgr.dll

検知回避・無効化

Windows Restart Manager API は、Windows Vista 以降に Microsoft が提供する、インストールや更新時の再起動を減らすための OS 標準機能である [s4]。実体は RstrtMgr.dll で、使用中のファイルを握るアプリやサービスを終了・再起動できる [s3][s4]。攻撃ではランサムウェアの暗号化段階で悪用される。Conti は流出ソースの KillFileOwner() で全ファイルを走査し、RmGetList() で使用中のプロセスを調べ、許可リスト外のものを RmShutdown() で停止してロックを外す [s2]。Conti 派生や Akira、LockBit 3.0 などでも同様のログが確認されている [s1]。守る側は、短時間にイベント ID 10000・10001 が大量に記録されないかを確認する。通常運用でも記録されるため、量と頻度で判断する [s1]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Windows Restart Manager APIの出典

XBCUninstaller.exe

別名: XBCUninstaller、Trend Vision One uninstaller

検知回避・無効化

XBCUninstaller.exe はトレンドマイクロが提供する正規のトラブルシューティング用ツールである。Trend Vision One 導入環境でのエージェント不整合などを解消し、保守やサポートの場面で Endpoint BaseCamp をクリーンにアンインストールするために使う [s1][s2]。Crypto24 は管理者権限を得た後、正規のグループポリシー・ユーティリティ gpscript.exe を悪用し、ネットワーク共有上のこのツールをリモートから実行させ、エンドポイント保護を無効化してから他端末へ水平移動したとされる [s1][s2]。ツール自体は脆弱性ではなく、起動に管理者権限が必要で、初期侵入の手段にはならない [s1]。守る側は、最小権限の原則と堅牢なアクセス制御を徹底して管理者権限の奪取を防ぐこと、gpscript.exe 経由での実行など保守ツールの不審な起動を見ることが要点となる [s1][s2]。

使用するグループ

圧縮・アーカイブ 2 件

7-Zip

別名: 7z、7z.exe、7za.exe

圧縮・アーカイブ

7-Zip は圧縮・展開を行うアーカイバであり、7z 形式のアーカイブを扱える [s5]。正規の用途はファイルの圧縮と展開である。ランサムウェア攻撃では、被害組織名を付けた .7z アーカイブにランサムウェア本体の実行ファイルを入れ、パスワード保護したうえで投下する手口が Sophos により報告されている [s3]。この事例では、セーフモードで実行するバッチ処理が同梱の 7-Zip でアーカイブから本体を展開し、実行している [s3]。守る側は、被害組織名を冠した .7z の出現、同梱された 7-Zip の実行、バッチ経由の展開コマンドを監視対象にするとよい [s3]。また 7-Zip には、二重圧縮で Mark-of-the-Web が引き継がれない脆弱性 CVE-2025-0411 があり、悪用が確認されて 24.09 で修正された [s5]。

使用するグループ

WinRAR

別名: WinRAR.exe、RAR

圧縮・アーカイブ

WinRARはRARやZIPなどの形式でファイルを圧縮・展開する広く使われるアーカイブツールである[s5]。本来はファイルの容量削減や受け渡しの簡略化に使う[s3]。攻撃では、窃取データを圧縮して外部送信の時間や帯域を抑える用途に使われるとされる。パスワード設定や圧縮後のファイル削除の機能が暗号化ツールとして悪用され得るともされる[s3]。2025年7月に7.13で修正された脆弱性CVE-2025-8088(パストラバーサル)は、細工したRARでスタートアップフォルダ等へ密かにファイルを書き込ませる手口に使われ、RomComなどが悪用した[s2][s4][s5]。守る側は最新版へ更新し、WinRARはグループポリシーや集中管理型の更新の対象外である点に留意する[s2]。アプリケーション許可リストでの実行制限や、大量の読み書きの監視も有効とされる[s3]。

OS 標準のコマンド・ユーティリティ 4 件

BusyBox

OS 標準のコマンド・ユーティリティ

BusyBox は、Linux 環境で使われる基本的なコマンド群を一つの実行ファイルにまとめたユーティリティである。Alpine などの軽量 Linux イメージに含まれるものであり、本来は組み込み機器やコンテナ向けの標準コマンド群として使われる。Sophos は、PayoutsKing ランサムウェアに関連するキャンペーン STAC4713 で、攻撃者が QEMU 上の仮想マシンに置いた Alpine 3.22.0 のディスクイメージ内の道具の一つとして BusyBox を挙げている [s3]。この仮想マシンは逆 SSH のバックドアとして使われ、攻撃ツールの配送やドメイン認証情報の収集に関わったとされる [s3]。別の事例では、IoT マルウェア Satori が telnet 侵入後に /bin/busybox 経由で wget や tftp、chmod を実行していた [s5]。守る側は、仮想マシンの起動を伴う不審なスケジュールタスク(TPMProfiler)や、拡張子を偽装した仮想ディスクイメージの存在を監視すべきである [s3]。

使用するグループ

netsh

別名: netsh.exe

OS 標準のコマンド・ユーティリティ

netshはWindowsに標準で含まれる管理用のコマンドラインユーティリティである。文書では、ファイアウォール規則の管理や設定変更、スクリプト実行といった機能を持つ組み込みツールの一つとされる[s5]。本来はトラブルシューティングや自動化、システム管理のための道具である[s5]。攻撃者は、新たなマルウェアを持ち込まずにこの種の標準ツールを悪用し、偵察、永続化、認証情報の取得、横展開、データ持ち出しを行うとされる[s5]。netshはPowerShellやReg.exeなどと並び、最も悪用される標準ツールの一つに挙げられている[s5]。管理者が日常的に使うため、実行を一律に遮断・警告することはできない[s5]。ハッシュ照合でも正規ファイルと確認できるだけである[s5]。守る側は、実行の文脈や挙動を見て判断する必要があり、不審な親子プロセス、リモートログイン後の管理ツール起動、実行直後のセキュリティ設定やレジストリの変更に注目する[s5]。

使用するグループ

netshの出典

NSSM

別名: Non-Sucking Service Manager

OS 標準のコマンド・ユーティリティ

NSSM は Windows 上でプログラムをサービスとして登録・管理するための正規ユーティリティである。ただし文書中でこのツール自体の開発元や本来の用途、BianLian による具体的な使い方を説明した記述は見当たらない。Microsoft は NSSM を望ましくない可能性のあるアプリケーション(PUA:Win32/NSSM)として分類し、Defender Antivirus が検出・削除するとしている [s5]。同分類の説明では、この脅威は攻撃者の選んだ動作を端末上で実行しうるとされる [s5]。守る側は、Defender による PUA 検出の有無を確認し、予期しない端末や場所で NSSM が置かれていないか点検するとよい [s5]。

使用するグループ

PowerShell

別名: powershell.exe、Windows PowerShell、PowerShell Core

OS 標準のコマンド・ユーティリティ

PowerShellはMicrosoftが提供するスクリプト言語兼コマンドラインシェルで、Windowsに標準搭載され、LinuxやmacOSにも対応するオープンソース版がある[s1][s2]。本来はOS管理タスクの自動化やシステム管理に使われる[s1]。攻撃者は、ファイルレス活動でメモリ上にスクリプトを実行したり、マルウェアをダウンロードしたりするのに悪用する[s1][s5]。また、Set-MpPreferenceでDefenderのリアルタイム保護を無効化する例や、Mimikatzスクリプトの実行例がある[s2][s3][s1]。ランサムウェアの配布に使われた事例(PowerWare)もある[s5]。PowerShell自体が信頼されるため、不正なスクリプトでも不正プロセスとはみなされにくい[s1]。守る側は、モジュールログ、スクリプトブロックログ、トランスクリプションを有効化してイベントを追跡する[s1]。「-enc」「-EncodedCommand」による難読化はイベントからデコードできる[s1]。実行ポリシーの設定、グループポリシーでの利用制限、EDRによる監視も有効とされる[s5]。PowerShell.exeの単純なブロックは現実的ではないとされる[s2]。

連絡手段 7 件

Jabber (XMPP)

別名: Jabber、XMPP、Extensible Messaging and Presence Protocol

連絡手段

XMPP(旧称 Jabber)は、インスタントメッセージやプレゼンス、グループチャットなどに使われるオープンなXMLベースのプロトコルである。Jabberのオープンソースコミュニティで生まれ、2004年にIETFがRFCとして規格化した[s1][s6]。本来は閉鎖的なIMサービスに代わる分散型の通信手段で、電子メールのように誰でも自前のサーバを立てられる[s1][s6]。参照した文書には、このツールを使う攻撃グループや、攻撃での具体的な使われ方は書かれていない。守る側の観点としては、Cisco Jabberに細工したXMPPメッセージで任意コード実行や内容改ざんを招く脆弱性(CVE-2020-3495、CVE-2022-20917)が報告されており、修正版への更新が求められる[s2][s4]。対策として、XMPPサーバへのアクセスを信頼できる利用者に限ること、通信できる端末をネットワークで絞ること、外部連携が不要なら無効化すること、異常に深い入れ子のXMPPメッセージを監視することが挙げられている[s2]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Jabber (XMPP)の出典

Matrix (Element)

別名: Matrix、Element、Matrix/Element

連絡手段

Matrix は The Matrix[.]org Foundation が開発するオープン標準の通信プロトコルであり、HTTP API とオープンソースの参照実装を備える [s4][s5]。Element はその代表的なクライアントで、Matrix の開発元に関わる企業が提供している [s1][s4]。本来はチャット、VoIP、テレビ電話を、異なるサービス提供者のユーザー間で行うための分散型メッセージング基盤である [s4][s5]。攻撃では、金銭目的のグループ Toy Ghouls が使うカスタムのバックドア Bird Agent が、C2 通信の経路として HiveMQ MQTT または Matrix/Element を使うとされる [s6]。Bird Agent は WinRM 経由で配布され、サービスとして動作し、隠れた PowerShell やコマンドラインを実行する [s6]。守る側は、業務で使っていない環境での Matrix/Element への通信や、サービスとして常駐する不審な実行ファイルとその通信先を確認する必要がある。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Matrix (Element)の出典

Microsoft Teams

別名: Teams、MS Teams

連絡手段

Microsoft Teams は Microsoft が提供する協働ツールであり、チャット、通話、会議、画面共有の機能を持つ [s3]。攻撃者はこれらを攻撃の各段階で悪用する [s3]。Sophos が追跡する STAC4749 は、IT サポート担当者を装ってチャットや通話で接触し、Quick Assist や RemSupp によるリモートセッションを開始させ、PowerShell で不正なペイロードを実行した。一部の侵入では Chaos ランサムウェアが展開された [s2][s5]。Trend Micro の事例では、顧客に扮した音声通話で AnyDesk を導入させ、DarkGate に感染させた [s1]。守る側は、外部組織とのチャットや会議を無効にするか、許可するドメインを限定すること、外部送信者のフィッシングメッセージを管理者が削除できる機能や Microsoft Defender for Office 365 の保護を使うことが挙げられる [s3][s4]。IT サポートを名乗る通話後に遠隔操作ツールの導入を求められた場合も警戒すべきである [s2]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Microsoft Teamsの出典

Session

別名: Session Private Messenger、Session Messenger

連絡手段

Session は、エンドツーエンドで暗号化された分散型のプライベートメッセンジャーである。世界のプライバシー専門家のコミュニティが設計・運用し、コードはオープンソースで公開されている[s1]。電話番号やメールアドレスなしでアカウント ID を作成でき、メッセージはオニオンルーティングの経路で送られるため、送信元と宛先を単一のサーバーが知ることはない[s1][s2]。FunkSec を含む 8 グループが、被害者や取引相手との連絡手段として Session を公開している[s8]。守る側は、Session のような秘匿性の高い連絡手段が脅迫や交渉の窓口に使われうる点を踏まえ、業務で使わない端末への導入を制限し、アプリの実行を管理する対策を講じたい[s3]。

使用するグループ

SimpleX Chat

連絡手段

SimpleX Chat は SimpleX Chat Ltd が開発する、無料のオープンソース(GNU AGPL)のクロスプラットフォーム型エンドツーエンド暗号化メッセンジャーである [s2]。電話番号やメールアドレスなどの外部識別子を必要とせず、ユーザー ID を持たないネットワークを特徴とする [s1][s2]。本来の用途は、一対一の会話、グループ、音声・映像通話を、メタデータを抑えて秘匿して行うことである [s1][s2]。攻撃面では、ランサムウェア運営「The Gentlemen」が、アフィリエイトとの連絡、技術支援、紛争解決といった内部のやり取りに Tox、Ricochet Refresh と並んで使うとされる [s4]。守る側は、悪意ある通信基盤の側面を過度に見るより、侵入経路となる公開サービスや VPN 機器、盗まれた認証情報、横展開の抑止に重点を置くべきである [s4]。なお SimpleX の公式アカウントが X 上で乗っ取られ、偽サイトへの誘導に使われた事例があり、暗号資産ウォレット接続を求める案内は公式のものではない [s3]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

SimpleX Chatの出典

Telegram

別名: Telegram Messenger、テレグラム、Telegram Desktop

連絡手段

Telegramは2013年にニコライ・ドゥーロフとパベル・ドゥーロフ兄弟が立ち上げた無料のメッセージングアプリである[s2]。運営元はTelegram FZ-LLCで、クライアントはGPL、サーバーは非公開とされる[s6]。本来はメッセージ・ファイルの送受信や通話、最大20万人規模のグループ、無制限の配信チャンネルに使う[s1]。攻撃では、DeathStalkerがチャンネルの投稿にRAR/ZIPを添付し、中身の.LNK・.com・.cmdを実行させてRAT「DarkMe」に感染させたとされる[s4]。メッセージアプリ経由のダウンロードはセキュリティ警告が出にくいと考えられている[s4]。シークレットチャットは自動消去が可能で、犯行の指示や証拠隠滅にも使われる[s2]。守る側は、メールやリンクだけでなくTelegramやSkypeなどのチャットアプリ経由のファイル受信も警戒対象とし、アーカイブ内の実行形式ファイルを開かないよう注意する必要がある[s4]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Telegramの出典

Tox

別名: qTox、Tox / qTox

連絡手段

Toxは有志の開発者によるFOSS(無料のオープンソース)のインスタントメッセージングソフトであり、企業や法人が運営するものではない[s2]。中央サーバーを持たない分散型のピアツーピア方式で、メッセージと音声・ビデオ通話、画面共有、ファイル共有、グループチャットを提供し、通信はすべて暗号化される[s1][s2]。核となるライブラリは通信と暗号化を担い、利用者はqToxなどのクライアントを通じて使う[s2]。攻撃の場面では、ランサムウェア系の攻撃グループが被害者や取引相手との連絡手段としてToxを公開しており、35グループが挙げられ、direwolf、exitium、gunra、kawa、ralordもこれに含まれる[s8]。D0nutのランサムノートにもToxの連絡先が記載され、被害者との連絡手段とされる[s4]。守る側は、ランサムノートに記載されたToxのIDを事案の記録や交渉対応の手がかりとして扱う点に注意すべきである[s4][s8]。

Toxの出典

その他 2 件

Microsoft OneNote

別名: OneNote、OneNote ノートブック、OneNote .one ファイル

その他

Microsoft OneNote は Microsoft Office に含まれるデジタルノートのアプリケーションである[s4]。本来はメモや各種情報の保存に使い、動画・画像・スクリプト・実行可能ファイルなどの外部ファイルも埋め込める[s4]。攻撃では、この埋め込み機能が悪用される。.one ファイルに偽の「開く」ボタンの画像と HTA などのスクリプトを仕込み、利用者のクリックで実行させる。Qakbot はこの手口でメールに添付するか、リンク先から配布し、Qakbot 本体を取得させた[s2]。Zscaler は AsyncRAT などの RAT の配布も報告している[s5]。守る側は、メールで届く .one ファイルを制限し、埋め込みオブジェクトの有無を確認する[s2][s4]。Microsoft は危険な拡張子の埋め込みオブジェクトのブロックを始めている[s4]。

使用するグループ

Microsoft OneNoteの出典

Wasabi mixer

別名: Wasabi、Wasabi Wallet

その他

Wasabi mixer は、CoinJoin 方式の一括処理でビットコインの取引を混合するミキサーである。文書では、Wasabi がビットコインを CoinJoin 型のバッチ処理で扱うと説明されている[s5]。ミキサーは資金の流れを見えにくくする仕組みであり、洗浄の疑いがあるサービスとして追跡対象になる[s4]。攻撃では、Coldcard ハードウェアウォレットの脆弱性で盗まれた資金のうち 64 BTC が Wasabi を通された。この送金元は元の攻撃者ではなく、模倣犯とされる[s5]。盗んだ暗号資産を法定通貨やステーブルコインに換える前に、足跡を分断する目的で使われた[s5]。守る側は、ミキサーとの資金の出入りを取引追跡で洗い出すことが勘所である。二つの手法を組み合わせた追跡では、ミキサー利用者からの入金も見つけられる[s4]。

使用するグループ

当サイトに使用するグループの記録はありません。

Wasabi mixerの出典